陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

イタリア破綻なら、ユーロは終焉すると独仏首脳が認識

2011-11-26 20:43:53 | 欧州関係
 昨日、当地では初雪が降った。1日中寒かったが、散歩を兼ねて市立病院へ診療を受けに徒歩で出掛けた。霙(みぞれ)混じりに降る淡雪に、何となく懐かしさを感じる。凡そ4ヶ月続く冬の季節が始まった。  さて、「会議は踊る、されど進まず」は、ナポレオン戦争後の外交処理で、列国首脳がウィーンに集まり、国益を主張して侃侃諤諤(かんかんがくがく)した内容を皮肉る言葉であった。ウィーン会議を主催したのは、オースト . . . 本文を読む
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国民投票を撤回してパパンドレウ内閣が議会の信任を得た

2011-11-05 11:59:11 | 欧州関係
 ギリシャ包括支援策の受け入れに関し、国民投票を行うと述べたゲオルギオス・A・パパンドレウ首相(59)は、メルケル独首相とサルコジ仏大統領に呼びつけられ、罵倒されたらしい。両首脳にしてみれば、「民間セクターの50%債務放棄を含む包括支援案をようやくまとめたのに、何が国民投票だ!」との思いがあったろう。  国民投票については、閣内から強い異論があることも考慮し、パパンドレウ首相はこれを撤回、支援策 . . . 本文を読む
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ギリシャ支援受け入れに関する国民投票案

2011-11-04 02:59:22 | 欧州関係
 EU首脳による包括的支援策を受けるに際し、ギリシャは更なる緊縮財政を国民に求めることになる。だが、ギリシャ国民は、これ以上の増税、賃金カット、年金是正に反対し、政府の受け入れ方針を強く批判して首都アテネでは大デモが起きている。  パパンドレウ希首相は、10/31に支援策を受け入れるか否かの国民投票を行う決意を表明した。だが、この思い切った方針は、ベニゼロス財務相による反対意見があり、11/4の . . . 本文を読む
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紆余曲折を経てスロバキア議会がEFSF拡充案を承認

2011-10-14 11:00:22 | 欧州関係
 ギリシャ支援を強化するEFSF拡充案を採択するかどうかで揉めていたスロバキア議会は、ラディツオバー内閣の早期退陣を前提にこれを承認した。ようやくユーロ圏17カ国政府は、全てEFSF拡充案を承認したことになり、ギリシア支援は再開される。  ユーロ価格も対ドル、対円為替相場で上昇に転じたが、本格的とは言えない。EU諸国の民間セクターが抱える不良ソブリン債の問題が大きいためだ。2008年秋の<リーマ . . . 本文を読む
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ギリシャ危機を先延ばしするメルケル首相

2011-09-29 05:28:28 | 欧州関係
 現在のギリシャ債務超過を救えるのは、ドイツだけである。ドイツは、<リーマン・ショック>以降のユーロ価格低下により、輸出を著しく伸ばして貿易収支を改善した。欧州では、ドイツとスイスのみが経済的に好調である。  昨年1月から、ギリシャ財政赤字が嚆矢となって、PIIGS危機が顕在化した。これに対し、2010年5月に、EU各国と欧州中央銀行(ECB)、及びIMFが中心になって「欧州金融安定ファシリティ . . . 本文を読む
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ロンドン市内の大暴動が他都市へ波及

2011-08-10 13:50:26 | 欧州関係
 今日の米沢は晴れ、東空には入道雲が出ている。蝉時雨が五月蝿い位に激しい典型的な夏の風景。気温は正午で33℃だが、まだこれから暑さは増すのだろう。  来年7月末に夏季オリンピック開催を控えたロンドン市内北部で、大暴動が発生したのが8月6日。それから4日経過して市内のあちこちに暴動が拡大し、店舗破壊と略奪の被害が増え、さながら無法地帯化の有様だ。加えて、市街地火災も起きている。8月8日には、ロンド . . . 本文を読む
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ロシアの森林火災は深刻

2010-08-11 22:46:10 | 欧州関係
 真冬にはー30℃にもなるモスクワでは、今年130年ぶりと言う猛暑に襲われ、連日38℃にも達して、市民は心身共に参っているとのこと。同時に、大規模な森林火災が多数起きて、モスクワ市内がスモッグに覆われているとの報道もある。  各国の航空会社では、モスクワ便を停止する所も現れた。JALは、モスクワ・ドモデドヴォ空港への成田発フライトを続けている。  作物収穫にも大きな影響が出ており、プーチン首相 . . . 本文を読む
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ユーロ危機とドイツの苦悩

2010-06-02 02:33:46 | 欧州関係
 リーマン・ショックが起きるまでは、ユーロは比較的安泰であった。誕生してからの歴史は11年と浅いが、石油取引などでドルに対抗して基軸通貨として扱われる。米国のサブプライム・モーゲージが行き過ぎだと言われていた2007年頃、ユーロ導入16カ国の中で、スペインの不動産投機が過熱気味との話は欧州連合(EU)内で繰り返し流れていた。  リーマ・ンショック後の欧州主要国と欧州中央銀行(ECB)の対応は、東 . . . 本文を読む
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ギリシャ経済危機が欧州金融界へ与える影響

2010-05-09 08:13:39 | 欧州関係
 ギリシャ経済危機は、端的に言うと (1)30年間に及ぶ社会主義政権の「ばらまき政治」    労働者の1/3は公務員で、しかも給与が高い    年金制度もルーズである (2)慢性赤字の財政なのにEUに加盟し、経済データを捏造していた (3)国民の税務認識のいい加減さ    付加価値税20%を国家に収めず、商品の10%割引などが日常化 (4)海運業と観光業が中心で、リーマン・ショックの影響が大 ( . . . 本文を読む
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ギリシャ経済危機は何故起きたのか

2010-05-08 05:13:46 | 欧州関係
 連休明けの日本は、株価下落とユーロに対する円高に見舞われた。その発端は、EUのメンバーであるギリシャの経済危機にある。  ギリシャ共和国は、国土面積13万2000平方km(日本の約1/3)、人口1100万人。GDPは、3410億ドル≒33兆円でEU全体の約2%。1981年にECへ参加。現在も社会主義政権が続いているが、NATOに参加するEUメンバーである。  上記のギリシャ問題は、昨年11月 . . . 本文を読む
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氷島の火山噴火、北欧州方面のフライトを直撃(追記有り)

2010-04-16 12:36:28 | 欧州関係
 経済的苦境にあるアイスランドで、今度は火山が大噴火、火山灰が北欧を覆って視界不良、殆どの航空便は欠航となっている。我が国からの欧州便は、大半がロシア上空経由で北欧上空を飛行するから、ロンドン、フランクフルト、アムステルダム、パリなどへの直行便は全て影響を受ける。  航空便欠航により観光客は減る一方で、ビジネスも停滞を余儀無くされる。それよりも気になるのは、長期的天候不順が齎(もたら)す農産物へ . . . 本文を読む
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ポーランドの航空機事故でカチンスキ大統領夫妻が死亡(4/10)

2010-04-11 09:37:55 | 欧州関係
 1943年に、ナチス・ドイツは、ソ連国内のスモレンスク近郊にあるカティンの森で、ポーランド軍人の大量な遺体を発見、国際赤十字を通じて世界へ公表した。ソ連は、異常な反応を示し、ナチス・ドイツがやった虐殺だと反論した。誰が犯人かの疑問は、戦後も燻(くすぶ)り続けた。  私は、高校生の頃に始めて「カティンの森事件」を聞いた。実際は、1940年春にソ連軍が捕虜にしたポーランド軍人2万人をスターリンとそ . . . 本文を読む
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イタリア中部地震の犠牲者が207人に増えた

2009-04-08 08:53:58 | 欧州関係
 昨年の今頃、私はイタリアのフィレンツェを訪れていた。早春の古都は、時の流れを感じさせながらも、観光客に溢れて賑やかであった。狭い市街領域には、石を積み上げた建物が多く、地震が来れば相当のダメージを受けるだろうなと思った。  ローマから東へ80km離れた古い町ラクイラは、人口8万人ほどの中都市だが、6日未明に起きた直下型地震(M=6.2)により街は瓦解し、死者207人に達する大災害となった。負傷 . . . 本文を読む
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英仏の原潜が大西洋で衝突事故

2009-02-17 06:35:18 | 欧州関係
 表記記事は、英国の大衆紙<サン>が報じたものである。英仏両国は、珍しく直ちにこれを事実と認めた。事故が起きてから、既に2週間が経過している。幸い、両艦共に原子炉損傷は無かったようだが、<サン>の報道が無かったら、英仏は知らぬ顔をしていただろう。  ソナーの故障か、操艦ミスなのか、衝突原因は良く分からない。原潜事故は、ロシアが繰り返すので有名であるけれども、今回の場合はNATOの共同訓練でも実施 . . . 本文を読む
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英国はヤード・ポンド法を棄てず

2009-01-17 02:41:41 | 欧州関係
 アングロ・サクソン民族には、極めて頑迷な側面がある。ヤード・ポンド法の墨守はその一つである。世界の大勢がメートル法採用で動いているのに、英国とその連邦諸国、それに米国はヤード・ポンド法採用を止めようとしない。  日本のように、基本的にメートル法が定着している国から英国へ行くと、長さ、重さ、容量の単位で戸惑う。生ビールなどは、下記記事のように「パイント」単位で売られるし、ガソリンやウィスキーは「 . . . 本文を読む
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