テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

任命あれば、何処へでも!

2013-03-17 23:19:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 よいしょッ!」
「がるる!ぐるぅっ!」(←訳:虎です!んしょっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 気温の上昇に浮かれ、勢いで春のプチ大掃除など始めてしまいましたよ♪
 その合間にも読書タイムは忘れずに、
 本日ご紹介いたしますのは、こちら~!

  



 
                  ―― 初陣 ――



 著者は今野敏(こんの・びん)さん、単行本は2010年に、
 画像の文庫版は2013年2月に発行されました。
 『隠蔽捜査3.5』と副題が付されていますが、
 副題、というよりは、シリーズ題、でしょうかしら。

「にんきのォ、しりーずゥ、でスねッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:舞台は警視庁!)

 ええ、そうなんですよね。
 シリーズ第一作から順に、
 『隠蔽捜査』、『果断』、『疑心』、『転迷』と長編作品が刊行されていますけれど、
 こちらの御本『初陣』は連作短編集。
 なので、
 長編作品とはちょっとスタイルの違う警察小説となっています。

「しゅやくさんがァ~」
「がるるるる!」(←訳:入れ替わり!)

 《隠蔽捜査》シリーズの長編版で、
 主役、というか、物語を牽引する役目を果たしているのは、
 東京・大森署の竜崎伸也(りゅうざき・しんや)署長。
 そして、
 警視庁の伊丹俊太郎(いたみ・しゅんたろう)刑事部長が
 竜崎さんの補佐的存在として登場します。

 短編版、となると……
 主役を務めるのは、
 伊丹刑事部長さん!

「けいじぶちょうッてェ、えらいのかなッ?」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:えらいらしいよ!)

 竜崎署長さん、
 伊丹刑事部長さんも、
 警察官僚、いわゆる“キャリア”さんです。
 
 御本の冒頭に収録されている『指揮』では、
 伊丹さんの人事異動が背景になっていますよ。

 福島県警本部の刑事部長の任に在る伊丹さんに
 内示が出ました。
 春からは、東京の、警視庁の刑事部長に!

「ふァ~! けいしちょうッ!」
「がるるるっ!」(←訳:なんか凄っ!)

 そうね、
 伊丹さん自身も、同じように思ったようです。
 
 首都の治安を預かる警視庁は、
 やはり別格!
 全国を代表する警察の刑事部長になるんだ!と考えただけで、
 緊張に身が引き締まります。

   いや、待て待て。
   任地を離れる瞬間まで、
   俺は福島県警の刑事部長なんだ。

「むむゥ! そのとおりィ、でスねッ!」
「ぐる~!」(←訳:でも~!)

 新任者への引き継ぎも間近、となったとき、
 県内で事件が発生しました。
 伊丹さん、
 捜査本部を立ち上げ、
 現場で刑事さんたちを指揮しますが、
 熱意とは裏腹に捜査は進捗しません……
 まるで、彼の覚悟を試すかのように。

 困りはてた伊丹さんの脳裏に、
 ふっと浮かぶのは、
 旧知の竜崎さんの顔。

   あいつだったら、どうするだろう?

「どうするかなぁ??」
「ぐるるがるる~?」(←訳:訊いてみれば~?)

 伊丹さんと竜崎さん、
 ふたりのコンビネーションが活きる短編8作は、
 ミステリ好きさんも
 警察小説好きな御方も
 楽しめる作品ばかりです♪
 シリーズ未読の方々も、
 読みやすいこの短編集から入門なさってはいかがですか~?

「がんばれェ~、いたみさんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:初陣は金星で!)
 


 

 
コメント
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