或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

映画|暗い日曜日

2005年12月27日 | 映画
「暗い日曜日」という映画をご存知ですか?これは、1930年代に
ブダペストで生まれた同名の曲が世界各国で自殺に次ぐ自殺を呼んだ
という実話を元に作られた映画です。

原題はGloomy Sunday、ドイツ・ハンガリーの合作映画で1999年に放映
されたもの。ブダペストに来て、同じ外国人駐在員の仲間から熱心に
薦められる映画のひとつでした。

ヨーロッパ映画といえば、必要以上に官能的、あるいは難解すぎ、
最後まで観るのが苦痛・・・というイメージが先行しタイトル見ただけで
「やめとこ」と思うかもしれません。

先日、ネット通販でDVDを購入し、ずっと「時間のあるときに」と
先延ばしにしてきたこの映画、ようやく見ました。

結論から言うと、大変良いので見て欲しい、の一語です。タイトルは
「暗い日曜日」という歌から来ているため変えようが無かっただけ
のようで、いかにもヨーロッパ映画という暗さや難解さもありません。

むしろ、ブダペストの名所が美しく切り取られ、これから住むことに
なる人も、旅行に出るという人も、あるいは既に住んでいる人も、
住んでいた人にも印象的な映画になるでしょう。

かつて「自殺の聖歌」と呼ばれた歌も、現代社会を生きる私たちの
耳には物悲しくも美しいという印象だけを残します。映画は全く
のフィクション。第2次世界大戦前後の緊迫した時代、暗い世情に
翻弄されても、基本は男女の三角関係が描かれたラブストーリー。
メロドラマに終わらない文学的で小気味良い結末へと向かう独特の
世界は一気に引き込まれます。

作中では三角関係のひとりの主人公に当たるレストランの「サボー」
のオーナーは、別なレストラン「グンデル」を引き合いにだして、
いつもジョークを飛ばします。

映画の主な舞台となっているそのレストランこそ、ブダペストに
実在する老舗料理店「グンデル」で撮影されたと思われ、粋な
ユーモアといえます。

ほかに、何度も映る美しい石橋は鎖橋、緑色した鉄橋は自由橋。
時折、印象的に映る左右対称の建造物は国会議事堂。どれも
ブダペストに来れば当たり前のようにドナウ川に沿って横たわり、
映画さながらの夜景を見ることができますよ。

また、「薬」と言って瓶ごと口をつけて飲んでいるのは
「UNICUM」(ウニクム)と呼ばれるハンガリー名物のハーブ酒。
お土産にも人気のあるもの。

何度か会話に出てくる「ロマ」とはハンガリーに伝わるジプシーたち。
歴史的作曲家リストがジプシー音楽からヒントを得てつくった
「ハンガリー狂詩曲」は有名で「観光客はロマの音楽が聞きたいだけ」
といった会話は、それをもとにしています。

ロマとよばれる彼らのうち民族音楽をたしなむのは一握りですが、
今もレストランなどで観光客相手にバイオリンなどを弾き生活の糧
を得ています。

しかし、音楽をたしなまない普通のロマの人々は政府が何度否定しても、
ハンガリーでは差別される側にあり、生まれながらにして仕事につけない、
学校に通えない、まともな家に住めないといった貧しさから様々な
トラブルを起こしてしまい、更に差別される・・・といった状況の
ようです。

それはさておき、年末年始、ビデオレンタルして何観よう?という方に
オススメです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バレエ「くるみ割り人形」

2005年12月26日 | ハンガリー(各種オススメ)
さて、クリスマスといえば「くるみ割り人形」というほど有名らしい、というのは
今をときめくフィギュア・スケーター浅田真央ちゃんのコメントで知った私。ミーハー
心を起こして実際に観て来ました。26日は祝日で、市内の店という店が営業を停止して
おりなんだか薄暗いなかを、路面電車や地下鉄を乗り継ぎオペラ座へ出かけました。

ブダペストのオペラ座は、ドアをくぐると目もくらむようなドーム状の天井がある
美しい建物です。観客席のある舞台ホールは全体に円形。美しい天井画があり、映画
「オペラ座の怪人」を髣髴させるシャンデリアがきらびやかな雰囲気をさらに深め、
木造の座席は座るとギィギィ音がなり固いものですが、真っ赤な布を張られた客席に
座った旅行客は揃ってカメラを持って天井を仰ぎシャッターを切ります。駐在で住んで
いる人も、旅行でいらっしゃる方も一度は訪れたい場所といえるでしょう。

「くるみ割り人形」は、バレエを初めて観るひとや、お子さん連れにオススメとされて
いるだけあって、ほぼ30分おきに幕間が入り、その間にトイレ休憩し、オーケストラ
が陣取る舞台下を見に1階席へ降りて身を乗り出す親子連れが多く見られました。

肝心のなかみはといえば、日常的にオペラやバレエ鑑賞を楽しまないタイプの私にも、
楽しめるものでした。バレエにはセリフがないので、こちらの自由な感性で観ること
ができ、舞台下で演奏されるオーケストラの生演奏にも贅沢に身を任せられます。
衣装やセットの色を美しく見せる証明技術もあいまって、クリスマスの夜と物語の
設定にあわせ、絵本のなかに飛び込んだような世界にうっとりと浸れました。

昼間の上演で、お子さん連れで観にくる人の多い演目だけに、気楽に入れました。
気になるの服装も、男性はタキシード、女性はドレスなどといった決まりもなく、
旅行者と思しき人々もラフ過ぎない程度の服装で観に来ていました。

たとえば若い男性なら、ジーンズでも上半身はシャツとジャケットに足元は革靴で。
スーツを普段通りのネクタイで着て。あるいは、まったくの普段着でも型崩れしない
ジャケットと革靴で、など肩のこらない感じでした。女性のほうも、肌見せの薄手
ドレスかといえばそんなことはなく、普段着より少し綺麗めにという程度。若い女性
なら「職場に着ていけそう」なシンプルな服装に、ガラスビーズなどキラキラと光る
タイプの大ぶりの髪留めやネックレス・耳飾りなどをあしらって華やかさを出して
来ていました。男女ともに「小奇麗」であれば良いという感じ。

インターネットで「オペラ座」や「エルケル劇場」などのチケット取扱サイトへ行くと、
ホテルなどが大量に抑えた席で不要になった分が直前になって放出されるのか、案外と
有名な演目のチケットが取れます。年末年始を利用して、観劇に出かけてみたい方は
お試しになると良いでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魚のスープ

2005年12月25日 | ハンガリー(各種オススメ)
日本では、クリスマスというと「24,25日」の2日間。そのあとは、手のひら返し!
という勢いで年末モードにはいり、昨日まで飾られていたもの全てが場違いに見え、
急いで片付けられてしまいますね。

ハンガリーのクリスマスは、どうかといえば違います。クリスマスを過ぎても、
ツリーやライトアップは変わりません。クリスマスにまつわるものは、すぐに片付け
られてしまうたぐいのものではなく、何日までという線引きもありませんが大体
お正月過ぎまでそのまま飾られます。

年末年始はクリスマスを楽しむ時期で、家族同士集まったり、友達同士でレストランを
貸し切ってパーティーを開いたりと、クリスマスならではの平和や健康を祈る温かな
気持ちを分かち合うようです。

ハンガリーの国民の祝日は25・26日。さすがに、このときばかりは外資系の24時間
営業スーパーでも店を閉めます。以前、営業を続けて大批判を浴びたことがあるそうで、
高速道路沿いの郊外型大規模スーパーは軒並み、シャッターを下ろします。市内の
レストランやショッピングモール、食材を扱う店まで全部が営業を停止しますから、
直前のスーパーマーケットやショッピングセンターの混雑振りは激しくなります。

私が子どもの頃は、日本も年末年始の何日間か何処へいっても店もやってなければ
人もなく閑散としており、家族と家でユックリ過ごすという正月があったように
思いますが、今は様変わり。新聞には「おせち料理」を作る人は半数に減ったという
アンケート結果が出ていました。縁起がいいといっても、日持ちのするしょっぱい
お料理を手間隙かけて用意するのは、最近の「休まず営業」という事情を考えると
そこにあった「意味が薄れたから」という主な理由も納得でした。(続けている人の
理由は「伝統文化を子どもに伝えたいから」でした。私も「おせち料理」は食べる
専門だった作れない人間の一人なので、いつかマスターしたいものですが。)

ちなみにハンガリーでは、クリスマスに魚のスープを食べるのが伝統です。普段は
肉ばかり食べている彼らも年に1度、このときばかりは魚の入ったスープをと思う
ようで、普段はひとけのない魚屋のまえに長蛇の列が出来ているのを見かけると
微笑ましい感じがします。日本人では口に合わないひとがおおく、ガイドブックなど
でも「まずい」と書かれていることがありますが、私の食べた印象ですと日本の糟汁
に似ていました。入ってる魚に骨が多く、ちょっと泥臭い、というのは御愛嬌。
外にいると凍えるこの時期、やや塩気のあるコッテリとした風味の糟汁は日本でも
恋しくなる料理で、なにか親近感を覚えるような懐かしい味でした。

クリスマスならではの何かに挑戦したい方は、是非ハンガリーレストランへ行って
魚のスープをオーダーして下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梨はハンガリー語でナシ・クルテ

2005年12月23日 | ハンガリー(役立ちメモ)
先日美味しいナシが食べられるようになった話をしましたが、ハンガリー語で
通常ナシは「クルテ」といい、日本人がイメージする「梨」はなんと呼ぶか不明
のままでした。

今日、買いに行って値札に記されたマジックの文字を見てびっくり!「ナシ・クルテ」
nasi körte とあるんですから。「柿」を「カキ」と呼ぶのについで感慨深いものが
ありました。和英辞書でJapanese pearとあるのだから、ひょっとするかもとは思い
ましたが。でも、彼らは「ナシ」や「カキ」が日本語だとは知らないのだろうなぁ。

そういえば、同じ日本出身フルーツ?のなかではリンゴの「フジ」が有名なようで
数年前にブダペストへすみ始めてすぐから「日本から来たリンゴだ。買わないか」
とよく薦められたものです。1キロ100円という安さのハンガリー産リンゴの
ジョナサンに比べたら、1個100円という高さのフジ。本当に日本から来て
いるのかしら?と思いながらも1度買って食べてみましたが、味は日本のものに
比べるとイマイチでした。今年に入ってフジを食べたら少し味がよくなっていた
けれど、それでも日本で食べるリンゴとは雲泥の差。

そんなこんなで、日本人御馴染みのフルーツを買うときは迷いも多いのですが
ナシは美味しかった。とっさにハンガリー語で文章を組み立てられず聞けなかった
けれど、次回は「何処で作られたもの?」というのを聞いてみたいと思いました。

※ちなみにハンガリー語ではスペルが「s」のとき、それは「シャ」行で発音します。
それじゃ「サ」行はどうなるかというと「sz」のときになります。
例えば、英語で言うstarはsztárとつづられます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広がるか?詰替販売

2005年12月20日 | ハンガリー(日常)
先日、ハンガリーではシャンプー&リンスやボディソープの詰替用が売られて
いないという話をしたばかり。

しかし、先週末、見つけてしまったのです。見かけないものだったので、すぐ
に分かりました。NIVEAのボディソープの詰替用が売られていたのです。
画期的!と感心してしまいました。

日本ではハンドクリームを代表とする保湿関連のイメージが強いNIVEAですが
ブダペストに来て知ったのは、何でもあるというくらいシャンプー&リンス、
ボディソープ、男性のアフターシェーブローションや洗顔フォーム、制汗スプレー、
保湿ローションからクリームは当然で、実に幅広いラインナップを持っています。
そんなブランドから詰替用が出てきたのが嬉しい。

まだ、ボディソープしか詰替袋は無かったけれど、NIVEAが一気に推し進めて
くれたら他のブランドも追随するかも。というよりEU加盟国は環境基準が
ハンガリーより進んでおりゴミ回収などにも細かい規則があって、詰替え用の販売
は定着していそうな気がするなぁ。これまで入荷してこなかったハンガリーのスーパー
等も選択肢として眼中に入れてくれるようになったら素晴らしいのにと思いました。

さて、先日オススメした「ポンプ式が無いので重宝」とした紹介したボディローションも、
NIVEAが「新製品」としてハイパーマーケットに専用コーナーを設けて、割引価格で
売出し中のボトルが追随してくれました。

使いやすさを考えて、シャンプー&リンスやボディソープのボトルもポンプ式&詰替袋
の販売が進むといいんだけどなと期待し、ひとり売り場で胸を高鳴らせてしまいました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする