日々是勉強

教育、国際関係、我々の社会生活・・・少し上から眺めてみよう。

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【さようなら】「日々是勉強」は移転いたしました【goo】

2007年08月01日 22時34分18秒 | その他
  ご愛読の皆様に、正式に移転をお知らせいたします。

  当ブログ「日々是勉強」は、以下のURLにて新装オープンしました。今後ともよろしくお願いいたします。

「日々是勉強」新アドレス
http://roronotokoro.blog113.fc2.com/

  リンクされている皆様に置かれましては、ご面倒ではございますが、訂正をお願いいたします。

  なお、以下の諸点につきご了承下さい。

●コメント、トラックバックの扱い

  当ブログではコメント及びトラックバックを一切受け付けません。当然ですが、新ブログの方は受け付けております(トラックバックは承認制です)。

●更新について

  gooブログの「日々是勉強」での更新は今後一切行いません。純粋に閲覧用アーカイブとして運用してまいります。

●記事の閲覧について

  記事は今後ともご自由にご覧頂けます。

  なお、アフィリエイトを利用できるアドバンス版を解約したために、アフィリエイトを挿入した記事にお見苦しい点がございます。順を追って訂正して参りますので、ご了承下さい。

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昨晩の参議院選挙を簡単に振り返ると

2007年07月30日 09時23分32秒 | バーチャル政党「新党21世紀」
  参議院選挙が終了しましたので、簡単に結果を振り返っておきます。

自民、歴史的大敗 民主躍進、初の参院第1党
http://www.asahi.com/politics/update/0729/TKY200707290263.html

−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 安倍政権の信任が問われた第21回参院議員選挙は29日投開票された。自民党は改選の64議席から37議席に減らし、89年に宇野首相が退陣した過去最低の36議席に匹敵する歴史的大敗となった。公明党も選挙区で擁立した5人中3人が落選する惨敗で、非改選を含む与党の議席は過半数を割り込んだ。しかし、安倍首相は同日夜、続投を表明した。一方、民主党は改選議席の32議席から60議席に躍進し、自民党が55年に結党してから参院で占めてきた第1党の座が初めて入れ替わった。

 今回の当選者と非改選議席を合わせた新勢力は、野党側が134議席、与党側は105議席。

 政党別の当選者は、選挙区、比例区を合わせて、自民は改選64議席を大きく下回る37議席。公明も改選12議席のところ9議席にとどまった。

 一方、民主は改選32議席に対し60議席と躍進。他は共産3、社民2、国民2、日本1などとなっている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  自民党が結党以来、初めて両院のうちのいずれかで第1党を譲る形になりました。

  もっとも、これは十分に想定できた事態です。こんなことを書くと、「マスコミが民主にあれだけ肩入れしていれば当然」とか、「安倍政権に直接責任のない年金問題で騒がれたからだ」とか、負け惜しみのような声が聞こえてきそうですが、私の考えは違います。

  自民党が大敗した主たる要因は、「地方の軽視」に尽きます。それ以上でもそれ以下でもありません。

  具体的に見ると、選挙区の改選人数が1人である、いわゆる「1人区」の勝敗が、党勢に直結しているということです。1人区というのは、勝っても一人しか増えないと考えがちですが、勝てば相手にとってもマイナス1議席になるということを見逃してはなりません。民主党の小沢代表は、それを理解した上で、1人区に勝負を賭けてきました。
  これに加えて、自民党は先の郵政選挙で地方組織が壊滅しており、十分な応援が望めなかったという事情が加わってきます。首相が来県すれば有り難がって投票が増える、などという単純な図式ではなかったのです。安倍首相が3回も演説した愛媛で、自民党の準閣僚経験者が無所属候補に大敗するという事態に陥っています。
  笑えるのが、「美しい国」などという空疎なキャッチコピーを批判し、安倍首相が逆ギレして来県しなかった高知県の自民党候補が、四国4県の中で一番健闘していることです。安倍首相が来県して演説したら、大差を付けられていたでしょう(笑)。
  この四国だけではありません。東北では1人区全敗、九州では保守王国と言われた熊本や佐賀、長崎で敗北、さらには森元首相の地元である石川でも敗北しています。逆に言えば、大分、鹿児島辺りでよく勝てたものです。自民党は完全に地方から見放されているのです。
  要するに、「構造改革」「財政均衡」の名の下に、地方の補助金を切りまくっている自民党政権は、地方の人たちから見て「こいつらについていっても何のメリットもない」と判断されたのです。
  私が子供の頃の自民党は、こういう場所で凄まじい強さを発揮していたものです。父がアンチ自民だったので、親子揃って「田舎の連中はわかっていない」などと、それこそ何も分かっていない結論を出していました。
  ●安倍首相を批判した記事でも言いましたが、崇高な理念を理解していようがいまいが、国民は国民であり、政治家はそれを食べさせていかなければいけません。安倍首相はそういう期待に応えられなかったのです。
  マスコミのせいだ、という人は、何も分かっていない人です。これは、今度書こうと思っている維新政党新風についての記事でも詳しく述べようと思っていますが、少なくとも昔の自民党はこんな批判に負けるような政党ではありませんでした。消費税を導入しようと、株価が低迷しようと、地方で支持を受けて勝ち続けてきた政党だったのです。
  私に言わせれば、マスコミの印象操作にひっかかっているのは、むしろ●日本に住民票がなく住民税を支払っているかどうかも怪しいタレント候補を当選させてしまった東京の有権者の方です。東京というのは、まだ自分たちの生活の安全を決定的に脅かされていませんから、こんな候補が当選してしまうのでしょう。
  この馬鹿候補の当選(そして、ベテランの保坂議員の落選)からもわかるように、今の自民党というのは、都会の浮動票と創価学会などの宗教団体の組織票がなければ勝負にならない政党だということです。宗教団体を労働組合に置き換えれば、昔の社会党と大差はありません。やろうとしているのも、都市の人間や富裕層、大企業のエゴをむき出しにした革新政策です。
  地方の再生や食糧自給率の安定を唱えているのが民主党や共産党だったというのは、大いなる皮肉です。

  もっとも、私がこの選挙の真の焦点だと思っていた「グローバリストの傀儡である安倍政権存続の可否」については、かなり不満の残る結果になってしまいました。

  ●以前の記事でも述べたとおり、安倍政権は「アジア・ゲートウェイ構想」という中国などのアジア諸国との一体化構想を掲げています。これはグローバリスト(利益の極大化のために、国内への影響を省みることなく、海外に進出し、国家間の枠を取り払おうとする勢力。輸出企業や外資金融、商社など)のリクエストに従った政策です。
  国民の多くは、この政策についてほとんど知らなかったというのが実情でしょう。地方の1人区はまだいいとして、都市部では「年金」や「政治と金」という枝葉の部分で差が付いたということです。
  安倍首相が、開票半ばで続投を高らかに宣言したのも、結局アジア・ゲートウェイ構想を初めとした、売国的経済政策について、国民の審判を受けたわけではないという判断があったからでしょう。安倍政権の真の狙いは教育改革でも憲法改正でもなく、グローバリゼーションによる日本破壊なのですから、当然と言えば当然です。
  また、参院第1党となった民主党も、●以前の別の記事で言及したように、中国人移民の増大につながる政策や、東アジアでの主権共有といった、グローバリストに歓迎される政策を掲げています。だから、アジア進出という点では自民党と協調する可能性があります。
  たとえば、●崩壊寸前である韓国経済に対する支援など、統一教会と縁の深い自民党、構成員に在日朝鮮人が多く存在している宗教団体の傀儡である公明党、もともと朝鮮寄りである民主は完全に利害が一致しています。これをきっかけにして、北朝鮮への援助や、統一朝鮮への「賠償金」支払など、なし崩しに実行される可能性すらあります。

  ネットの力だとかメディアリテラシーだとか散々吹聴している「愛国」「保守」のブログは、こういう点にちゃんと目を光らせているのでしょうか?

  まあ、アジアゲートウェイ構想の存在(首相官邸のメールマガジンに何度も出ている!)すら知らず、日本主導の東アジア共同体を礼賛しているようなブログだとか、民主党叩きをすることが愛国的行為だと勘違いしているブログばかりなので、あまり期待はできないでしょう。朝鮮や中国に有利になる政策が導入されれば、出所が安倍内閣なのにも関わらず、民主党のせいだ、官僚のせいだなどと言って、内輪で盛り上がっておしまい。そんな展開が目に浮かびます。
  これについては、分かっている人が頑張って行くしかなさそうです。

  今後の政権運営の焦点などは、他のブログでも扱うと思われますので、あまりここでは言及しません。ひとつ言えることは、今回選挙の焦点に全くならなかったことで、安倍政権は拉致問題を徐々に幕引きにしていくだろうということくらいです。もちろん、北朝鮮が核施設を稼働停止した影響です。
  この点については、参院選の敗北はかえって好都合になったかも知れません。2月の6カ国協議で決まった「日朝国交正常化交渉」を進めやすくなったからです。なにしろ、民主党(確か前原議員だったと思うが)は、六カ国協議の枠組みの中で北朝鮮に積極的に支援すべきだと主張しているのですから・・・。

  次の更新では、維新政党新風の選挙戦などについても述べてみたいと思います。

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明日は参議院選挙〜これだけは忘れないでほしいこと

2007年07月28日 06時58分20秒 | その他
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  さて、このブログでも、選挙については何度か述べてきました。投票日が間近になったので、簡単にまとめておきたいと思います。

  私が思う、今回の選挙(及び次の衆院選)の最大の焦点は、「グローバリスト政権の暴走をいかに阻止するか」という点にあります。

  安倍政権がグローバリスト(利益の極大化のために、日本国内への影響をかえりみず対外進出を行い、国家間の垣根を取り払おうとする勢力)の忠実な使用人であることは、以下の記事で繰り返し述べてきました。

  ●【破滅への】東アジア共同体とアジア・ゲートウェイ構想【片道切符】
  ●「自民党は野党よりましだ」と思っている人々へ
  ●【参院選】自民ダメ、民主ダメ・・・ならばどうする?

  彼らの狙いを簡単にまとめると、「外国(特に中国)との一体化を図ることによって一部の人間の利益を極大化する」ことに尽きます。
  これを防ぐには、あらゆる手を使うしかありません。参議院で野党が議席を伸ばすことで、それが可能になります。
  例えば、国会の「会期」の制約が大きくなり、廃案または見送りになるケースが増えてくるでしょう。そうすれば、多少なりとも国民の機嫌を取らなくては行けない状況が生まれます。
  安倍政権の強行採決連発がなぜ非難されるかといえば、少数派を納得させるための手続やセレモニーを全て無視しているからです。議会制民主主義では、単なる多数決ではダメだということです。
  現実の社会が約束事だらけでうまく行かないように、民主主義も曲がりくねった細い道なのです。それを邪魔だの鬱陶しいだのと言い、安倍政権の法案成立はスピード感があってよい、などと論評しているブログは、ファシズムを支持しているのと変わりがありません。
  逆に言えば、野党が議席を伸ばすとその辺の抵抗がしやすくなるということです。

  そうやって、グローバリストの日本破壊に足止めを食らわせている間に、●前回の記事でも紹介した「自然主義経済」や、新風のような本当の国民の声を伝える保守勢力の台頭を促すのです。
  安倍政権を支持している方は自主国防や国家としての自立を錦の御旗にしているようですが、今の日本は国防以前に、経済の面でグローバリストの道具になってしまっています。ここを阻止し、うまく行けば跳ね返して、初めて自主国防は意味を持つのです。現状で憲法9条を改正し、自由度の高い軍隊を作っても、グローバリストの利益確保手段(アメリカ軍への編入や、アジア権益の防衛)に使われるだけです。
  もっとも、安倍政権の場合、軍事力云々の以前の段階で外国に対して屈従しているのが現実です。経済面では三角合併の要件厳格化見送りや社会保険庁解体(年金を外資のためにミンエーカするのが見え見え)を実行し、何より「アジア・ゲートウェイ構想」などというグローバリゼーション構想を掲げてるのです。
  もはや、保守であると自覚する人々が安倍政権、いや自民・公明党政権を支持する理由はありません。
  
  具体的な投票について、もう一度おさらいしておきます。

(1)鳥取のような一人区では、民主党に投票する

(2)東京のような複数改選の選挙区では、
  「国民新党」か「共産党」に投票する。
  (改選人数が二人なら、民主でもよい。)

(3)比例区は、第一に「維新政党新風」、
  第二に「国民新党」「共産党」のどちらかに投票する

(4)「自民党」「公明党」「社民党」には絶対に投票しない  


  理由は、上のリンク記事で述べたとおりです。「民主党のような売国を支持するのか」などと筋違いの批判は無視しますので、悪しからず(筆者は、民主党を「支持」などしていない)。
  とにかく、グローバリストの日本破壊を止めるのが現状では優先ということです。

  そして、与野党の角逐を続けさせながら、本当の保守勢力を育てていくことです。それができないのなら、「ネットでの自由な言論」などというものは無意味です。政権側の支配補強道具に成り下がるだけでしょう。

  日本や日本人を金儲けの道具にする勢力には、徹底的に抵抗しなくてはいけません。「民主に入れると売国」「ましだから自民党に入れる」という単純な話ではないのです。そうだったら、どんなに楽なことか・・・。いつの世でも、議会制民主主義というのは曲がりくねった細い道なのだということです。

  皆さんが、賢明な選択をなさることを期待しております。

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「地産地消」は絵に描いたモチなのか?

2007年07月27日 22時09分19秒 | 社会と教育
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 私はラーメンが好きなのですが、近くの店に食べに行っても、「この小麦はアメリカから来たんだろうか・・・農薬が入ってないといいけどな」「高菜が食べ放題になっている。ということは、安い中国産だろうな。食べんのやめた」などと考えてしまうタチです。
  その「ラーメン」にまつわる記事から今日の記事を始めたいと思います。
 
十勝産カップラーメン?(PDF)
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyuuritsu/report17/38-39.pdf
  文字化けにより引用できないので、本文を参照いただきたいのですが、北海道十勝地方の農協が、地元商工会議所との連携で、十勝産の小麦粉を使ったカップラーメンを「開発」したという事例です。

  このカップラーメン、どうやら、初めは生の麺にする方向だったのですが、開発元の得意分野がそちらだったということで、カップラーメンになってしまったという経緯があるようです。そして、いざ売り出す段階になったら、その場で食べる人が少なく、贈答用にどんどん売れていったということです。
  この文章の締めくくりは、このようになっています。

>このように、農外との連携によって地域の農産物の魅力を発掘し、
>消費者に受け入れられやすいものを創り上げていくというのも
>食糧自給率の向上につながる取り組みです。

  農水省の担当者がどう考えているのかはわかりませんが、この部分は非常に重要です。それは、農産物やその加工品は「商品」であり、流通に乗せて初めて価値が生じるものとして扱われているということです。

  流通というのは、生産地から離れた場所に産物を届けるということです。「生産者」から「卸売業者」がものを買い上げ、それを「物流」に乗せて、他の卸売業者や「小売店」にたどり着き、最後に「消費者」の手に渡るという経路を採るのが一般的です。
  そして、流通の過程では競争が行われるのが一般的です。安く売って高く売れば儲かるわけですから、当事者はなるべく安い値段で「生産者」から仕入れたり、競合他社より安い値段で小売店に卸したりという行動を取るようになるのです。こういう仕組み自体は、江戸時代くらいから日本でも当たり前になってはいました。
  重要なのは、現代ではこのような流通の過程に「外来種」が参入していることです。戦後日本が工業化に成功し、大きく経済成長したので、通貨である日本円が外貨に対して強くなり、輸入がしやすくなりました。同時に、経済成長によって人件費や地価も値上がりしたので、日本で作られたものが割高になってくるという現象が起きます。そこで、競争に勝つために、より安い輸入品が導入されるようになったというわけです。この傾向は、今でも変わっていません。
  むしろ、外国との相互依存は拡大しています。私はどうも体が受け付けない(食べると翌日腹の調子がおかしくなる)野菜ですが、オクラというと「フィリピン産」が一般的であり、ゆずは国産が多いものの「韓国産」がかなりのシェアを占めていて(たとえば●この商品は韓国産を使用)、冷凍食品コーナーで商品の原産国を確認すれば「中華人民共和国」の文字が踊っているのが、我々の日常生活です。

  ここで忘れてはならないのは、食料品を輸入し始めたのは、「必要だから」ではなく「利益が出るから」「安いから」という動機だったということです。

  そんなのは当たり前だろう、と思う方がほとんどでしょうが、これはかなり重大なことなのです。本来、食べるものというのは、食べるために存在するのです。それが、流通という過程が入り込むことによって、金、すなわち貨幣を獲得するための手段に成り代わってしまっているのです。
  
  そもそも、カップラーメンにしてまで十勝産の小麦を売らなくてはいけないのはなぜかというと、「お金を出してもらう」ためです。十勝の農家の人たちがカップラーメンをうちで食べたのかどうかはわかりませんが、自分や家族や近所の人に食べさせようと思って作ったのではありません。流通システムの中に放り込んで、金に換えるためだったはずです。
  これは裏を返せば、金がたくさんで回っている場所に農産物が引き寄せられるということでもあります。お金がたくさんで回っているのは「大都市」です。たとえば東京には平成16年の統計で全国の企業の16.5%が集中しています。東京都の人口は全国比10%前後ですが、その数字を大きく上回っています。こういう場所では、それだけ金が回っていますから、全国の食料品も同じくらい東京の企業によって取り引きされていると考えた方がいいでしょう。

  ここで、困ったことが二つ出てきます。

  一つは、様々な流通過程を経ることで、生産者の顔が見えにくくなることです。
  ラーメン屋に行ったとき、私は時たま「この肉、どこ産ですか」と店の人に聞いたりするのですが、ほとんどは「わかりません」で終わってしまいます。どうも、現場でものを売っている人々は、材料に関しては卸業者に任せきりというケースが多いようです。
  それどころか、積極的に混ぜモノや産地の偽装までして利益を上げようという企業もあるようです。●「ミートホープ」事件がその典型です。まあ、さすがに黒く色を付けてふやかした段ボールを肉まんに詰めたり、髪の毛から醤油を作ったりするような日本の流通業者はいないようですが・・・。
  すぐ近くに生産現場があれば、文句の一つも言えるでしょうし、何より隣近所の人間に害悪を与える居心地の悪さが、混ぜモノや偽装をかなりの程度食い止めることは容易に理解できます。ところが、間に「商社」(どんな人々かは●ウナギを扱った記事を参照)が入ってしまうと、妙な方向に話が行ってしまうわけです。

  もう一つは、農産物の需給が売れるか売れないかという点に左右され、必要かそうでないかという点が後回しにされてしまうことです。
  みなさんはよく、ブルドーザーでキャベツを潰している光景を見たことがありませんか。いわゆる「生産調整」というやつです。繰り返しになりますが、市場経済というのは、貨幣価値の獲得を唯一無二の目的としていますから、作りすぎてしまえば安くなってしまうのです。
  そこで、農水省は「野菜価格安定制度」のような公的補助を与えています。要するに、社会主義です(●こちらのホームページを参照)。ものすごく卑近なたとえをしてしまえば、あまり魅力のない男女であっても、仲人が話をつけて結婚に持ち込んでしまうのに似ています。
  リンク先の筆者の方は、この制度を批判し、「魅力的な野菜を作って販路を開拓すればいい」と主張しています。どこかで聞いたことがあるなぁ、と思ったら、そっくりなことを言っている人々がいました。安倍内閣です。

「強い農業」をめざす自民党
http://www.jimin.jp/sansen/enzetsu/hnakagawa.html#nogyo

−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
高知は“フルーツ王国”と言われるほど、豊かな農産物を産出する地域でもある。この農産物を、アジアのお金持ちにどんどん輸出する。朝採れた高知の農産物を、高知龍馬空港を経て、夕方には上海の食卓に並べる。もうそういう時代だ。そうして、農家の人たちが1兆円もうける農政をどんどんやっていく。そのための競争力強化の手当や政策をどんどんやっていく。これがわれわれ与党の自民党の農政だ。(7月15日高知県高知市)
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  多分中川幹事長が発言者だと思うのですが、これが典型的なグローバリストの発想です。またぞろ卑近なたとえですが、「おまえに魅力がないのが悪いんだ。魅力をつけて、外国人でもいいから金持ちや美女をゲットしろ」という感じでしょうか。貨幣価値の獲得だけを考えると、こういう発想になります。
  輸出相手国との関係が悪化したらどうなるだろうとか、急激な変化に耐えられる農家がどれほどいるだろうかとか、自給率が下がったらどうするんだとか、そんなことは関係ありません。グローバリストの発想では、「付いてこられない人間が悪い」のです。
  そうやって、正社員は派遣社員に置き換えられ、役所の仕事は外注に出され、外国人労働者がどんどん導入されているというわけです。私のような普通の国民が「そんなのやめてくれ」という仕組みが導入されていく裏は、ほとんど全てグローバリストの策動だと思った方がいいでしょう。
  そういう世の中を素晴らしい世の中だと思う方は、是非自民党か公明党に投票して下さい(笑)。「他にどこに投票すればいいんだ」という疑問に対する答えは、もう散々ブログに書いてきたので、ここでは割愛します。

  こういった食料品の流通の現状に関しては、(グローバリストと、彼らの伴奏で踊っている人々を除いて)誰もが何かしら釈然としないものを感じていると思います。だからこそ、「地産地消」(作られたものを作られた場所やその付近で消費する)というキーワードがいろいろな場面で提唱されているのでしょう。
  しかし、その地産地消の実体はお寒いものです。都会の人間は流通の過程で全国のもの、もっと言えば世界のものが手に入りますから、本気で地産地消を実現しようとしません。
  また、生産現場である地方も、●「道の駅」のような施設を作って売るくらいしかしません。そういうところで地元の農作物や加工品を買っているのは、都会から来た観光客というのが現実なのです。
  いや、彼らは努力しないというより、やりようがないのです。金を持っていない地方の生産者は、販路や流通の手続きを握っていないので、常に卸売りや大規模小売店に対して弱い立場に置かれてしまうのです。
  魅力のある品物を作って売ればいい、という論理は、ここでは通用しません。なぜなら、それは結局貨幣価値の獲得に向けられた行動原理であり、いくら魅力を高めても、地産地消にはつながりません。
逆に、アフリカ諸国のモノカルチャー(商品作物の単一栽培)のように、作ったものを一生口に入れることができないという馬鹿馬鹿しい事態を生むだけです。
  先に紹介した、検疫施設のない空港から定期便もない上海に農作物を売ればいいとデマを振りまいている与党幹事長など、それをわかっていてあえてグローバリストのお手伝いをしているのでしょう。こういう人間こそ、選挙で痛い目に遭わせるべき人間です。こういう腐った人間は、どうせ自分のところにはちゃっかり利益誘導をしているのでしょうが。
  競争に勝てばいいじゃないか、みんな努力すれば世の中はよくなる・・・この言葉が、古今東西、様々な社会でいったい何度提唱されたことでしょうか。残念ながら、それで世の中がよくなった例を私は知りません。

  そうなると、付け焼き刃の対策ではなく、根本的な部分にメスを入れるしかありません。そうです、「貨幣価値の獲得」という、流通の大前提を換えてしまうのです。
  具体的に言えば、地産地消を促すためには、産地か、もしくはそのすぐ近くでだけ通用する「食料品用の通貨」を導入してしまえばいいのです。たとえば、地元で作られた食料品、もしくは農林水産物に限定したクーポンを発行するというのはどうでしょう。

  実は、こういう政策を訴えている政党があるのです。「平和党」がそれです。

  平和党が訴えている政策は、「自然主義経済」というものです。自然にあるものは生まれて成長したのち、年老いて死んでいきます。人間なら人生八十年なわけですし、野菜なら生育した後収穫すれば腐ってしまいます。つまり、「自然から生まれたものは全て減価する」ということです。
  それなのに、この世界にたった一つだけ減価しないものがあります。それが通貨です。減っていかないどころか、貯めておいて人に貸せば「金利」などという訳の分からない収入が入ってきます。
  この金利という力が貧富の差をどんどん拡大していくというのは、少しものを考えられる人ならわかるでしょう。何しろ、金を元々持っている人間はそれを貸すだけで収入を得られるのに対し、金を持っていない人間は彼らから金利を出して借りるしかないからです。
  この仕組みが非常に不公平な仕組みであるというのも、直感的にわかるはずです。頭のいい人がこの仕組みを肯定していたり、おかしな点を直視しようとしないのは、彼ら自身が受益者か、もしくは受益者になれると信じている(だまされている)からです。
  自然主義経済というのは、こういう金というものの異常さを認め、乗り越えようとしていく考え方です。その中核は、自然界にある諸物同様、金も減価させるべきであるというもの(減価する通貨)です。
  この自然主義経済は、第二次大戦前にオーストリアのヴェルグルという町ですでに実践されています。その説明を●「経済の民主化に向けて」というサイトから引用してみましょう。

−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
この小さな町は当時、他の町同様不況に喘いでいた。1932年春にはわずか人口4216人の町で350人が失業しており、そのうち200人以上は失 業保険も切れていた。税収も減り、町役場も破産の危機にあった。そこで町長であったミヒャエル・ウンターグッゲンバーガーはこの苦境から脱出するために、 1932年7月に地域通貨として「労働証明書」の発行を決断した。

1・5・10シリングの労働証明書が印刷され、町役場から建設労働者に賃金として支払われた。各紙幣は月末になると有効期限を迎え、それを再度有効 にするには額面金額の100分の1のスタンプが必要であった。つまり、たとえば1000円の労働証明書を今日(5月9日)に受け取ったとすると、この紙幣 は5月31日までしか有効ではなく、今月中にこの紙幣を使いきれなかった場合には10円のスタンプを買って貼らなければならない。そのためこのお札を受け 取った人間はこのお札を手元に置いておくのではなく使うことを推奨され、これによりヴェルグルの経済活動が息を吹き返した。平均でわずか5490シリング の通貨供給で250万シリング以上の取引がわずか1年あまりの間に起こり、町役場はこのお札のおかげで公共事業に10万シリング以上支出ができるようにな り、また失業も4分の1減った。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

>各紙幣は月末になると有効期限を迎え、それを再度有効 にするには
>額面金額の100分の1のスタンプが必要であった。

  つまり、月に1%減っていく仕掛けになっているのです。銀行の貸付(信用創造)は債務者に金利という金を払わせますから、ちょうど逆になっているわけです。これなら、「貯める」より「遣う」方がはるかにいいということになるでしょう。
  もちろん、この通貨には、発行された地域でしか遣えないという欠点があります。しかし、それがいいのです。
  今の田舎の経済の仕組みを簡単に言うと、農家が農作物を売って貨幣価値を獲得し、その貨幣を使って●ジャスコのような大規模小売店舗で生活必需品を買うというのが定番になっています。以前私の同僚だった女性が結婚し、愛媛県の新居浜という町に移り住んだのですが、「ジャスコしか行くところがない!」と言っていました。地方の方で、思い当たるフシのある人はきっといるはずです。
  そして、ジャスコはジャスコで流通の過程での競争に勝ちたいわけですから、売ればより利益になる商品を売ろうとするはずです。だから、●新居浜のジャスコではベトナム産のエビが50円で売っていたり、アメリカ産のヒレカツ用豚肉が88円(ただし両方ともご奉仕品。笑)が売っていたりするのです。遠くから連れてきても、儲かればそれでいいからです。
  もちろん、ジャスコのような店は、良い品を安く提供しているのから売れているんだ、何が悪いんだと反論するでしょう。しかし、もし新居浜店の業績が傾いたら、そこから逃げ出すはずです。当然でしょう。彼らの目的は貨幣価値の獲得なのであって、地域生活を維持することではないからです。
  ところが、自然通貨で商売をすれば、そういう事態がほとんど起こらなくなります。自然通貨を使うと、地域から吸い上げた利益を本社に引き上げるという行為ができなくなるので、大規模店舗が進出しにくくなるからです。そうなると、地元の人間がものを作り、それを地元に提供するというサイクルが形成されるようになります。 
  ここで忘れてはいけないのは、自然通貨と我が国の通貨である日本円は共存ができるということです。そもそも、地域間の取引には地域を越えて通用する貨幣が必要でしょうし、貿易もゼロになることはないでしょう。
  しかし、地元でミカンを作っているのに、安いオレンジジュースが幅を利かせるという現象は確実に起こらなくなるはずです。地域のものは地域で使う方が絶対に有利になるからです。

  こういう政策を掲げる平和党のような政党を、農家の方たちが応援してほしいものです。

  もちろん、現時点でいきなり自然通貨を全国で導入することはできません。だから、当面はグローバリストによる農水省や農協、そして農家個人への攻撃を妨害しなくてはならないでしょう。
  しかし、それは単なる先延ばしに過ぎません。本当に農業を守りたい、地域を守りたいなら、最後は経済の仕組みから変えるしかないのです。
  そうすれば、地域経済も息を吹き返し、日本国としての食糧自給率も自然と向上していくはずです。

  減価する通貨による「自然主義経済」・・・どこかの自治体が、ヴェルグルの町のような英断を下してくれないものでしょうか?

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冷戦だ!!冷戦が再開したぞ!!

2007年07月20日 08時47分58秒 | 地政学・国際関係
さて、最近こういう「事件」があったことはご存じでしょうか。

「報復」措置を示唆、英による外交官追放でロシア外務省
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200707170024.html

−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
ロンドン――英国政府が16日、昨年末のロシアの元情報将校の毒殺事件に絡み駐英のロシア外交官4人の国外退去を命じた問題で、ロシア外務省報道官は同日、英側の行動を「道徳に反するもの」と非難、しかるべき報復措置を取ると警告した。

AP通信によると、報道官は英国の挑発的な対応は、両国関係で最悪の結果を招きかねないと述べた。報復措置の具体的な内容には言及しなかったが、17日午後にも発表の見通し。ロシア各紙は「外交戦争の開始」と大々的に伝えている。

ロ外交官の追放は、英国が求めた事件容疑者で旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員のアンドレイ・ルゴボイ氏の身柄引き渡しをロシア政府が拒否したことを受けた措置。

ロシアのインタファクス通信によると、ルゴボイ氏は16日、英国による外交官処分を受け毒殺事件は初めから政治的な文脈を持っていたことを改めて示したと語った。同氏は事件で無罪を主張している。
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  文中の毒殺事件というのは、こういう事件です。

リトビネンコ事件のまとめ
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/11/post_371c.html

  元ロシアの諜報部員だったリトビネンコという人物が、ロシア当局に毒を盛られて殺害されたのではないかという事件です。リトビネンコ氏の経歴について、面白い記述があります。

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1998年、FSB上司をロシア富豪ベレゾフスキー氏暗殺を企てたと公的に告発し、職権濫用罪で9ヶ月間収監される。釈放後の2000年にイギリスに亡命し英国市民権を得て、家族と共にロンドンに在住していた。
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  普通の方であれば、思ったのではありませんか。

  なぜ、イギリスなんかに亡命したんだ?

  あくまで私の考えですが、リトビネンコは「イギリスのスパイ」だったのではないでしょうか。それも、亡命した2000年以降ではなく、1998年に上司を告発した時点から。
  イギリスというのは、かの有名な映画「007シリーズ」の元ネタになるほど、情報機関が強い国として有名です。「イギリス情報局保安部」(いわゆるMI5)と「イギリス情報局秘密情報部」(いわゆるMI6。残念ながら、殺人許可証を持っている職員はいないらしい)という機関が有名です。

  そして、ついさっき入ってきた続報です。

英の外交官4人を追放 ロシアが報復、声明発表
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2007072002033979.html

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 ロシア外務省のカムイニン情報局長は十九日、モスクワに駐在する英国人外交官四人を追放するとともに、英国政府職員のロシア訪問を停止するとの声明を発表した。英政府がロシアの外交官四人の国外追放を発表したことへの報復措置。ロシア外務省のグリシコ次官が同日、ブレントン駐モスクワ英大使に通告した。

 インタファクス通信などが伝えた。

 ロシア側が、外交関係の事実上の一部凍結に踏み切ったことで、英ロ関係が決定的に悪化することは、避けられない情勢となった。

 カムイニン局長によれば、ロシア側は英国政府職員へのビザ発給を停止、ロシアの外交官も英国へのビザ申請を行わない。従来続けてきたテロ対策での両国の協力も停止される。声明でロシア側は「英国政府の挑発的で非友好的な措置への回答だ」と英国を批判している。
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  もっとも、このへんについて細かい知識をいちいち知っても仕方がありません。問題は、これらの事件が何を意味しているかということです。

  ズバリ申し上げましょう、それは「欧州ではすでに第二の冷戦が始まっている」ということです。

  それを示す資料を、いくつか挙げておきます。

米MD計画 チェコ配備見直さず ロシア反発の可能性(6/15)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007061502024405.html
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 ベルギー訪問中のゲーツ米国防長官は十四日、ブリュッセルで記者会見し、東欧へのミサイル防衛(MD)配備に関連して「チェコへのレーダー配備を進めるつもりだ」と述べ、ロシアが反対するチェコへのレーダー配備の見直しに否定的な考えを示した。
 東欧へのMD配備に反対してきたロシアのプーチン大統領は先週行った米ロ首脳会談の中でチェコではなく、アゼルバイジャンのレーダーをMDシステムに組み込むことを逆提案し、これが受け入れられれば、MD配備を検討する意向を示していた。
 ゲーツ長官はチェコへの配備にこだわる一方で、「アゼルバイジャンのレーダーは追加的な能力とみている」などと指摘。ロシア側の主張に配慮し、場合によってはチェコのレーダーに加え、アゼルバイジャンのレーダーを使用する可能性を排除しなかった。
 ブッシュ米大統領も検討を約束し、七月のプーチン大統領の訪米時までに両国間で専門家協議を行う意向を示していた。
 ゲーツ長官の発言はアゼルバイジャン配備を完全否定するものではないが、ロシア側の反発を招く可能性もある。
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  アメリカの動きです。「チェコ」という国に、アメリカがミサイル用レーダーを導入しようとしているのですが、ロシアはそれに反対しているようです。
 
  「チェコ」は東ヨーロッパの国です。東欧の地図を確認しておきましょう。



  赤い★印がチェコです。ちょうどヨーロッパの中央に位置しているのがよくわかりますね。

  アメリカは、チェコにおけるミサイル防衛の目的を「ならずもの国家への対抗手段」だと表明しています。すぐに思いつくのが、核開発を進めている「イラン」のことです。そこで、ロシアのプーチン大統領は「それならアゼルバイジャンでもいいじゃん」と、逆提案しているのです。
  もちろん、アメリカがそんな要求を呑むわけがありません。理由は簡単です。アメリカのミサイル防衛の対象国は「ロシア」だからです。チェコは北大西洋条約機(NATO)の加盟国です。この団体の本来の目的は、「ソ連の西欧侵攻を防ぐ」ことでした。まあ、言うなればNATO本来のあるべき姿に戻ったということになります。

  ロシアも当然これには一歩も引かない構えでいます。

ロシア、欧州通常戦力条約の履行停止
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070714AT2M1401L14072007.html

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 ロシア大統領府は14日、プーチン大統領が欧州地域での戦車や火砲など通常兵器の保有上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約の履行を停止する大統領令に署名したと発表した。欧米に揺さぶりをかけ、米国が計画する東欧へのミサイル防衛(MD)施設配備や北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大問題で譲歩を引き出す狙いとみられる。

 ロシア外務省は同日、声明を発表し、CFE条約の停止について「ロシアの安全保障上の懸念に建設的な回答がない」などと説明。「対話の道に門を閉ざすわけではない」とも指摘した。プーチン大統領は4月の演説の中で、東欧へのMD配備やNATO拡大を批判し、条約の履行を一時停止すると表明していた。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

>欧州地域での戦車や火砲など通常兵器

  ロシアは典型的な「ランドパワー」(大陸国家)です。ランドパワーの力関係は、相手国にどれだけ陸軍力を投射できるかで決まりますから、ロシアが戦車や火砲を無制限に保持することは大変危険なわけです。
 
  では、なぜアメリカとロシアがそこまで角逐するのか。理由は、以下の記事からもわかります。

カタール、ロシアと天然ガス開発で協力
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070628AT2M2800528062007.html

−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 カタールのアティーヤエネルギー・産業相は27日、ロシアのフリステンコ産業エネルギー相らと会談するため同国に向け出発した。アティーヤ氏はカタールとロシアが天然ガス開発で協力する可能性を示唆したが、石油輸出国機構(OPEC)のような機能を持つガス生産国のカルテルを設ける意図については「難しい」と否定した。

 天然ガスの確認埋蔵量でロシアは世界一位、カタールは同三位。両国やイランなどでつくる「ガス輸出国フォーラム」は4月の閣僚級会合で、将来のカルテル創設の可能性を探る作業部会の設置で合意していた。カルテル創設にロシア、イランが前向きだが、カタールは難色を示している。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  アメリカが潰したいのは、これです。

>ガス生産国のカルテル

  今後、枯渇する可能性が高く、温暖化の元凶となっている石油から、天然ガスへシフトしようという動きが世界的に高まっています。そこにきて、こんなものができてしまったら、ロシア=ランドパワーが世界を支配することになってしまいかねません。

  さらに、面白いニュースもあります。

欧州向けガス管建設でガスプロムが覚書
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20070624D2M2400B24.html

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 ロシア産業エネルギー省などによると、ロシア政府系企業ガスプロムは23日、イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る欧州向け天然ガスパイプラインを建設する覚書に調印した。

 ロシアはイタリアを含む欧州南部への天然ガス、原油の輸出を強化する戦略を推し進めており、同省は今回の建設計画が「欧州のエネルギー安全保障の向上に貢献できる」としている。欧州のガス需要増加に対応すると同時に、資源を通じて欧州への影響力を拡大する狙いもあるとみられる。

 ロシアから欧州へのパイプラインによるエネルギー供給は、主にウクライナ、ベラルーシを経由しているが、両国とロシアの対立のあおりで昨年と今年の2回にわたって一時停止しており、ロシアは供給ルートの多角化を図ってきた。

 欧州連合(EU)は天然ガスの約4分の1をロシアに依存している。  
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

>イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る
>欧州向け天然ガスパイプラインを建設する

  ここは重要です。もう一度、さっきの地図を見てみましょう。

  ロシアから天然ガスのパイプラインを引っ張り、直接ガスを供給することになれば、ヨーロッパはロシアにエネルギーを依存することになるわけです。元栓はロシアが握っているわけですから、言うこともきかざるをえなくなるでしょう。つまり、ロシアにはエネルギー依存度を高めてヨーロッパを支配するという遠大な目標があるわけです。
  そこで、軽いジャブとして、まずサミット参加国でもある工業国イタリアを落としにかかったというわけです。ブルガリアはNATO加盟国ではありますが、ポーランドのようなアメリカの飼い犬というレベルにはありません。
  おそらく、次に狙われるのは、NATO脱退の前歴がある「ギリシャ」か、コソボ紛争でNATOに攻撃された過去があり、ロシアと自由貿易協定を結んでいる「セルビア」でしょう。特に後者は内陸国なので、ロシアには口説きやすそうです。
  そうなると、次はそのセルビアから分離した「モンテネグロ」が狙い目です。ここを突破すれば、アドリア海の向こうがイタリアです。この国の動静は注目ですね。

  そうは言っても、こちらはまだ「小物」です。ロシアが本当に狙っているのは「ドイツ」です。なぜなら、ドイツは欧州最大の工業国であり、何より常にロシアにとって脅威になってきたランドパワー国家だからです。ここを骨抜きにすれば、陸軍力の弱いフランスやオランダなどものの数ではないわけです。ロシアがドイツを狙っているというのは、ドイツのシュローダー前首相が、ロシアのガス会社「ガスプロム」の系列会社で社長になり、丸儲けしていたという事件(●こちらのブログを参照)からもわかります。
  だからこそ、アメリカもチェコにミサイル防衛をテコ入れしているのです。●以前の記事でお伝えしたように、黒海の東岸にあるグルジアはアメリカの飼い犬になっていますから、あとはチェコでにらみを利かせれば、オーストリア経由だろうと、バルト海経由だろうと、どちらのパイプラインも妨害できます。まさに、ここがオセロの角なのです。

  これが、冷戦でなくて何なのでしょう?

  今回の米ロ対決が以前の冷戦と違う点は、アメリカの防衛ラインが東寄りになったことと、統一したドイツが旧西ドイツほどの「同盟国」(アメリカの言うことを素直に聞く手下)ではなくなっている点です。これは、アメリカにとっては、ヨーロッパにおける防衛コストが増大しているということを意味します。このことは、冒頭にあるように、ロシアとの戦いにイギリスの力を借りていることからもわかります(イギリスは特に中東ではアメリカより情報網が強い)。
  これに加えて中東ではイラクの問題があるわけです。アメリカにしてみれば、アジアに力を注いでなんていられないわけです。
  だからこそ、アメリカは「北朝鮮」という便利な駒を使おうとしているのです。もちろん、狙いは中国の牽制です。以下の記事からもその徴候が見えます。

「米、対北朝鮮平和協定の年内着手を希望」
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2007071081068

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米行政府は、北東アジア地域の恒久的な平和体制を確保できる新しい枠組みを構想しており、その一環として年内に北朝鮮との平和協定への協議開始を希望している、とウォールストリートジャーナル(WSJ)が9日、報じた。

同紙は「米国は6者協議が北東アジア地域の安保脅威を解消する永久的なフォーラムへと移行することを希望している」とし、このように伝えた。

米国とアジア諸国の管理は東南アジア諸国連合や欧州安保協力機関(OSCE)のような形態の枠組みを予想しており、このような恒久的な地域安保構築のカギは北朝鮮が核プログラムを完全に解体するかどうかにかかっている、と同紙は報じている。

同紙はまた、クリストファー・ヒール米国務省東アジア太平洋担当次官補が「非核化への移行が進展を見せれば、平壌(ピョンヤン)と年内に停戦協定を平和協定に代える議論を始めることを希望している」と話した、と伝えた。

同紙は、米行政府は米朝間の直接対話から4者協議まで専任行政府で議論された平和体制構築のアプローチ方法をことごとく検討しており、管理は4者協議の枠組みになる可能性が最も大きいと話した、と報じた。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  もう、さっさと手打ちにしようという姿勢が見え見えです。日本も、対ロシア包囲網に協力するくらいはいいとして、東アジアの狂った国々との関係については、もうアメリカを頼りにしない方がいいでしょう。
  それどころか、「アメリカ様おねげぇしますだ」と取りすがっている内に、外資系企業に身ぐるみを剥がれて、「東アジア共同体」としてバーゲンセールに出される(当然買うのは中国)事態にもなりかねません。いや、そうなるでしょう。「日米同盟」などという虚妄にすがると馬鹿を見ます。

  インドとの防衛協定やら、東南アジア諸国やオーストラリアとのシーレーン防衛の枠組み作りなど、自主的に動けるところから動いておくべきでしょうね。

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