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水族館へ行こう




やわらかく動く水に囲まれ、水を通過してぼうっと射す光を皮膚で感じ、音もなく泳ぐ魚を目で追っていると、自分自身が水の中に落ちたハンカチーフか絵の具の一滴になって広がっていくような気がしてくる。


というわけで、水族館が好きだ。
このところ生活日常語として完全に定着した感のある言葉で表すと「癒される」というわけである。


大阪では海遊館、神戸では須磨水族館。

ワタクシが子どもの頃、通いに通った須磨水族館では、現在のようにグラスの水槽ではなく、タイル系の素材を使った巨大浴槽のようなタイプの水槽が主だった。
フロのような形状であるから、観客は自然と上から覗き込む姿勢をとったのだが、ぬめぬめした水槽の中に落下したら2度と人間界に戻れないような不安感をあおり、光のあて方などが稚拙であったことも加わって、建物全体の醸し出すおどろおどろしさのハーモニーに心を躍らせたものである。


旅先でも水族館があれば必ず訪れる。南アフリカでもイスラエルでもカリブ海でも...特に頻繁に一人旅をしていた頃は、孤独感をさらに味わうために行っていたような。


ブルージュから一番近いのは、大変地味臭い(しかし入場料だけは地味ではない)Sea Life。北海沿いのブランケンブルグという街にある。娘の休暇中の暇つぶしにすらならないほどの小さな水族館。

この水族館では、なぜか孤独感に襲われることもないし、かといって華やかさの微塵もないしでおすすめはしないが(笑)。






水族館の片隅でひっそり生きる...

コウイウモノニワタシハナリタイ



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