MASTER PIECE

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マグノリア

2015年04月23日 18時22分22秒 | 映画



先入観なしで観終わった後にネットのレビューを見ましたが。
大傑作!!という意見と意味不明!!という意見が半々・・・(笑)

私の意見としては上手すぎる演出と巧みなストーリーテリング。群像劇としては完璧です(笑)

登場人物たちは一見幸せそうだが、自分の過去や原罪っていうかみんな苦しんでいる。。。
本当の自分と対峙し、さらけ出して理解され愛されたいと思っている。

アメリカ映画っていうのは旧約聖書や新約聖書のエッセンスを完全には排除できないらしい。
逆に完全に排除した作品などは観たことが無い・・・どこかしらにキリスト教やユダヤ教のカラーが入っている。

ご他聞に漏れず、この作品もそういうことなのです。。。っていうかそのものズバリなテーマ。
よく調べてみると旧約聖書「出エジプト記8章2節」のエピソードがテーマって事らしい・・・
(内容はそれぞれで調べてください)

賛否両論っていうのはラストの「アレ」のことでしょうね・・・多分(笑)

人生なにが起こるか分からない。。。心地よいカタルシスを感じる作品でした。

ふがいない僕は空を見た

2015年04月22日 20時12分27秒 | 映画



久しぶりにDVD鑑賞。
映画の冒頭からコスプレで高校生と主婦のSEXシーンなので、かなりアブノーマルな作品かと思ったら。
なかなかどうして、泣きのポイントを外さないよく出来た作品でした。

主人公の一人でコスプレ好きな不妊症の主婦を演じた田畑智子の熱演が凄いです・・・
眼力が強くて目の表情だけで彼女の心情がよく分かる。
また悲しみを表現する時の目の表情に観ているほうも感情移入してしまいますので
彼女を観ているだけでかなり切なさが伝わります・・・(笑)

時間軸や登場人物の描写が分かれているので、いったい誰の話なの?っていう疑問も湧きますが
それぞれが泣けるエピソードっていうのがあるので、映像としては上手くいった方だと思います。
(小説版も読んでみたいが、あんまりエピソードが多いと理解できないかも・・・)

題名の「ふがいない僕は空を見た」なので、ところどころに空のシーンが映りますが
最初は空だけのシーンから段々と電柱が映るようになってきます。
なにも無い空のシーンから電線がつながっている電柱のシーンが現れるってのは
人と人とのコミュニケーションの大切さや、人と人は知らないところでもつながっているっていうメッセージなのかな?

高校生の実家での出産シーンも人の助けがあってこその命の誕生なわけでして・・・
不妊症の主婦も一人で生き悩んでいたが、アメリカでの代理出産に賭けた未来。

正直いうと一般的には受けない作品ですが、映画好きにはたまらない傑作だと思います。
とにもかくにも泣き所満載な良質な映画作品でした。

レキシントンの幽霊

2015年04月19日 20時40分30秒 | 書籍



もうどれだけ読んだか村上春樹。。。。
でも、やっと村上春樹の小説ってのはどういうものであるのかがやっと分かった気がする・・・

1999年に第1刷の作品集「レキシントンの幽霊」を読んでみました。
前回読んだ「東京奇譚集」もそうでしたが、かなりひねったミステリーな話の数々。

村上春樹の何が?分かったかというと、ミステリーなのは物語自体の異様さではなく、物語の主人公たちの心の闇っていうか
独特な感情表現がミステリーだということです(笑)
主人公の孤独感とか喪失感が春樹流の表現で書かれてあるのが、読者にとってはたまらなく魅力的なのかも知れません・・・

「レキシントンの幽霊」
知人の家に一人留守番していて、夜中に幽霊のパーティーがリビングで開かれる・・・
直接見たわけではないのだが、理を詰めていくとそういう答えになるっていう話。
知人への優しさなのか主人公が内緒にするって内容ですね。
かなり現実的で、主人公は頭がいいと思います(笑)それはそうですよね、いたずらに知人を不安にさせないのが
やさしさだと思いますから。。。。

「緑色の獣」「沈黙」
これらはよく頭に入ってこなかった、かなりイメージしずらい話でしたので・・・感想はないです(笑)

「氷男」
面白いです・・・(笑)氷男が自然と世間に認識されているっていうところと
その氷男を好きになった彼女の結末ってのがかなり独特で不思議な気持ちになる・・・
結局は彼女も氷男の世界に取り込まれたって事かな?

「トニー滝谷」
名前に翻弄された男の数奇な半生・・・物語と音楽の要素(ジャズ)ってのは村上春樹らしいです。

「七番目の男」
非常に不思議で怖い話なのですが、見方を変えれば情緒的で友情も感じる話でした。
でも基本的に怖いです(笑)七番目に話す男の「世にも奇妙な話」。
やっぱりどうしても東北地震の津波の光景を思い出してしまう・・・

「めくらやなぎと、眠る女」
これは以前読みました、その他の短編集に入っていたやつですね。


次は何を読もうかな・・・。

告白

2015年04月08日 00時18分18秒 | 映画



2010年の日本アカデミー最優秀作品賞受賞の本作品を観て見ました。

衝撃的と言えば衝撃的で、最優秀作品賞を獲るって事が異質っていうか・・・
正直に言えば、本家アカデミー賞で「羊たちの沈黙」が最優秀作品賞を獲った時みたいな意外な感じ。。。

森口先生の突然の「告白」で始まる復讐劇なのだけれど、もうどう考えてもこの時の森口先生は正常な精神状態ではない・・・
少年法で守られているから私が独自に罰を与えるって事でしょうか。しかも自分では直接に手を下さないで精神的に追い詰めるってのは
もう教師としては失格です(笑)気持ちは分からなくもないが、何かを学び教える立場としてはアウトな人間・・って思っていたら。

最後に人間として、教師として更生の道を示すってのは予想外な展開。。。。

でもね、命の大切さを教えるっていうやり方がなんとも意味深で腑に落ちないラストはどうなんでしょう・・・?

どこまでが現実で、どこまでが虚言なのでしょうか?
これは子供も大人も嘘の世界を作り上げて、自分の都合のいい世界の中で生きている物語だと思う。
だからとても醜い世界を表現しているので、観た人にあなたはどうですか?って言う問いかける作品なのかな。

エンターテインメントではあるけれど、かない暗くて鬱になりそうな作品でした(笑)

4月の憂鬱

2015年04月01日 18時40分35秒 | その他

4月はとても悲しい季節だ。。。
なぜだか分からないが凄く悲しい気持ちになる・・・

今日、ツェッペリンの4枚目を通して聴いた。。。。私が洋楽にのめり込む切っ掛けになったアルバムだ。
いままで何千回と聴いた作品なのにとっても新鮮に聞こえる。。。

人生において「変わらないもの」など在るのだろうか?
人の気持ちも、風景も、時間とともに変わってしまう。。。。
多分、将来の事なんて考えても仕方がない・・・
多分、現在を大事に大切に生きる事しか私には出来ないと思う。

そんな事を考えながら聴いた4枚目は泣いてしまいそうなほどに素晴らしく聞こえた。。。
(いや、ちょっと泣いた・・・)



山頂にたどり着いた時、賢者はいったい何を語ってくれるのだろうか。。。。