MASTER PIECE

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クロッシング

2012年02月20日 17時42分10秒 | 映画





去年の暮れから観てきた韓国映画DVDもこれで10作品目。

残すはソン・ガンホの【渇き】のみとなりました・・・

観た感想ですが・・・

日本人の感覚としては脱北という言葉は知っていても
脱日という言葉は使わない、日本から逃げ出すのは海外旅行での出国というニュアンスだろう。

韓国作品としての北朝鮮のイメージ、感じ方、現状は如何なるものか?
もしもこれがちゃんとリサーチをした北朝鮮の実態だとしたら、とても人間の尊厳を守る政治や社会じゃない・・・

主人公たちは北朝鮮の3人家族で、母親が病気になり、父親が中国に密入国(病気の薬を手に入れる為)
父親がその後、韓国に亡命し裏ルートで薬を贈るが、既に妻は死亡。残された子供は父親に会いに国境を超えようとする・・・

うん、珍しくエロもグロも無い韓国作品でしたが。
もう切なくて切なくて涙が止まりません・・・・・・号泣でした。

上の写真の少年の演技が泣かせる・・・もう駄目でした、ずーっと健気な子供なんだもの・・・

誰一人、誰一人ですよ、まったくもって救われない話でした・・・そりゃ号泣ぐらいしますって・・・大人でもね。







トンデモ一行知識の逆襲

2012年02月16日 22時49分14秒 | 書籍



東京の古本屋で買ってきた本です。

柿(かき)は9画 柿(こけら)は8画

ゴリラの学名はゴリラ・ゴリラでローランド・ゴリラの学名はゴリラ・ゴリラ・ゴリラ。
(ネーミングの付け方が無駄っていうか凄いセンスだなぁー・・・)

この知識を知っただけでもこの本を購入した価値がありました・・・

悪魔を見た

2012年02月13日 20時54分12秒 | 映画



一人の女性を殺害した男と女性の婚約者の復讐劇。

韓国諜報員と犯人のサスペンス物は今まで観てきた韓国作品のよくあるパターンなのですが
いやぁー濃かったです、この作品。
まぁ細かいツッコミは色々有りましたが、この際大目にみてあげることにしよう・・・映画なので(笑)

題名の【悪魔を見た】っていうのはイ・ビョンホン演じる主人公の自分の中に悪魔を見たんだろうね。
だって諜報員って言ってもやっていることは犯罪だし、殺人鬼そのままなんだもの・・・

しかしイ・ビョンホンの冷酷さよりも、チェ・ミンシクの怪演が面白い・・・
この人は【オールド・ボーイ】で舌切って【親切なクムジャさん】では惨殺されて
この作品でも徹底的に痛めつけられる・・・うん、凄い役者さんです。

偶然かもしれないがやっぱりこの韓国作品でも女優さんがお尻を出すシーンがあるが
お約束なのか・・・とっても不思議です。

やっぱり韓国作品はテンポがよくて面白いですね。





コインロッカー・ベイビーズ

2012年02月08日 12時46分25秒 | 書籍



この小説は20代半ばに読んだ。

有名な小説って事は知っていました、何故ならどこの本屋に行っても常に置いてあるスタンダードな小説だから。

最初読んだ時は衝撃的なストーリーと、鮮烈なイメージの表現に一気に読んだ記憶がある。
この小説から村上龍の小説を色々読破したがこれを超える作品は今だ無い・・・

キクとハシの成長記。
私は前半の少年期の炭鉱廃墟のシーンが好きです。
この炭鉱廃墟のイメージは、私が炭鉱で栄えた地方の出身なので特別印象深いシーンです。

全体に漂う破壊と再生のイメージ、好き嫌いが分かれるが村上龍の作品っていったらコレです。

映画化の話もあるようですが、敢えて観たくない・・・多分小説のイメージを超えられないと思うから・・・

砂の女

2012年02月05日 02時11分57秒 | 書籍



【砂の女】を初めて読んだ。
安部公房は知っていたが、今回初めて読んでみました。

1962年の作品なのでもう50年ほど前の作品を今更の気がするが・・・
結果読んでみて正解でした、凄く面白い、面白いを通り越して驚愕の作品でした。

シュールという言葉は全く似合わない、日本風に不条理な世界と最初は思ったけど。
その不条理さが段々と実存的な世界観に変わるラストは思わず「おぉー凄い!!」と唸ってしまったほどです。
男の世界観と女の世界観、物の感じ方の違いが段々と近づいて価値観が同じになる・・・うん素晴らしい落とし方。

これだけの小説を書けるなら本当に小説家冥利に尽きると思う。

私だったらこんな小説が書けるなら悪魔に魂を売り渡してもいい。

いやぁー安部公房の作品、もっと読みたいです。