先の日記にも書いたが、正月休みは実家のある大阪・堺に帰省していた。ところが風邪を引いてしまい、三が日の70%近く伏せってしまった。今日が仕事始めなので、昨夜に上京したのだが、まだ若干病み上がり状態だ。とはいえ、久しぶりに帰省したこともあるので、今宵は滅多に帰らない故郷・大阪のことと、私の実家について少しだけ書いてみたい。
もちろん、生まれ育った街なので愛着はあるし、なんだかんだ言って大阪人はユーモアのセンスに溢れ、義理・人情も感じられて、自分にとってはごく自然に受け入れられる。だが、ほんとたまに帰るだけなので、その街全体のダイナミズムをそんなにしょっちゅう肌で感じていないだけなのかもしれないが、私の実家のある堺・泉北地区は年々「老化が加速」しているように見える。
泉北とは、泉北ニュータウンとも呼ばれ、大阪が万博開催で沸いた頃に造成された大阪北部の千里ニュータウンに対抗するがごとく、1970年代頃に堺の南部にある山稜を切り開いて造成されたベッドタウンだ。私の父が満を持してここに引っ越してきた折には、「将来泉南沖に海上空港もできるし(要は今の関空)、この地域は絶対に栄える」なんて言われたこともあったとかなかったとか。
まあ、私の帰省時期が正月ということもあるし、元々住宅街ということもあろうが、街全体がしーんと静まりかえり、生活感がないように感じられる。
なんていうかね、山を切り開いて造った街なので、長く勾配の急な坂が多いし、交通インフラも決して充実しているとは言い難く、車がないと到底生活できない。私の両親のような老人世代にとって住み良い場所と言えるかどうか疑問だ。関空の開港も結局はあの地区の活性化に結びついたとまでは言えないように思う。言葉は悪いが、都市計画の失敗例の一つではないか。
そういう状態の街に時折帰省して年老いた両親を見ると、20年くらい前から時計が止まっているような錯覚を覚えることもある。確実に変化として実感できるのは両親の「老い」。まあ、私の世代の人間であれば、多かれ少なかれ、避けては通れない道なのかもしらんけどね。
どうも病み上がりだからか、なんだか元気のない内容になってもうたな。今宵の音楽ネタは、老いていく街の様子を歌ったBilly Joelの佳作、"Allentown"にいってみよう(http://www.youtube.com/watch?v=N4qzwmeXNQA)。Allentownはアメリカのペンシルヴァニア州にある街で、かつては鉄鋼と炭鉱で栄えた街だが、80年代後半のアメリカ製造業の不振の煽りを受け衰退の一途をたどったらしい。皮肉っぽい歌詞が殊更に強調されていないのは、意外に明るい楽曲の秀逸なアレンジに負うところが大きいのかな。
ま、泉北といわず、我が街大阪がAllentownになっていくのを憂うという意味ではなく、「そうじゃないよな?」という願いを込めて。
-Butzmetz社長-
http://www.butzmetz.com/
http://www.myspace.com/butzmetzlingeriez