ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

嫌われる先生になるには?今日から新学期

2022年04月08日 | カンボジアでの教員生活


日本では今日から小学校が新学期、カンボジアでもうちの大学は新学期が開始した。

今学期担当のジェンダー学クラスの履修人数が138人まで増え、さらに今後最大50人は増加して200人を超えることが予想されるので、教務に「1クラス、何人まで引き受ける制度なのか?」と聞いたら、1日ほど回答がなかったのだが、「確かにこのクラスは学生数が多いから2つに分ける」。
でも、他の教員のコメントでは、65人以上は分けるそうで、そうなら3クラスに分けてもらわないといけないんだけど。



先日お目にかかった阪大のあるベテランの先生は、「まだコロナだし、学生にはクラスは3回に1回くらい出て貰えば成績ちゃんとあげるから、クラスにはあまり来ない方がいいな(コロナが怖いし)」みたいに呟いているのを聞いてかなりびっくりしたが、確かに大学は講義を聞く場所ではなく、自分で勉強する場なので、毎回講義に来ることを期待しなくても(要求しなくても)当然かなと思った。

あるいは私の所属する研究家の教授先生たちは、「この(自分の)講義はとても面白いので、ぜひ参加してください」と宣伝(紹介?)している方が多く、うーん、いかにして学生に履修を辞めてもらうかを必死に検討している私とは違うなと。
でも実際すごく面白そうな講義が多くて、さすが阪大の先生はすごいと思うのである、専門性も高い(がわかりやすく説明してくれる)。
私も取りたい講義がたくさんあって、でも仕事もあるし、自分の講義もあるし、何個も何個も受講できないかなと。

ただ、教員としては、10人くらいの講義と、140人の講義では、何しろ業務量が全く違うので、10人くらいがいいと思うのは仕方ないと思う。



で、息子たちの学校にいて二人とも担任をしてもらったある先生は、学校で1番恐ろしい先生として有名だった。
「給食中にスプーンが床に落ちただけで、クラス中シーンとなるそうですよ」とママ友に聞いて、まさにその通りだろうと思った。
下の子なんてその先生のせいで学校に行きたくないって言い始めたのだ。何しろ恐ろしい先生だった。
今回、その先生が退職することになって、「みんな大喜び、あんな先生いなくなって嬉しい、学校で顔を合わせることもなくなると思うとホッとする」だって。



「どうやったら、そんなに嫌われる先生になれる?」と聞いてみた。
何しろ毎回毎回履修者数が多すぎて(私に人気があるわけでなく、ジェンダー学担当がいない!)、とにかく「この先生はやばい」と思って履修を辞めて欲しいのだ。

そしたら、「簡単簡単、エコ贔屓すればいい」。
なんでも、この先生は怖いだけでなく、お気に入りの児童を相当贔屓してたらしく、息子たちはそれも気に入らなかったらしい。

依怙贔屓か・・・・そんな日本語すごく久しぶりに聞いた。
教員倫理に反するし、私が絶対やりたくないと思ってる贔屓、やらない贔屓(やらないよう努力してる、学生とは直接話さないでアシスタントを通じてしか連絡取らないし)、小学生の先生がやってたらだめだろう。

いずれにしても、今学期のジェンダー学は、講義の最初の数週間で「履修を辞めてもらう」戦略を検討をするより、とにかく考えてもらえる楽しい講義をして、みんなに何か学んでもらうように検討しようかなと。
発想の転換だ、自分が学生になってみるのもいいものだ。