MASTER PIECE

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クリスチーネ・F

2013年04月19日 22時56分53秒 | 映画



1981年の西ドイツ作品。

すべての映画は青春映画だと思います。
主人公は問題を抱える、問題に立ち向かっていく、そんでもって悩む・・・
そう思って観るとすべての作品は愛おしく思えませんか(笑)

このクリスチーネさんの実話を元にしたこの作品も青春映画ですね。

西ドイツに母親と暮らす14歳のクリスチーネはちょっとした好奇心からドラッグ、窃盗、売春に染まっていく・・・

ヘロインを車の中でやっている友達に対して。
クリスチーネ「私は嗅いでみる」
友達「考え直せよ・・・」
クリスチーネ「これ一度きりよ」
友達「みんなそう言う」
クリスチーネ「コントロールできるわ・・・」

常識的に考えてコントロールなんて出来ないから・・・ やっぱり無理です。

これからのクリスチーネの堕ちっぷりが酷いです。
クスリをやりたいが為に金が要る→売春→もっと廃人に・・・

きっかけはボーイフレンドへのちょっとした反発だったのですが。
思春期のローティーン女子の不安や悩み、ちょっと冒険してみたいお年頃・・・がよく描かれていて
悲惨な話なのですが、青春映画の特色もよく出ていて思ったよりも良くできた作品でした。


ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム

2013年04月14日 00時14分09秒 | 音楽



20代前半にディランにハマってCD30枚ほど持っていた。
結局、聴かないのも多数あって現在は厳選に厳選を重ね、8枚です(笑)

その中でもお気に入りなのが【追憶のハイウェイ61】とこの作品。

久々に聴き直してみましたけど・・・やっぱりいいです、ディラン。

【サブタレニアン・ホームシック・ブルース】のぶっ飛んだ一曲目から
【ラブ・マイナス・ゼロ/ノーリミット】の優しい歌い方。
代表曲の【ミスター・タンブリンマン】と哀愁のある【ゲーツ・オブ・エデン】
7分30秒の【イッツ・オールライト・マ】は意味不明な言葉遊びがセンス良くて好きです。
ラストはしっとりとバラードの【イッツ・オール・オーバー・ナウ・ベイビー・ブルー】も好きだな。

最近のはまったく聴いたことが無いのでよく知りませんが
この頃のディランは不良でファッションセンスが良くて
誰にも媚びない姿勢がアーティストとしてカリスマ性があって・・・
こと音楽に関しては、有り余る音楽の才能で有無を言わさず、ねじ伏せている感が凄く出ていて(笑)

この作品だけでも聴く価値あると思います。

うだうだ書きましたが・・・やっぱり素晴らしいです、ディラン。


バッファロー’66

2013年04月11日 01時37分42秒 | 映画



結構、巷では評価の高いこの作品、初めて観ました。
しかもネット動画、ニコ動ってなんでもあるのね・・・

刑務所を出所して主人公のビリーがトイレを探すシーンから始まる。
この主人公はかなり律儀です、男なら(ましてや刑務所に入っていた人間としては)
どこでもしていいんだろうけど、立ちションも出来ない小心者・・・けっこう笑えます。

勢いでレイラを拉致、誘拐するシーンでも自分は運転できない・・・なんだそれ(笑)
見栄とプライドだけは高くて女にはいつも命令口調で自分の得意なボーリングには絶対の自信を持っている。

まぁ~なんとも言えない情けないキャラです・・・面白い(笑)

ゲスト出演でミッキー・ロークは益々悪人キャラになっていて
ビンセント・バン・パタンは、いい具合に渋いキャラになっていたのは映画ファンとして結構嬉しいものがあります。

ボーリング場でクリスティーナ・リッチが踊っていた時の音楽が「キング・クリムゾン」の「ムーン・チャイルド」で
ストリップ劇場でのシーンでは「イエス」なんて使い方が凄く斬新です(驚愕)

ヴィンセント・ギャロはプログレッシブ・ロックファンなのか?

どこか「俺たちに明日はない」や「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の現代版みたいな印象ですが。
決定的に違うところは主人公のかっこ悪さ・・・(笑)

まぁラブ・ストーリーには違いないのだろうけど、かっこ悪さしか目立たない主人公には
私的にはストレートで感情移入出来ました。

レイジング・ブル

2013年04月07日 23時00分36秒 | 映画



デ・ニーロの主演作では【タクシードライバー】よりこっちの作品が好きです。

スポーツ根性ものはあまり趣味ではありません・・・
主人公が努力してがんばって、勝利するって、素直に感動するしいい作品だと思いますが
でも勝利者になれなかった99%の人間にもそれぞれ人間ドラマがあって、っていう描き方もありなんじゃないかと・・・

【怒れる闘牛】と言われた元ミドル級チャンピオンのジェイク・ラモッタの栄光から転落の半生を描いたこの作品。
スタローンの【ロッキー】とは違った視点の素晴らしい作品だと思う。

デ・ニーロは主人公のジェイクを自信家、強情、不器用な男として演じきっているのが
観る者に強烈な印象を与える・・・偉大なる役者馬鹿って言葉がよく似合います(笑)
弟役のジョー・ペシも素晴らしい演技でこの作品に非常にマッチしていると思う。

こんなにも主人公が落ちぶれ人生まっしぐらなのに、ラストに救われた気持ちになるのは
どういう監督の意図か分かりませんが、新約聖書ヨハネによる福音書のくだり・・・

「I was Blind. But now I can see.」←合っているか分かりませんけど(笑)

この言葉で締めているのでとても印象深い作品になったと思う。

マーティン・スコセッシは好きな監督なので主人公にとても感情移入出来る作品でした。