陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

中川前財務相が醜態を曝すに至った原因は何か

2009-02-19 21:27:02 | 国内政治:内閣
 中川昭一氏の「メロメロ記者会見」は日本のTVで繰り返し報道され、一方世界中の報道機関にも配信されたから、各国のニュースでも取上げられた。結果的には、日本の財務責任者は酒に溺れているのかと言う誤った情報が世界中に伝わった。

 あの醜態は、薬物が影響していると思う。風邪薬や睡眠薬の多用、それを知りながら記者会見前の私的な昼食会で酒を飲んだために正気を失った。毎日新聞が経過を詳しく報道している。


中川財務相 G7昼食会抜け出し、同行記者とワイン
2月18日2時38分配信 毎日新聞

 「薬の飲み過ぎ。酒の影響ではない」--。ローマG7での「もうろう会見」で17日引責辞任した中川昭一財務・金融担当相は、最後まで原因はカゼや腰痛など薬の併用だったと強調した。しかし、G7閉幕後の内外記者会見の直前、同行の記者らと会食してワインを口にしていた事実も判明するなど、疑惑は深まるばかりだ。

 中川氏はG7出席のため13日昼、羽田発の特別便に搭乗。同行筋によると、機内のファーストクラスの席でカゼ薬などを多めに飲んだ上、酒も飲んだという。

 約13時間のフライトを経て同日夕(現地時間)にローマに到着。直後のガイトナー米財務長官との初の日米財務相会談やG7夕食会は無難にこなした。その後、中川氏は男性新聞記者など「親しいひとたち」(中川氏)とサンドイッチをつまみながら、ジントニック3~4杯を飲んだ。その際、睡眠薬を服用したという。

 深酒のためなのか、睡眠薬のせいなのか。同行筋によると、翌14日午前8時15分からイタリア経済・財務省で始まったG7会合の際には、体調がひどく悪い様子だったという。

 G7昼食会でもワインが出たが、中川氏は「口はつけたが、ゴックンはしていない」と説明している。

 ただ、中川氏は午後1時50分まで予定されていた昼食会を1時ごろに途中退席し、宿泊先の高級ホテル「ウェスティン・エクチェルシオール」に戻った。

 予想外の行動に財務省同行筋は対応に追われたが、中川氏はホテルの1階のイタリアレストラン「ドニー」に移動、財務省の玉木林太郎国際局長や日本から取材で同行した女性記者、イタリア人通訳など数人で会食した。

 レストランの支配人によると、中川氏らは午後2時ごろから、ビッフェ形式のサラダとパスタとともに赤のグラスワインを注文。中川氏はここでの飲酒について「本当に口をつけた程度」と話す。

 中川氏は、女性記者らとの会食について「たまたまそこにいて、話を聞かれたから」と説明したが、中川氏は昨年9月の財務相就任以降、G7などの海外出張では同行の女性記者を集めて飲食を行うことが恒例化していた。今回のG7でも、中川氏と麻布高校の同期で、東大法学部の同窓でもある玉木局長が一部の女性記者を招いたという。

 「約30分ほど」(レストランの支配人)だった飲食後に中川氏は午後2時50分から約15分、同ホテル内でロシアのクドリン財務相と日露財務相会談に臨んだ。この際、麻生太郎首相を「麻生大臣」と言い間違えるなど、言動に不安定さもみられた。

 その後、部屋に戻り30分ほど財務省幹部らと打ち合わせをした。中川氏は「打ち合わせは仕事であり、酒を飲むことはない」としている。だが、午後3時45分からの内外記者会見の前にはすでにろれつが回らない状態だった。政府・与党からも「あんな状態の中川氏になぜ会見させたのか」と財務省の対応を疑問視する声も出ているが、「G7という世界が注目する会合であり、すでに会見の時間も設定されていた。欠席させればよかったというのは後知恵で、とうていできる状態ではなかった」(幹部)と財務省は説明している。

 毎日新聞の記者は、中川氏との会合には、いずれも出席しなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090218-00000003-maip-pol


 経過を見ると、G7昼食会までは何でもない様だが、G7昼食会を中座して宿舎ホテルのレストラン「ドニー」で私的に飲食した時、何かが起きたようだ。そのままG7昼食会に最後まで出席していれば、問題は起きなかったのかも知れない。

 私的昼食会の開かれていた時間は「約30分ほど」だが、その出席者の名前は株式日記と経済展望によると
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/83c3f3738bdf9594632c7113193f8ecf

 玉木林太郎国際局長(財務省)
 越前谷知子氏(読売新聞経済部記者)
 原聡子氏(日本テレビ記者)
 下土井京子氏(ブルームバーグ記者)

との事だ。G7昼食会で僅かばかりワインを飲んでシャンとしていた中川氏だが、この私的昼食会の直後おかしくなっている。ウィスキーやブランデーのような強い酒をあおれば、短時間で酔いは回る。あるいは、その席で薬物(例えばハルシオン)でも飲めば、正気を失うだろう。

 記者会見の直前、財務官僚は中川氏が通常の状態でない事を知っていた。何故それでも記者会見させたのだろうか。時間をずらすとか、日銀総裁をピンチヒッターにする手はあったはずだ。こうなるであろう事を予測していながら、記者会見をさせたのは、何か狙いがあったと想像してしまう。

 同席した3人の女性記者の中で、美人の噂が高い越前谷知子記者(34歳?)のプロフィールや彼女に関する記事は、読売新聞の Web site から完全に削除されている。それも、中川記者会見の数日後からだ。越前谷記者は、中川氏に密着取材していたわけだから、この私的昼食会の全容記事を読売新聞に掲載すべきと思う。それをしないまま姿を消しているとすれば、不可解さは益々増幅される。

 中川氏は、米国発金融危機以来、米国政府の方針に辛らつであったと言う。外貨準備1000億ドルをIMF融資へ回してしまうし、米国としては邪魔な存在であったはずだ。また、中川氏は話題になっている「政府紙幣」が米国国債購入に使われるとして反対していた。こうしたことを考えると、中川氏失脚事件は本人の脇の甘さを巧みに突かれた側面があると推理せざるを得ない。
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