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ケルト文化の「サムハイン」





ハロウィンのように、秋の収穫を祝い、自然が死んだようになる冬を迎えるための準備をするお祭りは世界各地にあるだろうと思う。

ハロウィンの起源はケルト文化にあるといわれ、「サムハイン」(Samhain)というのだそうだ。

わたしが住んでいるイングランドの南東部は、後から入ってきたアングロ・サクソン、遅れてノルマンの影響を受け、ケルト文化よりもゲルマン文化の影響が強いのだが、西へ行けば行くほどケルト文化は色濃く残っているのに気がつく。

例えばウェールズは言わずもがな(第一、ウェールズ語は堂々のケルト語である)、イングランド南西部のコーンウォールや北西部のセルデン、遺跡としてはストーンヘンジはケルトのものと確定はできないまでも影響を受け、アイルランドやスコットランドには巨石文化が残っている。

一度、10月31日にケルトの街へ行ってみたいなあと思う。
精霊が現れやすいという、あの世との境目が実際にあるそうですよ。例えばアイルランドのRathcroghanとか!

話をもどす。

サムハインは、ケルトのカレンダーにおいて、秋から冬への季節の変化を祀る。
最も暗い季節への移行を象徴し、10月31日の夜から11月1日にかけて行われたという。ちなみにケルトの一日は夜から勘定する。

太陽の力が弱るこの日には、この世とあの世の境界線も弱まり、あの世から先祖霊や、魑魅魍魎(ちみもうりょう)がこちら側にはみ出してくる。
この世ならぬものたちがこの世を侵食する前に、機嫌よくあの世へおかえりいただこうと、宴会を催し、贈り物をしたのである。

子供がなぜ死人の仮装をするかというと、彼らは大人よりもよりあの世に近い存在であるからだ。
仮装した彼らを霊とみなし、無礼講を許し、おもてなしをすることにより、なんとか自然の力をなだめようとした、と。

自然の力に対して人間は可憐である。

こういう現実を思い出す日が一年に一回あってもいいよね。
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