或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

隨に|父の日

2022年06月20日 | 2022
学生時代に父が九州へ単身赴任した時期があった。
母が心配してしょっちゅう父の元へ飛んでは数週間帰ってこなかった。

こちらも既に自分で冷蔵庫からなんでも出して食べられる年齢だったので
熱心に通っていく母を見て仲の良い夫婦だなぁと思うばかりだった。

我が子もだんだん大きくなってきてあと何年かすれば、当時の自分と同じ
くらいになる。もし同じ状況になったら、遠隔地で暮らす夫の元へ、
たびたび時間を割いて訪ねていくかといえば行かないと思う。

夫は30代をほぼ独身で暮らしたひとだから、一人暮らし再び!とウキウキ
張り切って部屋探しをするだろうし、ご当地料理や観光名所に触れようと
忙しく過ごすことだろうとおもう。古女房のつくる飯が食いたいなどとは
言ってもくれない気がする。マイペースで機嫌良くお過ごしになるだろう
から邪魔する必要もない。働いてくれることに感謝しながら我が子と普段
通り過ごすことに集中すると思う。

父は無欲な人で、放っておいたら僧侶のように淡々と同じサイクルを保ち
同じものを食べて、多くを持たずに暮らすだろう。健康のために色んな
ものを口にしてほしい、母は心配したんだと思う。

そんな父がよくお土産として買ってくれたのが明太子だった。
メーカー直営のオンラインショップを見つけたので、父の日に合わせて
直送してもらった。物静かな父から短いメッセージが届いて嬉しかった。

大企業のひとつが出社しなくていいフルリモート制度を導入すると発表して
話題になっている。もう単身赴任しなくてよくなる。出社は出張扱いにする
から航空券代も出すという。

時代はここまできたんだなぁとボンヤリと当時の父と母の様子を思い出す
父の日だった。


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