濃縮ウランのことも、核物質とその技術拡散(輸出)にも触れていない不完全な「北朝鮮・核計画申告書」、それを北朝鮮が6月26日に中共政府へ提出した2時間後、小ブッシュ大統領は米国議会にテロ支援国家指定解除の手続きに入ると緊急通告した。
これを受けて、米国議会は8月10日までに審議を行い、問題が無ければ議会承認を得て北朝鮮は望む通りにテロ支援国家指定から外れることになる。この指定は、米国務省が国内法に基づいて行っているもので、国際的条約とは無関係である。が、指定されると世銀やIMF、あるいはアジア開発銀行からの支援が得られない。
さて、ここに来て、米国国家安全保障会議(NSC)から核計画申告の内容検証に関し、クレームが付いた。産経新聞によると
北朝鮮に警告 テロ支援国家指定解除で 米政府高官
2008.7.31 09:00
【ワシントン=有元隆志】米国家安全保障会議(NSC)のワイルダー・アジア上級部長は30日、北朝鮮に対し、核計画の申告内容を検証する作業に早期に協力するよう求め、同意が得られなければ北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除を延期すると警告した。ホワイトハウスで記者団に語った。
米政府は北朝鮮に検証手続きに関する草案を提示したが、ワイルダー部長によると「現時点で合意は得られていない」という。ブッシュ大統領は6月26日に指定解除手続きに入ることを米議会に通告し、8月11日以降、正式解除が可能となる。同部長は合意が得られない場合、11日の時点で「解除は起きない」と明言した。
同部長は「北朝鮮がプルトニウム計画や高濃縮ウラン計画、拡散活動を含む検証手順に同意すれば、テロ支援国家指定を解除するとブッシュ大統領は述べた。われわれは6カ国協議の他の参加国が必要と信じている検証手続きに北朝鮮が同意するよう期待している」と語った。
これに関連し、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米政府特使に就任したソン・キム前国務省朝鮮部長は30日、北朝鮮の李根外務省米州局長と協議するため、北京に出発した。検証手続きについて話し合う。
マコーマック国務省報道官は30日の記者会見で、キム特使の訪中について「(検証作業を)前進させるために行く」と述べた。米政府は北朝鮮側の回答を受け、指定解除を延期するか判断するものとみられる。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080731/kor0807310902003-n1.htm
ライス/ヒル組(「蛭米コンビ」と言う人もいる)の何でもありの姿勢に、NSC事務局が待ったを掛けた形だが、単なるポーズなのか、それとも反国務省グループや共和党議会筋の巻き返しを反映したものなのか、良く分からない。大体、NSCのメンバーは、大統領、副大統領、国務長官、国防長官であるから、そこからクレームが付くのはおかしな話である。でも、ライス/ヒル組は8月11日の指定解除を目指して、渾身の力を振り絞るだろう(笑)。
ひょっとしたら、ネオコン残党の強い要請を受け、チェイニー副大統領がNSC会議で強硬な意見を吐き、ライス女史と大論争した結果が検証手続き問題なのかも知れぬ。小ブッシュ大統領訪韓、同<北京五輪>参加の日程が押し迫っている中、この動きは要注意である。
これを受けて、米国議会は8月10日までに審議を行い、問題が無ければ議会承認を得て北朝鮮は望む通りにテロ支援国家指定から外れることになる。この指定は、米国務省が国内法に基づいて行っているもので、国際的条約とは無関係である。が、指定されると世銀やIMF、あるいはアジア開発銀行からの支援が得られない。
さて、ここに来て、米国国家安全保障会議(NSC)から核計画申告の内容検証に関し、クレームが付いた。産経新聞によると
北朝鮮に警告 テロ支援国家指定解除で 米政府高官
2008.7.31 09:00
【ワシントン=有元隆志】米国家安全保障会議(NSC)のワイルダー・アジア上級部長は30日、北朝鮮に対し、核計画の申告内容を検証する作業に早期に協力するよう求め、同意が得られなければ北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除を延期すると警告した。ホワイトハウスで記者団に語った。
米政府は北朝鮮に検証手続きに関する草案を提示したが、ワイルダー部長によると「現時点で合意は得られていない」という。ブッシュ大統領は6月26日に指定解除手続きに入ることを米議会に通告し、8月11日以降、正式解除が可能となる。同部長は合意が得られない場合、11日の時点で「解除は起きない」と明言した。
同部長は「北朝鮮がプルトニウム計画や高濃縮ウラン計画、拡散活動を含む検証手順に同意すれば、テロ支援国家指定を解除するとブッシュ大統領は述べた。われわれは6カ国協議の他の参加国が必要と信じている検証手続きに北朝鮮が同意するよう期待している」と語った。
これに関連し、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米政府特使に就任したソン・キム前国務省朝鮮部長は30日、北朝鮮の李根外務省米州局長と協議するため、北京に出発した。検証手続きについて話し合う。
マコーマック国務省報道官は30日の記者会見で、キム特使の訪中について「(検証作業を)前進させるために行く」と述べた。米政府は北朝鮮側の回答を受け、指定解除を延期するか判断するものとみられる。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080731/kor0807310902003-n1.htm
ライス/ヒル組(「蛭米コンビ」と言う人もいる)の何でもありの姿勢に、NSC事務局が待ったを掛けた形だが、単なるポーズなのか、それとも反国務省グループや共和党議会筋の巻き返しを反映したものなのか、良く分からない。大体、NSCのメンバーは、大統領、副大統領、国務長官、国防長官であるから、そこからクレームが付くのはおかしな話である。でも、ライス/ヒル組は8月11日の指定解除を目指して、渾身の力を振り絞るだろう(笑)。
ひょっとしたら、ネオコン残党の強い要請を受け、チェイニー副大統領がNSC会議で強硬な意見を吐き、ライス女史と大論争した結果が検証手続き問題なのかも知れぬ。小ブッシュ大統領訪韓、同<北京五輪>参加の日程が押し迫っている中、この動きは要注意である。
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