面白くともなんともない告白だが
中2の冬休み前に出会った初めてのプログレッシブ・ロックなるジャンルのアルバム
【クリムゾン・キングの宮殿】
いわずと知れた【キング・クリムゾン】のデビュー作品です・・・
ちょっとほろ苦い思い出があります・・・
事の始まりはこうです
家で夜の10時から【サントリー・サウンドマーケット】なるFM番組をラジカセで録音中に
聞こえてきた【風に語りて】のメロディ・・・
この曲を気に入った私は録音テープを初代ウォークマンに入れて外に遊びに行く時でも
ヘヴィーローテーションで聴き入っていた
冬休みに入ったクリスマスイブの昼に
近所に住んでいた洋楽好きの友達の家に行っては同じく録音した洋楽の話題ではしゃいでいた
すると友達の家の電話が鳴り、友達が出てみると同じクラスの女子からだった
「今、家に誰も居ないんで遊びに来てよー」
そう、彼はもてるのだ・・・ちょっと不良っぽくてクラスの人気者
私といえば洋楽や映画にしか興味がない初期オタク星人・・・(そんなことはさておいて)
家から歩いて15分ぐらいの所にある女子の家
家の中には電話してきた彼女ともう一人同じクラスの女子が居た
彼女たちは未成年にも関わらず、シャンパンだのワインだの飲んでいて
かなり上機嫌の様子だった
友達は近くの自販機でタバコを買ってくるといって出て行った・・・
取り残された私は、女子の勧めてくるワインに少し口をつけたが
友達が帰ってくるまで、この【風に語りて】を聴く事に徹していた
すると家の女子が「ねぇA君ってクラスの誰がすきなのぉー」って聞いてきたので
「えっ、知らないよ、そんなの自分で聞けよ、」
「んっもぉーせっかくのイブなのにもっと楽しくしてよぉー」
いろんな攻撃的質問に自爆寸前だった時に友達が帰ってきた
その時は普通に盛り上がったと思う・・・(多分そうだろう)
夕暮れになりもう帰ろうと友達が言ったので
女の子達は
「じゃあ家まで送っていくから・・・」←普通は逆ですよね、やっぱり中学生といえども女子の方が精神年齢が上・・・
男女4人で帰り道を歩いていた時に
自転車を押しながらもう一人のクラスの女子が
「あたし、中学入った時からK君の事が好きだったんだよねぇー」
「えっ・・・そうなの・・・好きだった?過去形・・・」
「うん、でも、今は好きな人が居るから・・・」←まったく迷惑な告白
私はウォークマンのスイッチを押して【風に語りて】を聴きだした
その時に九州では滅多に降らない雪がちらほらと舞っていた・・・
私の目の前には幻想的な雪の風景と
耳から聞こえる【風に語りて】の不思議なメロディが妙にマッチして
なんとも表現の仕様の無い複雑な気持ちで心が一杯になりました・・・
あぁっ、私も出来ることなら、風に語りたい・・・。