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スペイン式宮廷馬術学校




ウィーンの中心、ホーフブルグ宮殿内の一番人気といえばこちらだろうか(他の人気はおそらく薄幸の王妃シシィ博物館)。

スペイン式宮廷馬術学校の白馬のペイジェント。

もし、もしも、今後オーストリアがオリンピック開催国になったら、開会式の目玉は絶対にこれじゃないかと思う。
ウィーン・フィルの奏でるワルツとともに。


わたしが子供のころ、宝塚にはファミリー・ランドという遊園地があり、こちらの『宝塚大人形館・世界はひとつ』が大好きだった。
いわゆるディズニー・ランドの『イッツ・ア・スモールワールド』の宝塚歌劇版で、世界の文化文明を音楽とダンスで紹介する人形劇、水上ボートで行くアトラクション。

「歌と踊りの七つの海」「世界旅行」に限りない夢と憧れを抱いていたモエ少女は、この19世紀ロマンティシズム的なアトラクションが大好きだったのだ。


去年の東京オリンピックの開閉式典におけるショウも、いちいち説明が必要な内容よりも、時代祭の行列とか、流鏑馬(やぶさめ)などの絵巻物風がいいんじゃないのか? 大衆は、日本といえばやっぱりこれか! という、誰でも知っている分かりやすい『イッツ・ア・スモールワールド』を見たいのではないのか? と思ったのである...

と、話がズレズレになってきたので軌道修正する。




ウィーンで「スペイン式宮廷馬術」を伝承し育成するスペイン乗馬学校も、新型コロナ禍でずっと閉鎖されていたらしく、先月1月にウィーンを訪れた時はまだスケジュールが定まっていなかった。
裏手にある馬小屋には、白馬のかわいらしい頭が見えたが。

先週のウィーンでは朝練のチケットが取れたので、久しぶりにこの優雅なショウを見学した。

主役はリピッツァナー種という白馬である。
16世紀にハプスブルグのマクシミリアン2世がアンダルシア馬を持ち込み、オーストリアで品種改良によって生み出された種。

「身体面では柔軟性と頑丈さを兼ね備えた馬体、精神面では忍耐強さと優れた感受性、穏やかな性格に特徴がある。物覚えが早いため馬術競技に向いており、乗馬から馬場馬術まで広い範囲で強さを示している」(Wikipediaより)

生後は黒焦茶から濃いグレーの毛をしており、6歳から10歳の間に白色に近づいていく。成馬は白。

朝練のショウは白色の成馬の部と、訓練中の若馬(白にグレーの斑を残している子が多数)の二構成で、まだ観客や物音に動じやすいという若馬の初々しくもかわいらしいことよ。
一方、馬が気の毒、負担はないのかなどと思ったりもする。あらゆる面で大切にされているそうだが。

2008年以来、女性やオーストリア国籍以外でも騎手になれると法律が改定されたそう。
白馬に乗った王子様よりも、リボンの騎士、いやオスカルのような二人の女性騎士が麗しくて眼福であった。

そういや、次のオリンピック開催国フランス、馬術はヴェルサイユ宮殿で開催されるそうですよ。やってくれますね!!


ショーの間は撮影が許可されていないため、上の写真は開始前のもの。




こちらはホーフブルグ前で客待ちをする馬車。




夕暮れの街を行く。

左手奥に見えるのはフランダース・ゴシック様式の塔を持つウィーン市庁舎。
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