陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

伊勢神宮へ参拝

2008-07-27 19:12:54 | 旅行
 暑い最中、名古屋に所用で出かけた。この際とばかりに思い立って、<伊勢神宮>へお参りに行った。生まれてこの方、<伊勢神宮>へは参拝したことが無いので、あの世へ行く前に日本人の魂が宿ると言われる場所を見ておきたいと考えた。

 現在の日本では、国家のあり方を真剣に思う政治家は少なく、加えて人望も能力も全く無い人物が首相としてただ居座っている。大企業は国際化を利用して、自社の利益だけを求め、国家・国民に還元する事無く、若者の働く場所を減らし続けている。大事にしなければならぬ家族関係、師弟関係などは自壊しつつあり、さらには海外からの干渉もあって教育は目茶目茶だ。

 今回、伊勢神宮を参詣するのは、(1)日本人の精神的再生を祈念する(2)福田内閣総辞職を祈願するのを大きな狙いとした。些か大袈裟かもしれない(笑)。

 名古屋駅を午前8時50分発近鉄特急で出発、四日市や中川を過ぎて伊勢市駅に午前10時10分に到着。駅近くの<伊勢シティホテル>に荷物を置き、歩いて10分の外宮(げくう)へ行った。

 擬宝珠の付いた火除橋を渡り、「清盛楠」を右に見て、左手の手水舎で手を清める。一の鳥居と二の鳥居を過ぎ、杉の木立の影深い表参道を歩む。週日のためか参詣者は少ない。

 やがて、神楽殿の前に出る。赤い袴の巫女さんがお札などを販売している。そして豊受大神宮御正殿の前に来た。外宮は、この「豊受大御神(とようけおおみかみ)」を祀るものである。この神様は、内宮の「天照大御神」の食事を整えるお役目らしい。巫女さんに聞いたら、男神とのこと。

 鳥居の後に控える入り口には布が掛かり、「唯一神明造り」の御正殿を正面から見る事は出来ないが、脇から覗き見る事は可能。早速、二礼二拍手一礼で、国家安康、産業発展、教育振興をお祈りした。左側の敷地は、20年ごとに行われる「式年遷宮」のための場所である。

 御正殿の反対側には、亀石(橋)を渡って風宮(かぜのみや)、土宮(つちのみや)、下御井神社(しものみいじんじゃ)、多賀宮(たかのみや)が鎮座する。下御井神社は石段の高い場所にあるので参詣を遠慮した。この他、表参道の脇には、勾玉池があり、奉納舞台が浮かんでいる。

 外宮には、参詣者が一休みする場所も無いし、ベンチさえ見当たらない。小一時間ほど過ごしたが、正面入り口近くのバス停へ行き、内宮へバス移動する。かんかん照りの中、エアコンの効いたバスに乗ること15分、猿田彦神社を経て内宮へ到着。

 昼食時でもあったから、涼しそうな店に入り、「伊勢うどん」を食べた。相当に太いうどんを柔らかく茹で上げて、刻み葱をたっぷりと載せ、濃い色のたれを掛けまわしてある。一味唐辛子を掛けて食べる。腰の強い讃岐うどんとは全然違う感じだ。味噌味風のたれは色が濃いけれども、塩辛さは無い。関西のうどんは薄味を特色とするが、伊勢うどんは例外だろう。

 大きな宇治橋鳥居をくぐり、五十鈴川に掛かる宇治橋を渡って神苑に入る。陽射しを避けて、五十鈴川沿いの松林の中を歩いた。ここには、幾つもベンチがあるのでのんびりと休み休み歩く。やがて、火除橋に出て手水舎で清めをする。第一鳥居をくぐって、五十鈴川御手洗場に至る。洗い場に下りてみたが、川の水は温い。

 第二鳥居をくぐると、左手に大きな神楽殿がある。ここでも、お札やお守りを売っている。五丈殿を過ぎると、参道の木々は鬱蒼として繁り、静かさが増す。そして左に直角に曲がると石段となり、奥に御正宮(ごしょうぐう)が鎮座している。

 内宮の正式名称は「皇大神宮」で、「天照大御神」が祭神である。太陽の女神であり、神器として直径2尺の「八咫鏡(やたのかがみ)」が奉納されている。これは、三種の神器の一つだ。ところで、<伊勢神宮>の祭主(最高位の宮司)は、池田厚子氏(今上陛下の姉上)であることを始めて知った。

 御正宮も正面入り口に布が下げられ、直接見る事は出来ない。外宮と同じように、脇から拝観する。「唯一神明造り」は、何とも素朴な切妻形の屋根を持つ。

 二礼二拍手一礼をする中で、憲法改正、国防充実、不偏外交の成就を真剣に祈る。そして、福田内閣の早期総辞職を祈願(笑)。

 こちらの式年遷宮の場所は、基礎が既に出来ている。周囲の山には、社殿新築や宇治橋を掛け直すための檜(ひのき)を植えてあると言う。天武天皇の命令により、1300年間、20年おきに休み無く社殿を建替えて来たと言うのだから驚く。建て替えで出る古い木材は、鳥居やその他の建造物に用いてリサイクルされる。

 御正宮左手奥には、「荒祭宮(あらまつりのみや)」があり、これも天照大神をお祀りする別宮である。その他、大山祇(おおやまづみ)神社、子安神社にもお参りをした。そこはひんやりした場所で、とても気持ちが休まる。参道第二鳥居を過ぎた右手には、橋を渡って「風日祈宮(かざひのみのみや)」があるが、それは参詣を遠慮した。内宮は、二つの火除橋よりも内側が御神域で、そこにはベンチも無いし、当然禁煙である。たばこは、参集殿で喫煙出来る。

 広大な内宮を出て、五十鈴川にも別れを告げる。おはらい町を散策してから、バスに乗って凡そ30分、「二見浦(ふたみがうら)」へ行った。「夫婦岩」を見るためだ。海岸から30mくらいの近い位置に注連縄(しめなわ)で結んだ二つの岩がある。考えていたよりも小さい。

 海岸沿いに「二見興玉神社」が広がり、その祭神は猿田彦大神。この神様は道案内に優れているから、無事帰るー蛙に結び付けて、大蛙がお使いの従者である。蛙の置物が沢山置いてあった。海岸を離れ、二見の町を通り過ぎる時、「賓日館(ひんじつかん)」と言う立派で古式豊かな建物の前を通り過ぎたが、昔は皇族や著名人が泊まり、只今は郷土博物館になっているらしい。

 JR参宮線・二見浦駅まで歩き、伊勢市駅へ戻った。暑さのせいもあるが、これだけ動き回るとかなり疲れる。夜は名物の伊勢えび料理を楽しんだが、白ワイン半ボトルでふらふらになった。まずは、何とも充実した一日であった。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 岩手北部沿岸地震(7/24... | トップ | 米国が韓国の竹島領有を認めず »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遊び人だって、行くようです (NEVER)
2008-07-29 20:35:50
失礼します。
数週間前、TV番組「鶴瓶の家族に乾杯」で石田純一がゲストで登場したとき、鶴瓶が「石田さんはしょっちゅう伊勢神宮にお参りにいくんですよ」と紹介していた。
私は一瞬、へー、あの遊び人が?と思ったが、人は見かけによらないものです。
返信する

コメントを投稿

旅行」カテゴリの最新記事