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「建築は凍れる音楽」@ワルシャワ












クラシック音楽が大好き、そして建築も好きだ。

ご覧のように、ワルシャワには欧州のどこででも見られる様々な建築様式がある。

驚いたことにこの美しい街並みは、第二次世界大戦火で破壊された「煉瓦のヒビに至るまで」を復元した結果なのだそうである。周辺の大国に虐げられた歴史がポーランド人の性格を形成したと言う人もいる。なるほど。


さらに西側では見られないスターリン様式の建築物*を見るのは楽しみの一つだった。

スターリン様式の建築物は、有名な文化科学宮殿(写真左一番上)を含め、スターリン主義への痛烈な批判から、取り壊し計画に晒されたり、国民から「無視」「敵視」されているようだが、負の遺産、強烈な思想の具現化として絶対に残すべきだと思う。


*スターリン様式とは...1933年(ソビエト宮殿の最終デザインが固まった年)から、1955年(ソビエト建築アカデミーが廃止された年)までの間に建てられた建築物。

社会主義リアリズム、つまり社会主義を称揚し、革命国家が勝利に向かって進展している様子を描く。人民を思想的にまとめ、革命意識を持たせるべく啓蒙する表現のひとつである。社会主義の発展と革命の達成を摩天楼で表現し、労働者を鼓舞することを狙った。スターリンは、ニューヨークの摩天楼に対抗して、モスクワに超高層ビル群を建設し、モスクワの風景をマンハッタンのようにするつもりだったらしい。
スターリン時代のソ連の他の芸術分野同様、建築も「共産主義を理想的な社会秩序として賛美する」ために貢献するよう位置づけられた(以上、ウィキペディアから勝手にまとめた)。



写真は上グループの写真から、左上から時計回りに
文化科学宮殿:スターリン・ゴシック様式、ポーランド・バロック様式の装飾
王宮を含むワルシャワの旧市街:王宮はマニエリスム的ポーランド初期ゴシック様式
オペラ座(ワルシャワ大劇場):ポーランド・ネオクラシカル様式の代表的建築物 
聖アンナ教会内部:バロック様式、外観はネオクラシカル様式

下グループ写真は左上から時計回りに
聖カシミロ教会:パッラーディオ様式
中央マーケット広場:17世紀まではゴシック、のち後期ルネサンス、最終的に18世紀の後期バロック
文化科学宮殿のニッチに立つ労働者(マルクス、エンゲルス、レーニンと彫られた書物を持ち、聖人のように表現されていることに注目)
インテリアが素敵なホテル・ブリストル内:オットー・ワーグナー(ウイーン分離派)のアールヌーボー。オットー・ワーグナー大好き。
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