陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

イルカの唄う佳曲<なごり雪>を想い出す

2009-01-24 19:39:23 | 読書・映画・音楽
 小雪の降る米坂線・坂町駅の喫煙所には、私一人が佇むだけ。ゆっくりと降る雪を眺めつつ、ディーゼルカーの出発を待っていたら、何となく昔の歌、<なごり雪>を思い出した。今は冬の真っ盛り、あの歌の季節は早春と言う違いはあるし、この駅には残念ながら別れを惜しむ相手もいないのだが(笑)、多分ローカル線の駅に漂う哀愁がこの歌を思い出させたのだろう。

 これは、ボーカルグループ「かぐや姫」のリーダー伊勢正三さんが作詞・作曲し、「かぐや姫」が1974年に唄った。でも、最初あまり受けは良くなかった。翌年、殆ど無名であったイルカさん(当時25歳)がギターを抱えながらこれを唄い、爆発的に多くの人に親しまれるようになった。

 それから35年経った今、若い男女歌手が幾人もこの曲をカヴァーしているのが興味深い。YouTube で色々と聴いてみたが、アルトの歌唱が曲想に合う印象だ。当然だが、イルカさんの歌い方が聴き易く、心が籠もっていると思う。

なごり雪 - イルカ



<なごり雪> (1974)

作詞・作曲 伊勢正三
歌唱: かぐや姫
イルカ(カヴァー・バージョン;1975)

1.汽車を待つ君の横でぼくは
  時計を 気にしてる
  季節外れの雪が 降ってる
  「東京で見る雪はこれが 最後ね」と
  さみしそうに 君がつぶやく

  なごり雪も降る時を知り
  ふざけ過ぎた季節のあとで
  今 春が来て君はきれいになった
  去年よりずっときれいになった

2.動き始めた汽車の窓に
  顔を つけて
  君は何か言おうとしている
  君のくちびるが「さようなら」と 動くことが
  こわくて 下を向いてた

  時が行(ゆ)けば 幼い君も
  大人になると 気付かないまま
  今 春が来て君はきれいになった
  去年よりずっときれいになった

(小間奏)

3.君が去ったホームに残り
  落ちてはとける 雪を見ていた
  今 春が来て君はきれいになった
  去年よりずっときれいになった

  去年よりずっときれいになった・・・
  去年よりずっときれいになった・・・


 何とも「懐かしい」の一語に尽きる。ストーリー性のある語りの中に、男のほろ苦い悔恨と、もう彼女に会えないと言う寂寥(せきりょう)感が滲んでいる。平原綾香さんの<なごり雪>(2005)は、それを強調した編曲と唄い方なのだろう。



http://jp.youtube.com/watch?v=HcTS6D6DE_8&feature=related

 この動画は、Denim1958 さんの提供。

 更に思いを馳せれば、第一次オイル・ショックがようやく治まった頃、若い人達は当時流行したこの歌を何気なく口ずさんでいた。若かったイルカさんは今年59歳、でも彼女はデビュー当時の慎ましい雰囲気で、今も楽しそうに歌っている。

 リズム感に溢れた「チェリッシュ」の唄う<なごり雪>は、他の歌手のそれと大分趣が異なるが、これも男女の別れの雰囲気を巧みに表していて、中々良いと思う。



http://jp.youtube.com/watch?v=BMX8DcYowfQ&feature=related

 この動画は、supercopspart2 さんの提供です。
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