Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

戦後レジーム

2013年08月17日 | Weblog

             

司馬遼太郎の「坂の上の雲」は巻7まで読み進んだ。残るは最後の巻8だけに
なった。明治維新以後、日本がどのようにして欧米先進諸国に追いつこうとし、
そして軍主導による昭和の浅はかな大東亜共栄圏構想へと繋がっていったの
か、よく理解できる。

日清、日露戦争で辛うじて戦勝国になったとはいえ、日本は借金で戦費を賄うと
いう云わば”賭け”のような危うい国家運営を行った。戦いの実態が如何に薄氷
を踏むようなものであったか、その真実を知っていたのは最前線で戦う軍人たち
だけであり、政治家も東京にいる軍中枢部も”戦勝報告”という結果だけで自分
たちを過信してしまった。

同時に当時のメディア(新聞)は真実を伝えられる能力も情報網もなく、現在の
御用新聞同様、政府発表だけを記事を流したから一般庶民は無邪気に”戦勝”
という言葉に浮かれた。

”過信”はその後の日本の針路を大きく狂わせ、武力をもってアジアの一大経
済圏を造ろうなどという無謀で浅はかな構想の下、アジアの国々を侵略して行
った。

昭和16年、やがて日本は米国という超大国に勝ち目のない戦いを挑み、戦死
者300万人を超える未曾有の犠牲を払って敗北した。

戦後、連合国による東京裁判で戦争犯罪人として裁かれた

                                    

戦後68年、日本はこの過去の惨禍を反省し、二度と戦争をしないという誓いの
下に平和憲法を制定した。この憲法のお陰で日本は経済大国へと成長し、長く
平和が保たれてきた訳である。


安倍信三がいう”戦後レジームからの脱却”とは一体何なのか、いつもながら
具体性のない修飾辞ばかり並べた”新しい日本”だとか”元気のある国”だとか
いうだけでサッパリ分からない。

つまり衣の下が鎧だからハッキリものを云わないつもりなのだ。安倍・石場コン
ビで画策している自民党改憲案の中身は、戦前の大日本帝国憲法へ先祖帰
りしたいかのような国家の強権化を目指した内容であり、国民の自由と権利は
制限する危険な方向に大きく傾いている。

戦後レジームからの脱却というなら、今の日本が有する平和国家の概念を
世界に向かって
大きく広げるように、日本政府が主導的且つ積極的に各国
に働きかける、というのなら諸手を上げて支持するのだけれど・・・

米国は裏で日本に対してもっと自由な軍事協力を求めている。日本は米国に
対して卑屈になるのでなく、もっと対等な日米関係を求めて行くべきではない
のか。沖縄はいつまで経っても米軍の支配下に置かれたままである。

                  



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