陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

インド洋海上給油支援から海自を撤退させた鳩山連立政権

2010-01-17 23:48:02 | 国防関連
 1月15日、防衛相は海自に命令し、インド洋での給油活動を停止させた。米国並びに欧州各国から継続を期待されていたのだが、鳩山連立政権はこれを無視した。「子供手当て」に期待した有権者がそうさせたと言っても過言ではない。だが、危険を顧みずに8年の間、海自艦隊は各国艦船へ給油を続けた。その努力に、改めて深い敬意を表する。

 読売新聞によると、


海自のインド洋給油終了、部隊は帰国の途に

【補給艦「ましゅう」艦上(インド洋北部)=水野哲也】インド洋で多国籍海軍に対して給油活動を続けてきた海上自衛隊は15日午後7時(日本時間16日午前0時)、活動の根拠となる新テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、活動を終了した。

 15日午前(同15日午後)には補給艦「ましゅう」と護衛艦「いかづち」がパキスタンの艦艇に対し、最後の給油を行った。8年に及んだ活動はこれで終結し、海自部隊は帰国の途に就いた。

 最後の給油はインド洋北部アラビア海のオマーン沖で行われた。パキスタンの艦艇「バブール」が朝日を浴びながら、補給艦「ましゅう」の右後方に姿を現した。ゆっくりと進むバブールから「君が代」が聞こえてきた。給油終了後には日の丸を掲げ、「I wish you a safe journey(安全な航行を祈ります)」と手旗信号で海自艦に別れを告げ、テロとの戦いの現場へと針路を取った。

 鳩山政権は、給油ニーズの減少を活動終了の主な理由にあげる。今月の給油はこの1回だけ。だがその背景には、アデン湾などアフリカ・ソマリア沖で多発する海賊被害がある。

 2001年9月の米同時テロ後に始まった多国籍海軍による海上阻止行動には当初、米英など十数か国が40隻を超す艦艇を派遣し、テロリストの洋上逃走、武器や麻薬の密輸を監視してきた。その後も5~10か国が艦艇を派遣し、日本は01年12月から各国海軍への燃料補給を続けてきた。

 しかし、08年以降はインド洋に隣接するソマリア沖に海賊が出没、各国とも艦艇を海賊対策に振り向けざるを得なくなった。海自の給油は海上阻止行動を担う艦艇が対象のため、ピーク時には月20回以上あった給油も、昨年からは月平均6回程度に減少した。

 だが現場海域は「洋上監視は手薄で、複数の不審な船舶情報があっても、追跡する艦艇が足りない」(防衛省幹部)状況だ。

 海自補給艦の撤収で多くの艦艇が給油のために現場を離脱する。その影響を受けるのが麻薬の密輸阻止だ。アフガンで生産されたアヘンの密輸は急増しており、同省幹部は「タリバンやテロ組織は、麻薬の密輸で得た資金を武器の購入などに充てている。海自の撤収で監視の目が緩めば密輸はやりやすくなる」と懸念する。

 海自の活動は、各国艦艇への支援にとどまらず、日本と中東を結ぶ海上交通路(シーレーン)の安全確保という“副産物”を生み出した。給油活動や日本との往復の合間に、沿岸国や周辺のイスラム諸国と親善訓練を行うなど各国と関係強化を図ってきた。

 派遣部隊指揮官の酒井良・1等海佐は「ペルシャ湾岸から続くオイルルートで活動してきたことに意味がある」と振り返る。最後の給油地点に向かうましゅうから、水平線上に連なる大型タンカーが見えた。
(2010年1月16日01時12分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100116-OYT1T00011.htm?from=nwla
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1 コメント

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ピエロ (大根)
2010-04-18 10:17:50
自民族の独立は、血(若者の死)によるのであり、平和・友愛によってはあがなえません。

独立のための戦争は、同盟を必要とします。戦費だけを出す国は同盟者とは認められません。アメリカは、同盟者となろうとしてきた自民党の努力を見守ってきました。

しかし、友愛の民主党は、戦争を嫌い、撤退させました。

アメリカは、二級国家であり、血による同盟を悪と見る日本を、相手にしません。

日本は、アメリカから見て、東の同盟国イギリスとならぶ、西の同盟国となる可能性があったのですが、基地さえ提供しない日本を、フィリッピン化と見なしました。

鳩山首相は、インドや中国と、滑稽にも、友愛で対等に渡り合おうとしていますが、自分の10倍の国家とどう付き合うのでしょうか。
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