MASTER PIECE

映画 音楽 書籍 etc

パンズ・ラビリンス

2015年11月30日 23時11分49秒 | 映画



映画ってある意味、夢物語っていうか、ファンタジーの要素が必要なのですが、リアル過ぎてもいけないし
ファンタジー過ぎても駄目みたいなところがあって、映画的表現のバランスは非常に大事な要素だと思う。

この作品は題名がファンタジー(ラビリンス)みたいな印象ですが、かなり現実的な物語でした・・・
スペイン内戦の時代に政府軍とレジスタンスの戦いの中で少女の不思議な冒険が始まる。

観た感想ですが、非常にどっちつかずで映画表現としてはかなり中途半端な印象

これは思い切って暗黒のスペイン歴史を表現したほうが良かったかも知れないし
内戦などのエピソードを取り除いて、少女の無垢な冒険心を描いたほうが良かったのかも・・・

二つの要素が入っているのでラストは残酷な終わり方にちょっと深遠な感じがして
「えっ、戦争の悲惨さが生んだ少女の夢想なのかも・・・」って思った。
結局は現実が残酷なので、逃げ場としては自分の世界の中しかないという悲しい現実。。。
まさにヨーロッパの作品らしいですね。

個人的には「・・・」ですね、面白いって言うか、ポスターのイメージとは真逆で残酷で暗い作品でした。

しずかなる生活

2015年11月20日 16時07分14秒 | その他

久しぶりに実家に帰った・・・

夜の8時頃、実家にて夕食をいただく、白ご飯と鯖の煮付け、いり卵とピーマンの炒め物、漬物と味噌汁、デザートにみかん一個。
別段、味付けを濃くしてあるわけでもないが、美味しくいただく。。。。

夜の9時にお風呂に入り、10時までテレビを観たら元、自分の部屋へ・・・

元、利用していた自分の部屋には何も無い。テレビもラジオも無い、もちろんDVDやCDもあるはず無い。
スマートフォンを持ってきたが、なぜかそこまでして情報を得ようとは思わなかった。
まだ夜の10時過ぎ・・・今頃はパソコンでネットサーフィンしている時間だけど・・・って思う。

なんにもすることが無いので本棚にあった昔の音楽雑誌を読み返してみる。
20年前の「ルーディーズ・クラブ」の「ピンク・フロイドでハイになる!!」なる特集記事の雑誌。

布団に入って雑誌の活字を追ってみる・・・
とにかく静かだ・・・静か過ぎる・・・喧騒が無いのもちょっと不安。
しばらくして庭で隣の家の猫の鳴き声がする。。。。

私がまだ14歳だったろうか、実家の庭に迷い猫が入ってきた。
成猫で何処かで飼われていたのだろうか、凄く人なれしている猫だった。
最初は追い返していたけど、餌を与えたら住み着くようになった。
そのうちに部屋の中にも入り込み結局は飼う事になってしまった・・・
茶トラのメス猫だったのだが、7年後に老衰で死んでしまった。。。

そうだな・・・この部屋で寝ているときに必ず布団の中に入ってきていびきをかいていた猫がいったっけ。。。
そんな事を思い出しながら雑誌のページをめくる手に力が入らなくなって、自然と眠りについてしまったようだ・・・
テレビやパソコンが無い生活というのは、いまさら考えられない。。。
でも、無ければ無いでなんとかなるものだ。。。

久しぶりに静かなる生活を体験した夜になった、とても貴重な体験だった・・・

イディオッツ

2015年11月10日 21時29分40秒 | 映画



デンマークの奇才、ラース・フォン・トリアー監督のなんとも説明がメッチャ難しい問題作(笑)

ドキュメンタリー風に役者が演技してるので、正直「あーもーどっちかにして!!!」ってなる。。。。
このモヤモヤした感覚って最近観た映画の中では久しぶりですね・・・

内容は障害者を装った健常者の集団(反社会的グループ)を描いているのだけれど。
それなりに彼らにも哲学があって、障害者に対する健常者の善意は逆説的に偽善である・・・(ちょっと飛躍しすぎている感じがする)

実際にこのグループに参加しているのは、絵画の教師だったり医者だったり、食品会社の社員だったりと
社会的には至極まともな人物達なわけで、突き詰めれば人間の悪の部分の追求だったりとかなり学問的。

最後は内部分裂、崩壊していくわけなんだけれど、集団生活において相手の感情を完全に無視できるわけも無く
それぞれの生活に戻っていく混沌としたラストに、なぜか悲しさだけを感じる。。。。(笑)

題名の「イディオッツ」=愚者って意味だそうです。

元祖大四畳半大物語

2015年11月04日 22時56分22秒 | 書籍



松本零士の四畳半シリーズですね。古本屋にて2巻で600円でした。。。

まぁストーリーは九州の田舎から出てきた19歳の主人公の足立と、下宿先の住人とのちょっぴりエッチな人情ドラマ。
正直、こういうシュチュエーションに憧れます。。。あと、古いけど「俺たちの旅」などのドラマ。

わたしもそこまで70年代に青春を過ごしたっ・・・って事は無いのですけど(笑)
60年代や70年代の音楽や文化、映画などが大好きなのでこのような70年代初めの青春群像に興味があるのかも。

ネットで調べると作者の松本零士の心情や境遇が反映されている作品みたいです。
そのようなバックボーンを考えると、同じ九州人としては、なんとも感慨深いですね。。。

この作品の内容は、貧乏でも楽しかった、人々の人情があった、苦しくても希望がある未来があった・・・って
まるで一本の映画になるような作品・・・って思ったら1980年に映画作品になっていました(笑)

古い漫画もたまに読むと面白いです。