Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

高速増殖炉

2011年06月16日 | Weblog

先日 当ブログでも、福井県敦賀市の原子力発電所”もんじゅ(高速増殖炉型)”で起きている事故とその危険性について触れた。(既投稿「トイレのないマンション」)

       

昨日もう一度「もんじゅ」について調べていたら、実は茨城県大洗町にある原子力研究開発機構の実験用高速増殖炉”常陽”でも2007年に照射実験装置の上部機構が引きちぎられる事故が起きていて、”もんじゅ”同様制御が出来なくなっている。冷却剤のナトリウムは水のように透けては見えないから破損して炉内に落下した部品が何処にあるのか見ることもできないし、探して取り出すのは困難を極める。落下物によってもし冷却剤の流れが阻害されれば炉心溶融につながり、反応度が増大して暴走事故につながるかも知れない。何とも恐ろしい事態ではないか!

例によって原子力開発機構はこの事故の報告を公にせず、翌年2008年になって原子力学会の分科会で「ナトリウム冷却型高速炉の原子炉容器ない観察・補修技術の観察」という目立たないタイトルでこっそり事故のあったことを発表したのだという。(
元京都大学原子炉実験所講師・小林圭二先生

NHKもその他マスコミもこの事実を知ってか知らずか沈黙したままだ。原子力学会も原子力安全委員会も口をぬぐって真実を一切国民に語ろうとはしない。一体この国の原子力政策を推し進めている人達には国民を危険に晒してはならないという「自覚」があるのだろうか?事故や都合の悪いことが起こればひた隠しにし、表に出させない政府とこの業界全体の隠蔽体質こそ、実は我々国民にとって最も危惧すべきことなのではないか。こういう重大な問題を報道しない、あるいは出来ないこの国のマスコミの良識が求められるし、その責任は重大だと思う。

福島原発事故でこれだけ国民に迷惑をかけ、放射能の危険に晒してておきながら、そして未だに福島原発が収束の目処すら立っていないというのに、経産大臣は軽々しく停止中の原発の再稼動に協力しろと国民に要求した。原発安全神話が完全に崩れ去ったこの期に及んで、「他の原子力発電所は政府の指示通り安全を確認したから大丈夫」などとよく言えたものである。

これまでの原子力政策を強引に推し進めてきた自民党にいたっては、「これまでの原子力政策は間違っていなかった」などと言い張っている。何という見識の無さ、良識の欠如か!あきれて物も言えない・・・

                    
           ★上の略図は「ガジェット通信」より借用