テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

パラレル・ストファイ!

2016-03-07 21:44:10 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 むふゥ! しゅいィ、きィーぷゥ!なのでス!」
「がるる!ぐっるるる!」(←訳:虎です!勝ったもん!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨夜もひとつ勝利を積み重ねたユヴェントス……
 GKブッフォンさんの無失点記録もかかっています、
 次も勝たねば!
 というワケで、本日の読書タイムは、
 フットボールに負けないくらい
 元気でアグレッシヴなフィクション作品を、どうぞ~♪

  



      ―― 逆島断雄と進駐官養成高校の決闘 ――



 著者は石田衣良(いしだ・いら)さん、2015年11月に発行されました。
 『逆島断雄』は『さかしま・たつお』とお読みくださいね。
 この御本の主人公さんが、
 ↑タツオくんなんですよ。

「ふむふむゥ、でもォ~…」
「ぐるるっるがるるる?」(←訳:進駐官って何ですか?)

 進駐官とは何か、いえ、何者か。

 それを説明する前に、まず申し上げておきますと、
 SF小説のジャンルには、
 “士官学校もの”とでも呼ぶべき作品があります。

 最も有名なのは、
 R・ハインラインさん著『宇宙の戦士』でしょうか。

 ごく普通の少年が、
 士官学校や軍学校での厳しい訓練と修養を経て、
 凄惨な戦争の最前線で敵に立ち向かってもビクともしない、
 一人前の兵士に育ってゆく――

 そんな骨格の、
 ときには、好戦的すぎる!と批判もされるスタイルが、
 この物語には取り入れられています。

 断雄ことタツオくんが入学したのは、
 東島(とうとう)進駐官養成高校。
 日乃元(ひのもと)皇国でも最優秀な学生が集う、
 全寮制高校。

 学校を無事に卒業できたなら、
 進駐官という名の
 “生涯エリート”を保証されたも同じ、なんです。

「ふァ~、えりィーとォ!」
「がるぐるるがるるる!」(←訳:国を動かす役人さん!)

 政治、経済、軍事、文化、
 それぞれの分野の進駐官がいて、
 タツオくんは、
 文化の進駐官になれたらいいな♪と考えていました。

 けれど、タツオくんの生家が持つ或る事情が、
 穏やかな人生設計を許しません。

 入学して間もなく、
 狙撃されたり――

「ひいいィッ!」

 暗殺予告をされたり――

「ぐるるるがるっ!」(←訳:カンベンしてっ!)

 一日一日が、生き延びるための闘いになっています。

 闘うタツオくんを援けてくれるのは、
 同班の3人、
 菱川浄児くん=ジョージくん、
 谷照貞=テルくん、
 鳥居国芳=クニくん。

 彼ら3人にも、タツオくんに劣らず、
 複雑なバックグラウンドや鬱屈を抱えています。
 そして、彼らの同級生たちも、同様に。

「みんなでェ、そつぎょうゥ!」
「がるるぐるぅ~…」(←訳:したいけどぉ~…)

 さらに、
 パラレルワールドSFの“士官学校もの”に、
 著者・石田さんはストリートファイトの要素を加えました。
 あ、これ以上お喋りしちゃうと
 ネタバレになるのでやめておきますが、
 御本の後半は――

「だめでス! すとォ~ッぷゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:秘密ヒミツ!)

 生存、というタツオくんの闘い。

 《池袋WGP》シリーズのファンの方々におすすめしたい
 著者・石田さんの新挑戦、
 SF好きさんにも、おすすめです。
 スカイエマさんのキレキレなイラストも楽しみながら、
 一読してみてくださいね~♪


コメント
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