修理中である真空管ラジオの電源平滑コンデンサがパンクしたことも
あり、他のコンデンサもチェックしてみることにした。オイルペーパー
コンデンサをCメーターで測ったところ、ほぼ全てが表示の容量より
増えていた。??
コンデンサの容量抜けというのはよくあるが、容量が増えるって?
よく解らないが、ネット上の情報ではコンデンサの絶縁層が劣化に
より漏れ電流が増えることで容量が増えたようになるとか。
ふ~ん なるほどって感じだ。
試しに電流計をつないでペーパーコンデンサーに15VのDC電圧を
かけてみると15μA程の電流が流れた。
同じ容量の新品コンデンサーに同じことをしても電流は流れなかった。
ただ、しばらく電圧を掛けっぱなしにしておくと、当初15μA流れて
いたものが20分くらいで4μAまで減少した。
これが自己回復というやつか?
真空管の機器をエージングするというのは、このためなのかも。
まずはパンクした平滑コンデンサーを何とかしないと電源も入れられ
ないが、耐圧500Vのケミコンなんて中古品すら持っていない。
それでもジャンク箱を探していると250V47μFのものが2個あった。
これを直列にすれば500V耐圧にできる。
容量は47/2μFになるので元の容量10μFより多いが、まあ問題ない
だろう。
バランス抵抗は漏れ電流から計算して云々と面倒なので適当に
500KΩを各コンデンサーに繋いでみた。
これで電源は入るようになったのだが、スピーカーからかすかに
ハム音はするのだが、受信音もノイズも聞こえない。
各真空管のヒーターは灯っているののだが、動作しているのかどうか
不明なので、まずはプレート電圧のチェックをしてみた。
すると、検波に使っている球のプレートに全く電圧が掛かっていな
かった。その手前にある抵抗が内部で断線しているようである。
もともとは250KΩだが、1/4W程度のものしか無かった。
使えそうなもので270KΩのものがあり、これだと5Wくらいあり
そうなのでこれに交換した。
するとノイズが聴こえるようになったので、1mくらいのビニール
線をアンテナに繋ぐと、NHKが受信できた。
バリコンを回すと民放局も弱いながらに受信できた。
取り敢えず受信できること確認でき、復活の兆しが見えてきた。
この正体不明のラジオは何時頃作られたものなのか?
ST管が使われているが、再生式ではなくスーパーなので、戦後で
あることは間違いないだろう。
そして木製キャビネットに入っているので、昭和30年以前だろう。
昭和25年前後ではないかと推測できる。
70年以上経っているということか・・・
コンデンサーの劣化なんて当たり前の話で、そんな状態でも受信
できるというのが凄い。「恐るべし真空管ラジオ」
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