陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

久間防衛相の辞任に想う

2007-07-04 01:18:30 | 国内政治:内閣
 久間章生氏(66歳)が、「原爆発言」で防衛大臣を辞任することになった。被爆者関連団体や左翼政党のご都合主義的かつ感情的な批判は別として、我が国の国防最高責任者が歴史的事実を踏まえずに米国へご機嫌伺いをする発言をすれば、日本国民の多くから冷たい目で見られるのは当たり前だし、そのような人物がトップなのだと知った現場の自衛官もやる気を失うだろう。安倍首相は、彼を即座に更迭すべきであった。

 広島・長崎原爆投下は、当時の戦時法規に照らしても明らかに「米国のやりすぎ」であり、背景に白人の民族侮蔑意識が存在する。そうしたことは、既に沢山の記録や文献が在る訳で、我が国国防責任者は当時の状況をきちんと熟知すべきだ。D.アイゼンハワー元帥でさえ、原爆投下に強く反対した事実を何人の国会議員が知っているのだろう。日本の政治屋は、こうした点で兎に角思慮が足りないし、歴史を学ぼうとしない。

 久間氏は、土建利権がらみの親半島政治屋そのものであり、安倍内閣発足当時からとかく言われた人物である。私は、彼に愛国心も政治哲学も無いと想像する。彼は、安倍内閣発足の協力者として二度目の防衛庁長官になったが、その後自衛隊内部の規律を引き締めるでもなく、ただ漫然とその職にいたに過ぎぬ。安倍氏は短命政権だから、その内防衛担当大臣も交代するだろう位に漠然と思っていた。

 今年の防衛省発足後に、久間氏は小ブッシュ政権のイラク侵攻を今更ながらに批判して彼らの傷に塩を塗り、2月に来日したチェイニー副大統領に毛嫌いされたことが記憶に新しい。それで、今度は媚を売って米国べったりの発言である。その時その時で、他者の顔色を伺う浅薄な人格が如実に現われている。

 参議院選を間近に控え、支持率低下に悩む安倍首相の足を引っ張る発言をするなど、久間氏の知能指数を疑いながら、何処かの勢力が画策する安倍氏退陣に協力しているのかと邪推してみたりするのだ。

 政権担当者は、国防のトップを政治屋の当て馬にしてはならぬ。その職には国会議員でなくても良いから、国防のプロを配置すべきである。こうした点、任命権者の安倍首相には慎重に配慮して欲しいのだが、彼には到底出来であろう。次の防衛大臣に<人寄せパンダ>の小池百合子氏が就任すると言うが、まさに腐食列島日本にふさわしい軍事大臣の任命である。ただ呆れるばかりで、ものも良く言えないため、この辺でコメントは止める。
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