或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

映画|ザ・キング

2021年03月05日 | 映画
今日おすすめする映画はあくまでフィクション。検察と黒社会と政治と記者がグルグル
凄い勢いで回転する。彼の国における政権交代とはどういうものか、物心ついて以来、
隣国でリーダーが退任後に失脚したかと思うと逮捕されたり、あるいは自殺、あるいは
高齢なのに投獄されるなどのニュースを見るたびに不思議だったことの背景。
映画一本で知った気になってはいけないが、当たらずも遠からずだろう。
どうしてと純粋に疑問に思ってきた人に用意された答えのような作品だと思う。

主人公の心の声で始まって終わる手法のおかげで終始何処か遠くから悲喜こもごもを
見ている感覚を作り出し、長身で整った顔立ちの俳優さんが演じるので泥臭さをうまく
抜き、時々は画面をわざとレトロにして何処かスタイリッシュ。社会派ドラマだけど
難しくない。最後はやり返すおまけまでついた傑作だったのでちょっと見てみて欲しい。

(途中ちょっと見るのが嫌なシーンが象徴的な暴力として犬を使った部分で、その時は
音声ボリュームをゼロにして映像だけにしてサラッと流し見するか10秒スキップを
使って早送りするかで対処するのがオススメ。映画館と違って見るか見ないか場面ごと
自分で選択できるってサブスクで楽しむ醍醐味かも。)

2017年現地、2018年🇯🇵公開

「ザ・キング」本予告

「ザ・キング」の関連ニュースはこちら。
https://natalie.mu/eiga/news/264467

youtube#video

 




日本人は、子供の頃から鶴の恩返しとか雪女とかに親しんで、真心・誠実さ・正直さを
尊ぶ文化で生きている。現実にはそんな簡単じゃないからこそ、それを描いたドラマが
ときに大流行するし、人々は水戸黄門さながらに鮮やかなどんでん返しをやってのける
主人公を見てストレスを昇華して明日を生きる元気を貰う。そんなお人好しの国民性は
「国は違えど話せばわかるに違いない」と最初から信じきっている。
しかし、国が違えば何が思い描く最上の幸福で、何が棄てても良い正義感かなど到底
理解できない異なる国民性があるのだ。わたしたちが漠然と信じている「人はこんなこと
をしてはならない」というわかりやすい正義感の共有すら難しいと、認識できていない。
現在まで二国間に横たわる問題の数々と「どうしてどこまでも双方で話が通じないのか」
というもどかしさのおおもとを気づかされた。

こっそり日本人全員これを見ておいたら、彼らが約束を違えたり、これまでの言説を
ひっくり返してメチャクチャな弁明をするか。生き抜く術であって恥ずかしくない。
別に周りに悔いたり罪悪感を抱くようなことじゃないと考える姿には色々ほんとに
驚かされつつ腑に落ちた部分がどれほどあったか。隣国理解のために見といたほうが
良い気がしてならない。


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