Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

Gallaudet Univ.

2011年11月18日 | Weblog

 

ellyこと、「今井恵理子」さんは沖縄出身の歌手・女優さんで、彼女の7歳になる息子の礼夢君は生まれついてのろうあ者である。音が聴こえないはずの礼夢君が素晴らしいリズム感の持ち主であることに気付いた今井さんは、ある日ヒップホップ・デフ・ダンス・グループ「WILD ZAPPERS」の存在を知り、彼等に会うために米国を訪れた。

彼等がどのような方法で、一流のプロ・ダンサーとしてのリズム感と踊りを身に付けたのか、是非知りたいと思ったのだ。今井さんは勿論手話が出来るけれど日本語である。彼等との通訳には、運よく英語手話の出来る日本人女性の(Gallaudet大学)留学生に助けてもらった。
今井さんは彼等とのコミュニケーションを通じて、彼女がこれまで抱いてきた疑問の一つ一つが解けてゆく。彼等は音楽を、音圧と振動を介して身体でキャッチしているのだ。低音域は足の裏で、高音域は頭蓋骨で感知している。だから練習中は大音量でミュージックを流す。今井さんはそこで彼等と一緒に練習を体験しながら身体で理解し、いつか礼夢君の将来に役立てたい、と母親としての熱い思いでいっぱいになったに違いない。

ところで、WILD ZAPPERSのメンバーは全員Gallaudet大学の卒業生なのだが、この大学は世界で唯一つの「ろうあ者の為の」専門大学だという。設立は1856年で、最初は寄付により土地と校舎が建てられ、当初12人のろうあ者と6人の盲人を受け入れた。その後学校は次第に大きくなり、1956年Colledge(単科大学)へ、1986年University(総合大学)へと昇格し、現在では世界各国から学生を受け入れているが、運営は主に寄付によって賄われているらしい。

こういうところがアメリカという国の懐の深さ、大らかさである。余裕のある人々にとって「寄付」は当たり前のこと、名誉なこととして捉えられている国ならでは。なかなか真似の出来ないことではなかろうか。

 
 



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