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イングランド 春の復活



The Resurrection by Andrea Mantegna『キリストの復活』アンドレア・マンテーニャ
Musée des beaux-arts de Tours トゥール美術館
去年の夏、南仏への旅途中でこの絵を見るために立ち寄ったトゥールで。
キリストの復活とは、すなわち冬が「死んだ」後の春の「復活」のことである。



みなさま、もうモエが繰り返すのを聞き飽きてしまわれたかもしれない。


イングランドは現在も、クリスマス前から続いている三回目のロックダウンが徐々に解除されている最中である。

6月21日に屋内のレストランや、劇場、大規模のコンサートなどの営業再開をゴールと定め、逆算的に3月から徐々に解除が始まった。


来週4月12日は、いよいよ4月のマイルストーンである、不要不急の商店、ジム、美容室の営業、飲み屋やレストランなどの屋外営業が許可される運びとなった。

月毎のマイルストーンに達するための評価基準には4つのチェックポイントがあり(ワクチン接種の進み方や感染者数など)、それがクリアできれば「解除」となるのだ。

英国の人口は6600万人ほどで、昨日の数字では3200万人近い人がワクチン摂取を受け(大人の6割以上)、感染者数はピーク時よりも6割減り、入院数は8割減り、週間平均の毎日の死者も47人(1300人から)に減っている。

つまり、4月12日のマイルストーン、達成。予定通り一部のロックダウンが解除される。


去年は、経済とがっちり手を繋いだ首相のボリス・ジョンソンが、「ロックダウンに入るタイミングは常に遅すぎ、解除をするタイミングは常に早すぎる」と批判されたのだったが、何度かのひどい失敗を経て、新型コロナパンデミックを克服するためには、経済が死ぬのではという心配よりも、とにかくまず感染者数を減らさなければ永遠に経済も厚生もグダグダの中途半端の終わらない泥沼と化す、と学んだのだろう。最近は科学に基づいた判断を下すようになった(と少なくとも毎回会見を欠かさず見ている方には見える)。


次の5月のマイルストーンは、美術館やギャラリーなどの営業、そして人々が待ちに待った海外旅行が許可されるかもしれないというので、昨日のニュースにも明るさがあった。


来週からはイングランドでは、誰でも週2回無料で新型コロナウイルス検査(LFTS検査で精度は低い)ができるようになる。

薬局、テストサイト、オーダーして自宅でも受けられるのは有難い。今まで検査は症状のある人以外には有料で、しかも比較的高価だった。
この検査で感染者を炙り出し、隔離し、ワクチンのさらなる接種とともに、5月17日によい結果で解除をする狙い。

というのは、来週4月12日には、飲み屋の屋外席、一般商店などが営業を始めるため、しかも気候はどんどんよくなっているので、繁華街だけでなく、ビーチや公園にも人々は押し寄せるであろう...
また、ワクチン摂取を済ませたのは大人の6割で、4割の18歳以上の大人は重症化しにくいとはいえ、感染者はまた増えそう...


ワクチン・パスポートに関しては、4月中旬からテストパイロット版が出る予定!
英国では、パスポートという名称を使わず、’Covid Status Sartification’の類になるとか。
こちらには免疫、ワクチン摂取の有無、検査の結果が記載される。


また、5月17日に海外旅行が許可されれば、旅先は青、黄、赤の信号システムに分類される。
例えば青信号の国は、ワクチン接種が進んでいるアメリカやイスラエルなどがこのカテゴリーに入る予定だそうで、青信号の国から英国に帰国する場合は検査後、隔離は必要でなくなる。

黄色信号の国から帰国した場合は、検査と10日間の自宅での隔離が必要になるが、5日目の検査で陰性なら隔離は終了。
赤信号の国からは、英国籍か在住者のみ帰国が可能で、一定期間、自己負担で政府の管理する宿泊施設で隔離される。

などなど。


今度こそは、と期待している。
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