MASTER PIECE

映画 音楽 書籍 etc

おぞましい二人

2012年10月27日 22時48分49秒 | 書籍



最近は大型書店などに行くと入口に書籍検索機?がありますよね。

ジャンル検索、書籍名検索、著者名検索・・・など。

それで著者名をエドワード・ゴーリーと入力。
何冊か書籍名が出てきて、右側に在庫の有無が表示される。
2Fの47本棚のBの場所です・・・なんてとても便利になったんだろうか、凄いです(笑)

そして向かった47本棚は絵本や児童文庫のコーナー。

やっぱりこのエドワード・ゴーリーの【おぞましい二人】は絵本なんですね、当たり前ですけど・・・


絵本なので文字も少なく10分もかからずに読んでしまう作品です。

でも内容が非常に大人向け、それもブラックで強烈な内容。

「自己啓発協会主催の、十進法の害悪をめぐる講演会で二人は出会い、たがいに似た者同士であることを一目で悟った。」
「地元の映画館が犯罪映画を上映すると、二人でかならず観にいった。」
「一晩の大半を、二人はさまざまなやり方で子供を殺すことに費やした。」

書いてあることは多分、子供には理解できないです(笑)それに喜ばないと思う。


世界にはこういう変わった絵本があるんですねぇ~。

大人の感覚としてはもっと読んでみたいです。

風の歌を聴け

2012年10月24日 02時43分08秒 | 書籍



村上春樹のデビュー作品を初めて読んだ。

まず思ったのが、村上龍よりはるかに読みやすい・・・
(多分、改行や文章のまとめ方なんだろう)

こちらも本文153ページ足らずの中編小説で主人公は一人称の【僕】として書かれている。
読んだ感想としては村上春樹本人の自伝的な小説のようですね。

主要な登場人物は【僕】と【4本指の彼女】と【鼠】と【ジェイズ・バーの女主人】
登場人物が少ないのは物語が頭の中で整理がとてもしやすいです・・・(笑)

特別ドラマチックな展開が起こるわけでも、悲劇が起こるわけでもないが
【僕】が1970年の夏に体験した思い出の情景がとても印象深く、初めて読んでとても新鮮でした・・・
その辺の文章力が村上春樹が支持される理由なんだと思いましたね。

そういえば自殺した3番目の彼女の理由はなんだろうか?
4本指の彼女の行方は?

物語にはその辺が描かれていないので重くはならないのだけど
一人称の語り部である【僕】は深く追求することも後悔も悲しみも特にはなさそうです・・・
あくまでも乾いた感情でクールな表現・・・

これが村上春樹の感性なんだろうね、読み終わった後の不思議な感覚はこれが理由だと思った。

しかし【僕】はビール飲み過ぎです(笑)

初めての村上春樹としては面白い作品でした。

次は【1973年のピンボール】に挑戦してみようと思う。



限りなく透明に近いブルー

2012年10月23日 03時05分43秒 | 書籍



村上龍の長編デビュー作品を初めて読んでみた。

本文152ページの本作品ですが まず感じたのは、【コインロッカー・ベイビーズ】もそうですが
村上龍という作家は 言葉からイメージする小説を書く作家だと思った。

文章で内容を理解すのではなく、言葉が持っている力(言霊)でイメージ、理解する。
ある時は鮮烈に、または暴力的に、時には感傷的に・・・

主人公リュウと恋人リリーと仲間たちの退廃的なライフスタイル、ドラッグとセックスと音楽の日々。

主人公リュウはいったいどうしたいんだろうか?
こんな生活から抜け出したいのか、その場の空気に流されているだけなのか?

なんとも空虚な作品でした、ある意味、青春の一ページを見事に切り取った作品です。

最後に綿矢りさが解説しているんですが
非常に分かりやすいんでビックリです(笑)流石、芥川賞の女流作家ですね。
本文読まなくても、この解説さえ読めば本文読んだ気になってしまう(笑)

次は村上春樹のデビュー作品をアップしようと思います。


ナインスゲート

2012年10月21日 23時06分32秒 | 映画



ロマン・ポランスキー x ジョニー・デップのサスペンスホラー。

悪魔を召喚する祈祷書【影の王国への九つの扉】を巡って起こるミステリーの数々。

実際問題、こうゆう召喚する書籍があればかなり怖い・・・
悪魔を召喚する人物は何が望みなんだろうか?
権力?永遠の命?それとも・・・

どっちにしてもいい結果にはならないと思うんだけど・・・
って思って観ていたらその通りになってしまう。
ストーリー的には裏切らないが、映画作品としてはインパクト薄いです(笑)

以前観たピーター・フォンダの【悪魔の追跡】はインパクトがあって怖かったです。
あれは悪魔自体が恐れの対象ではなくて、悪魔を信じている人間が怖かったんですねぇ~。

同じように悪魔教の信者がこの祈祷書を巡って主人公と争うわけですが
なぜか主人公は強運でピンチを切り抜ける・・・
そりゃそうです、だって主人公にはすでに・・・

うーん、こんなにまとも過ぎるジョニー・デップも久しぶりに観た(笑)
いい男がいい役過ぎるので逆にツマラナイ・・・

感情移入出来るのはギャップがあった方がいいです(笑)


ドッグヴィル

2012年10月19日 16時11分55秒 | 映画



ラース・フォン・トリアー監督作品を色々観てみましたが
やっぱりこの作品が一番好きです・・・

狭い空間なはずなのに圧迫感がない不思議な広がりの舞台。
そこには昼も夜も区別がつかない不思議な場所のイメージ。
ただ何処かの村での出来事だという事は分かる・・・

閉鎖的なアメリカの村に逃亡者として部外者のグレースがやってくる。
部外者が村に入ってきた事で村人の人間の本性が徐々に出てきて・・・

まぁこの世界観は正直ビックリしましたね(笑)

舞台って言っても必要最低限の家具や小物の舞台道具のみ。
村人の家も集会所も【壁】すらない
役者の演技はそこにあるような事前提のパントマイム。

ここで【壁】って重要なメタファーなんだと思います。
壁の役割っていったら、「空間を作る」「外部からの脅威を防ぐ」「プライバシーを守る」
この役割が元々無いって思っていたら違いました・・・
むしろ在るんですね、いや、壁は見えないだけでストーリーが進むにつれて出来てくるんです。
【村人と部外者との間に大きな壁が・・・】

これが分かった時には正直ゾッとしました(笑)

あとは【マンダレイ】観たいけど中々DVDが無くてねぇ・・・