「ピアノの詩人」と言われたフレデリック・ショパン(1810-49)の作品の中でも、私は<幻想即興曲>("Fantasie" Impromptu, Op. 66;1834)が特に好きである。最初、Allegro で感情の赴くまま鍵盤を自在に操(あやつ)り、激い昂(たかぶ)りを感じさせた後に、41小節から転調、静かで豊かな主題(Moderato cantabile)が現れて心が和む。そして再び最初の激しい気持に戻って指が鍵盤の上をPrestoで闊達に動き回った後、静かに終結を迎える。
僅か5分の間に、A(嬰ハ短調)-B(変ニ長調)-A‘(嬰ハ短調)の形を持って流れるメロディーは、ユニークでこの上なく美しい。特に、Bの部分は上述のように優しさと豊かさに溢れている。数多いショパンの作品の中で最も魅力的と感じるのだ。
Yundi Li の秀逸な演奏でこれを聴いて見よう。
http://jp.youtube.com/watch?v=tvm2ZsRv3C8&feature=related
この曲は、ショパンが24歳の時にパリで作曲された。女性文筆家のジョルジュ・サンドと出会う数年前だ。が、彼はその楽譜を出版しなかった。それは、彼の死後、友人の手によって出版されている。ショパンは、この曲がベートーヴェンのピアノ・ソナタ<月光>第3楽章のカデンツァ部分と似ていることを気にしたために出版しなかったらしい。
(この稿続く)
僅か5分の間に、A(嬰ハ短調)-B(変ニ長調)-A‘(嬰ハ短調)の形を持って流れるメロディーは、ユニークでこの上なく美しい。特に、Bの部分は上述のように優しさと豊かさに溢れている。数多いショパンの作品の中で最も魅力的と感じるのだ。
Yundi Li の秀逸な演奏でこれを聴いて見よう。
http://jp.youtube.com/watch?v=tvm2ZsRv3C8&feature=related
この曲は、ショパンが24歳の時にパリで作曲された。女性文筆家のジョルジュ・サンドと出会う数年前だ。が、彼はその楽譜を出版しなかった。それは、彼の死後、友人の手によって出版されている。ショパンは、この曲がベートーヴェンのピアノ・ソナタ<月光>第3楽章のカデンツァ部分と似ていることを気にしたために出版しなかったらしい。
(この稿続く)
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