ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

カンボジアにおけるフェミニズム

2022年04月24日 | カンボジアでの教員生活


ジェンダー学の学生たちに、30歳以上の男女4名にインタビューしてもらって、フェミニズムについて考えを聞いてもらった。
相変わらずだが、指示を無視して25歳とかにインタビューしている学生がいるのである、とほほ。


55歳男性の先生にインタビューしたら、「フェミニストとは、なんでもできる女性だ」とのこと。

38歳男性の先生は、「女性は昔から権利なんてなかった、子を産む機械とされてきた。でも今はなんでもできる、女性でも大金持ちにだってなれる」ーなかなか鋭いのである。




数名の学生は、思いっきりインターネットからコピーしてて、こんな難解なクメール語を農民が言うとは思えないと言うようなひどい宿題内容。
こう言う学生は、すぐ落第させたくなるのである・・・
そもそも、大学をなんだと思ってる、自分でもわからない何回なことを農民が言ってるとかいって宿題として提出する精神が理解できない。
日本で教員やってたら、こんな悲惨な目には遭わなくていいんだろうな。
この前もジェンダーがSocial Constructとか回答してて、何言ってるのかわかってるのかと思ったことが(実際本人は説明できなかった)。



フェミニズムっていう用語、そのものが、かなり嫌われていると思うのだが・・・
ま、いいか、今学期は気楽にやろう、でも成績は厳しくして、みんな落第しない程度には成績あげれるよう指導しよう。




タイから戻ってきたカンボジア移民は何をしているか

2022年04月23日 | COVID 19の影響



理事をしている団体が、タイから戻ってきたカンボジア移民100名にインタビューをして、帰還中の困難や、その後の生活について聞く調査をした。

調査は12月にやってるので、すでに状況はかなり変わっている・・・が、約半数の戻ってきた人たちは建設現場に戻って仕事をしている。(今はどうだろうか)

↓公開すぐ子どもたちを引率して観に行った「名探偵コナン」、どんな映画よりも面白すぎる展開なのである、アニメはすごい


困っていた時に政府から支援を受けた人は少数・・・・・

日本は、10万円をばらまき、さらにまた5万円ばらまくとかいってる。
どこにそんな財源あるんだろ、この円安でさらに経済は厳しいのに。

100万人以上いたタイへの移民、戻ってきて、何も混乱せず普通に生活しているのはすごいなと思うのである。




カンボジアのE-waste collection

2022年04月22日 | ICT 調査



ICTに関する調査で、これからフィールドに出てもらう準備と、意識調査を実施するので、質問表を作成している。

基本的にはUNESCOが決めた指標を使うので楽なのだが(自分であまり考えなくても大枠はある)、これはなんだ?という指標がたまにある。

例えば、E-Waste Collection:うーん、なんだろう、と思って調べると、電池とかPCを捨てる場所のことだそう。



先日、2つのデスクトップを、廃品回収家さんみたいなのに買ってもらった。
息子たちのPCは1年ちょっとしか持たず、2つとも液晶が壊れ、粗大ゴミとなって家に置いてたのだ。
回ってきた廃品回収では、3000円と言われたが、2つで2000円で買ってもらった。
関西では、値切ってみるものだ。

それ以前には、私はイオンでMACを捨てたことがある。
古くて電源が入らず、もうダメだと思って。
水にしばらくMACをつけて、それから捨てた。
でも安全に捨てられたのかな・・・・


こういうE-Waste、これから増えるし、確かに、どこに捨てるのかな。

そもそも、カンボジア人、パソコンとか捨てないけど電池とかどこに捨ててるんだろう・・・・・




カンボジアはドル経済:どこまで進むか円安

2022年04月21日 | 大学院生活


阪大の学部生が2名カンボジアに一週間ほどいくので、いろいろお手伝いしているところ。
二人とも交換留学や卒業旅行でアメリカだかカナダに行ったことがあるのだけれど、一人で行くのは初めて。
フライトを買うところから、移動や日程の調整など、手取り足取り、まさにHISの職員になった気分なのである。(でもパスポート持っててよかった)
そもそも、二人のお母さんは私より年下。
すでに自分の子どものようなのである(ICTについていろいろ助けてもらってるし)。

↓梅小路の博物館で見るのとは違って、本物のデゴイチはすごい


で、お餞別にと思って、新札の2万リエルを「コーヒー1杯が1万リエルだから、2杯しか買えないけど」って渡したら、丁寧なお礼のメールが来た。

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昨日は20000リエルもいただき、本当にありがとうございました。
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うーん。たった2万リエルなんだけど。
現地で価値を知ったら、申し訳ない。

↓調査員が地方で調査中、コロナ時期には卵一個の値段が2倍になった話を聞く



海外に行くにはとても損なこの円安。

阪大の講義でガタリを発表した学生さんがいて、マルクスが貨幣と労働について議論したことについて話してた時、「その貨幣って、為替レートを検討してたのかな」」とかいう議論になった。
そうなのだ、平均賃金とかバイト代とか、為替によって全然価値が変わってしまうから、国際比較ってどの程度意味あるんだかと思ってしまうのである。
(男女別のアンペイドワークの割合についても、為替レートによって家事労働の価値が変わる!)

カンボジアに行くこの学生さんたちも「400ドルくらい変えたいから、早く変えないとどんどん円安になりますよねー」。
日本円レートで給与をもらっている外国にいる人たちは大変だが、私はドル建て給与(と言っても支払われてないが)。
タイ人を雇ってる先生も、「現地では、レートのせいで契約額より3割くらい給与が減っちゃうんだよな」と頭を抱えている様子。
130円まで下がるかな、来月カンボジアでドル建ての給与をちょこっとだけもらう予定なので、円がもっともっと下がって欲しいと思うわたしは非国民かもしれない。






カンボジアの若者にとって愛とは何か?

2022年04月20日 | カンボジアでの教員生活


ジェンダー学の講義、今学期はこれまでとかなり変わったことをやろうと思って、Feminismの次には、ジェンダーと愛・恋愛関係について講義してみた。

まずジェンダーと何かをわかってもらうために、ケーススタディーを用意した。
優秀な女子大学生が、大学で斡旋してくれたハイテク会社にインターンに行ったら、お茶汲みと掃除をさせられたという話。
感想を男女2名に聞いたら、奇しくも全く異なる感想。

女子学生2名は、「自分でもこういう仕事を与えられたら頑張ってやる、世界が広がると思う」みたいな好意的な感想。
男子学生2名は、「こんなのおかしい、もっと知識を支える仕事を与えるべきだ」。

↓小倉城、偶然昨日この近くの市場で大きな火事があったらしい


恋愛なんかより、女子学生が内面化しているジェンダーステレオタイプ、あるいは自分たちの能力を過小評価する問題を指摘しなければ・・・
優秀な学生が掃除させられて、「世界が広がる?」うーん。想定外だった。


恋愛については、愛とは他人に惹かれること、とか、親密な関係を構築すること、など教科書的な回答しかなかった。
ま、そんなものか、まだ1回生だし、恋愛とか、幻想を抱いているのかもしれない。