ケンウッドの430MHz帯のハンディ機 TH45G
ハンディ機でありながら、キーパッドは無く(オプションだった)
モービル機のようにダイヤルつまみでチャンネルを合わせることが
できるところが使いやすくて気に入ったトランシーバーだ。
ただ実際に使ったことはほとんどないのも事実だ。
そんなTH45Gが、たまには電源を入れてみようかとスイッチを
いれたところ、スケルチが閉じない状態となっていた。
そこで何とか直せないかと分解したのが4年くらい前のことだ。
そのまま、ビニール袋に分解した状態で保管してあったので、
復活させるべく修理にとりかかることにした。
この時代のハンディ機といえば、ケミコンの液漏れとそれによる
不具合の発生といったところだろうから、ケミコン全交換で行ける
だろうと簡単に作業を始めたのだが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/2a/f79038f24b7adf016c5feecd3f8c3292.jpg)
やはり、ケミコンの多くが液漏れを起こしており、その周辺に
シミや腐食の跡があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e5/0c845f59e3cce360887d99eacb91ee04.jpg)
ケミコンを外すとその下の基板が酷く腐食している部分もあり
この辺りから嫌な予感がふつふつと・・・
表面実装のケミコンが足りなくて、隙間のあるところにはリード
タイプのもの使った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/2f/707fa695f4dfdb6c0bf2c696cb50cbef.jpg)
そして全交換が済んで、バラックのまま電源を入れると、スケルチは
正常になっていたので、これで終了かと思いきや、パワーチェックを
してみるとパワー計の針が全く振れないではないか。。。
ほとんど使っていなかったので、もともとパワーが出なかったのかが
はっきりとは解らない。というのも送信時に液晶パネルのインジケーター
は振れるが、これはRFメーターではなくバッテリーチェックのようである
から、パワーが出ていなかったとしても受信しかいないような使い方では
気付かなかったのかもしれない。
受信はOKになったので、次はパワーを出るようにしなければならない
のだが、HIとLOWは出ないが、ELだと少しだけパワー計が振れている。
マニュアルによるとこのELはドライブ段から出力して、ファイナルを
休ませているとのことだ。
つまりドライバーまでは生きているということだ。
ということはファイナルか。。。
パワーモジュールの電源とバイアスに供給される電圧が出てこない。
試しに直結で電圧を与えても、何の変化もない。
パワーコントロールの回路も死んでいるが、パワーモジュールも
ダメになっているようだ。
やはり、ケミコン液漏れの仕業に違いない。
部品探しをしたところ、標準のM67749MRは既に生産されて
いないらしい。
M67749LRなら入手できるが、これは周波数が400~430MHz
なので、まともに動作するかも解らない。
これを使うしかないので、お試しで買ってみた。
パワーコントロール側のICまでは探していない、というか
簡単交換できそうなものではないので、強制的に電圧供給
することで動作させることにした。
これをやると、パワー切換スイッチが完全に使えない状態に
なるが、そこは諦めることにした。というかほとんど送信は
しないというのも理由の一つではある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/f5/d89ac36edf0896eb7ec974103048098e.jpg)
この方法で、送信は可能になり、対応している周波数帯が違う
にも係わらず、4.5Wも出てくるではないか。
モジュールの定格は7Wなので、少々少な目ではあるが、TH45G
最大出力は5Wなので、充分な出力が得られている。
因みに、単3電池だと0.5Wしかでません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/d8/749e186f8ffc32a586f5793fee184e91.jpg)
途中、次々と不具合が発生して、ここでは書ききれないくらい
苦戦を強いられましたが、何とか使える状態なった。
(途中で何度もクジケそうになった)
本体はゴミにならずに済んだが、ゴミとしての部品はたくさん
出ました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/a5/289634503c5c0c4630c4e4d96234c979.jpg)