陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

自民党・新総裁は福田康夫氏に決定

2007-09-24 11:07:06 | 国内政治:議会と政党
 安倍首相が辞任表明後、直ちに何時ものメンバーが恒例の密室協議、小泉政権以来影の薄かった派閥領袖もそれに同調する。注目されていた小泉元首相もこれに賛成したので安定感(?)のある老人・福田康夫氏が自民党後継総裁に指名された。

自民総裁選 福田氏を選出 麻生氏に133票上回る 
9月23日17時20分配信 毎日新聞

 自民党の第22代総裁に福田康夫元官房長官が選出された。同党は23日の両院議員総会で、安倍晋三首相(自民党総裁)の退陣に伴う総裁選を行い、党所属国会議員と各都道府県連の代表者による投票の結果、福田氏が330票を獲得。197票を得た麻生太郎幹事長を133票上回り、新総裁に選出された。任期は安倍首相の残り任期となる09年9月30日まで。

 福田氏は同日夕に就任記者会見を行い、幹事長をはじめとする党役員人事に着手。24日に幹事長など党の新役員を指名し、公明党の太田昭宏代表らとの政策協議で公明党との連立政権維持を確認する。25日には国会の首相指名選挙を経て新首相に就任し、同日中の組閣を目指す。「福田新政権」の党役員・閣僚人事が当面の焦点となる。

 両院議員総会は午後2時から党本部で行われ、党所属国会議員(衆院304人、参院83人の計387人)各1票、47都道府県連代表各3票(計141票)の計528票(無効1票)で争われた。臼井日出男・総裁選管理委員長が開票結果を読み上げ「福田新総裁」誕生が決まった。

 福田氏は麻生派を除く党内8派閥の支持を取り付け、国会議員票で優位に立った。地方票では、麻生氏が東京、大阪など都市圏や九州地方で健闘した。

 福田氏は衆院当選6回(群馬4区選出)の71歳。故福田赳夫元首相の長男。00年10月、第2次森内閣の官房長官に就任し、続く小泉内閣でも官房長官を務め、歴代最長の1289日の在任記録を作った。06年の「ポスト小泉」の総裁選では、同派閥の安倍晋三首相が出馬したため、立候補を見送った。

最終更新:9月23日17時20分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070923-00000014-maip-pol


 それで党員投票の結果は、読売新聞によると

自民党総裁選、党員投票では麻生氏が福田氏上回る
9月23日20時19分配信 読売新聞

 23日の自民党総裁選では、141票の地方票の行方も大きな焦点となった。

 福田康夫・元官房長官が76票(53・9%)を獲得して麻生太郎幹事長の65票(46・1%)を上回ったが、大きな差はつかず、麻生氏の健闘の一因となった。全党員による投票を実施した35都道府県連の党員票の合計は、麻生氏がわずかに福田氏を上回っており、組織ごとの決定方法の違いが福田氏には有利に働いた。

 都道府県別では、福田氏が上位だったのは26道府県、麻生氏は21都府県だった。

 党員投票を実施した35都道府県に限ると、党員票の合計は、麻生氏が25万3692票(50・3%)で、福田氏の25万613票(49・7%)をわずかに上回った。ただ、勝敗は福田氏が18勝、麻生氏が17勝だった。

最終更新:9月23日20時19分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070923-00000011-yom-pol


 対立候補の無い総裁選では、談合政治と言われるのが目に見えている。<ハニー・トラップ>谷垣禎一氏(谷垣派)や額賀福四郎氏(津島派)の擁立運動もあったようだが、裏でカネが流れ、将来の猟官人事約束などもあって彼らは沈黙、結局は麻生太郎幹事長のみが対立候補となった。こうして形だけの総裁選が行われた。

 きち@石根氏の情報(http://ameblo.jp/disclo/)によると、裏で蠢く森嘉朗氏、その子分の中川秀直氏、青木幹雄氏(参議院)、野中広務氏(前衆議院議員)、そして福田康夫氏の新5人組が都内のホテルで密会した。そこで福田氏が決意表明、残り4人がどこまでも支えるとの約束が出来た。2000年4月の小渕首相急死の場合とそっくりの構図が出来ていたらしい。

 派閥は、次の選挙のための議員互助組合であると共に、何時かは総裁候補を出そうというので集合しているのだろうが、派閥を構成する議員一人ひとりの国政に対する見識、そして歴史観などは問題にならないのだろうか。密室談合で指令が出ると、それをすんなりと受け入れる奇妙さ、それが国政を支配する雰囲気になっている。

 郵政解散で登場した80人近くいる小泉チルドレン議員は、小泉氏を担ごうとしたらしいが、彼に固辞されて計画は頓挫、煽りで飯島勲秘書は小泉氏の事務所から去った。小泉氏が福田支持を表明すると、チルドレン達は杉村太蔵氏を除いて一斉に福田支持に回った。新しく選ばれ、改革意識を持っていると言われる若い国会議員でもこうなのだから、永田町に居ついている古参議員は何も考えずに福田氏へ投票したはずだ。こうした状況は、自民党と言うシステムが生み出すのか、それとも日本人に特有の体質なのだろうか。

 さて、福田氏がサラリーマンを辞めて父親赳夫氏の秘書になり、衆議院議員に初当選したのは、1990年1月の総選挙であった(当時54歳)。以後党務にさしたる経験も無く、閣僚経験も無いままに上記毎日の記事にある如く2000年12月、第二次森嘉朗内閣の内閣官房長官に抜擢される。それが64歳の時だから、結構年配の官房長官だなと言うイメージがあった。

 その後小泉内閣でも官房長官を続けたのだが、淡々としたTV会見などを見ていて父親の赳夫氏と同じく庶民感覚の無い人物だなと感じた。記者達にあまり言質を取られず、適当にあしらう姿から、<のほほん>長官などと勝手に綽名を付けた。

 私は、父親の赳夫氏に対して「ダッカ・日本赤軍事件」(1977)でテロに屈した意気地の無い男と言う印象と、佐藤内閣大蔵大臣の時、戦後初めて赤字国債発行に踏み切った人物として記憶している。そう言えば、大平正芳氏に総裁選で負けて「(民の声は天の声というが)天の声にも変な声もたまにはあるな、と、こう思いますね」などと述べていた。何時も人間を小馬鹿にしたような雰囲気を漂わせていたから、嫌いな自民党政治家の一人だ。

 福田氏の官房長官時代には、拉致問題で実に冷淡な振る舞いをしていた。この当りの冷血漢振りは、浪人さんのブログに克明に書かれているので、そちらを御覧願いたい。

 恐らく近日中に福田内閣誕生と言うことになるが、内閣支持率の発表に興味がある。だが、所詮選挙管理内閣程度の存在に終わると予想する。先の参議院選で民主党を支持した有権者は、これで憲法改正が5年は遅れてしまうことに責任を持って欲しい。私は、福田<のほほん>内閣に何も期待しないし、当面「拉致問題」と「テロ特措法延長」をどうするのか、じっくり拝見させていただく。
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