「暗い日曜日」という映画をご存知ですか?これは、1930年代に
ブダペストで生まれた同名の曲が世界各国で自殺に次ぐ自殺を呼んだ
という実話を元に作られた映画です。
原題はGloomy Sunday、ドイツ・ハンガリーの合作映画で1999年に放映
されたもの。ブダペストに来て、同じ外国人駐在員の仲間から熱心に
薦められる映画のひとつでした。
ヨーロッパ映画といえば、必要以上に官能的、あるいは難解すぎ、
最後まで観るのが苦痛・・・というイメージが先行しタイトル見ただけで
「やめとこ」と思うかもしれません。
先日、ネット通販でDVDを購入し、ずっと「時間のあるときに」と
先延ばしにしてきたこの映画、ようやく見ました。
結論から言うと、大変良いので見て欲しい、の一語です。タイトルは
「暗い日曜日」という歌から来ているため変えようが無かっただけ
のようで、いかにもヨーロッパ映画という暗さや難解さもありません。
むしろ、ブダペストの名所が美しく切り取られ、これから住むことに
なる人も、旅行に出るという人も、あるいは既に住んでいる人も、
住んでいた人にも印象的な映画になるでしょう。
かつて「自殺の聖歌」と呼ばれた歌も、現代社会を生きる私たちの
耳には物悲しくも美しいという印象だけを残します。映画は全く
のフィクション。第2次世界大戦前後の緊迫した時代、暗い世情に
翻弄されても、基本は男女の三角関係が描かれたラブストーリー。
メロドラマに終わらない文学的で小気味良い結末へと向かう独特の
世界は一気に引き込まれます。
作中では三角関係のひとりの主人公に当たるレストランの「サボー」
のオーナーは、別なレストラン「グンデル」を引き合いにだして、
いつもジョークを飛ばします。
映画の主な舞台となっているそのレストランこそ、ブダペストに
実在する老舗料理店「グンデル」で撮影されたと思われ、粋な
ユーモアといえます。
ほかに、何度も映る美しい石橋は鎖橋、緑色した鉄橋は自由橋。
時折、印象的に映る左右対称の建造物は国会議事堂。どれも
ブダペストに来れば当たり前のようにドナウ川に沿って横たわり、
映画さながらの夜景を見ることができますよ。
また、「薬」と言って瓶ごと口をつけて飲んでいるのは
「UNICUM」(ウニクム)と呼ばれるハンガリー名物のハーブ酒。
お土産にも人気のあるもの。
何度か会話に出てくる「ロマ」とはハンガリーに伝わるジプシーたち。
歴史的作曲家リストがジプシー音楽からヒントを得てつくった
「ハンガリー狂詩曲」は有名で「観光客はロマの音楽が聞きたいだけ」
といった会話は、それをもとにしています。
ロマとよばれる彼らのうち民族音楽をたしなむのは一握りですが、
今もレストランなどで観光客相手にバイオリンなどを弾き生活の糧
を得ています。
しかし、音楽をたしなまない普通のロマの人々は政府が何度否定しても、
ハンガリーでは差別される側にあり、生まれながらにして仕事につけない、
学校に通えない、まともな家に住めないといった貧しさから様々な
トラブルを起こしてしまい、更に差別される・・・といった状況の
ようです。
それはさておき、年末年始、ビデオレンタルして何観よう?という方に
オススメです。
ブダペストで生まれた同名の曲が世界各国で自殺に次ぐ自殺を呼んだ
という実話を元に作られた映画です。
原題はGloomy Sunday、ドイツ・ハンガリーの合作映画で1999年に放映
されたもの。ブダペストに来て、同じ外国人駐在員の仲間から熱心に
薦められる映画のひとつでした。
ヨーロッパ映画といえば、必要以上に官能的、あるいは難解すぎ、
最後まで観るのが苦痛・・・というイメージが先行しタイトル見ただけで
「やめとこ」と思うかもしれません。
先日、ネット通販でDVDを購入し、ずっと「時間のあるときに」と
先延ばしにしてきたこの映画、ようやく見ました。
結論から言うと、大変良いので見て欲しい、の一語です。タイトルは
「暗い日曜日」という歌から来ているため変えようが無かっただけ
のようで、いかにもヨーロッパ映画という暗さや難解さもありません。
むしろ、ブダペストの名所が美しく切り取られ、これから住むことに
なる人も、旅行に出るという人も、あるいは既に住んでいる人も、
住んでいた人にも印象的な映画になるでしょう。
かつて「自殺の聖歌」と呼ばれた歌も、現代社会を生きる私たちの
耳には物悲しくも美しいという印象だけを残します。映画は全く
のフィクション。第2次世界大戦前後の緊迫した時代、暗い世情に
翻弄されても、基本は男女の三角関係が描かれたラブストーリー。
メロドラマに終わらない文学的で小気味良い結末へと向かう独特の
世界は一気に引き込まれます。
作中では三角関係のひとりの主人公に当たるレストランの「サボー」
のオーナーは、別なレストラン「グンデル」を引き合いにだして、
いつもジョークを飛ばします。
映画の主な舞台となっているそのレストランこそ、ブダペストに
実在する老舗料理店「グンデル」で撮影されたと思われ、粋な
ユーモアといえます。
ほかに、何度も映る美しい石橋は鎖橋、緑色した鉄橋は自由橋。
時折、印象的に映る左右対称の建造物は国会議事堂。どれも
ブダペストに来れば当たり前のようにドナウ川に沿って横たわり、
映画さながらの夜景を見ることができますよ。
また、「薬」と言って瓶ごと口をつけて飲んでいるのは
「UNICUM」(ウニクム)と呼ばれるハンガリー名物のハーブ酒。
お土産にも人気のあるもの。
何度か会話に出てくる「ロマ」とはハンガリーに伝わるジプシーたち。
歴史的作曲家リストがジプシー音楽からヒントを得てつくった
「ハンガリー狂詩曲」は有名で「観光客はロマの音楽が聞きたいだけ」
といった会話は、それをもとにしています。
ロマとよばれる彼らのうち民族音楽をたしなむのは一握りですが、
今もレストランなどで観光客相手にバイオリンなどを弾き生活の糧
を得ています。
しかし、音楽をたしなまない普通のロマの人々は政府が何度否定しても、
ハンガリーでは差別される側にあり、生まれながらにして仕事につけない、
学校に通えない、まともな家に住めないといった貧しさから様々な
トラブルを起こしてしまい、更に差別される・・・といった状況の
ようです。
それはさておき、年末年始、ビデオレンタルして何観よう?という方に
オススメです。