MASTER PIECE

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イージー・ライダー

2016年11月30日 11時31分59秒 | 映画



DVDで久しぶりに映画鑑賞。

もう説明不要の有名なニューシネマ作品なのですが、ある事に気づいたのでその事を文章にしたいと思います。

まず、冒頭のメキシコでのコカインを仕入れるシーン、密輸の仕事をしてL・Aにてマフィアにコカイン渡して金を得るシーン。
その得た金でハーレーを購入し、ワイアットとビリーは砂漠のハイウェイにバイクを走らす・・・そして「ワイルドでいこう」の音楽。

ネットのレビューを読むと、たまに「このシーン必要?」ってありましたが、多分必要だと思います。
冒頭のシーンが「ワイアットとビリーは砂漠のハイウェイにバイクを走らす・・・」からの始まりでしたら説得力が無いのです
この麻薬取引のシーンで彼らが非合法のビジネスで儲けた金で旅に出る。。。

そうですよね、簡単に言ってしまえば二人は犯罪者、アウトローな若者。
アメリカの社会では必然的に排除されるべき存在なのです。
多分、軽い気持ちでコカインを密輸して金を手に入れたかったのでしょうが、コカインが蔓延して他の人に与える影響なんて
二人は考えていなかったでしょう、あくまでも自分本位な考え方。

そして旅の目的が、南部のニューオリンズで行われる「謝肉祭」を見に行くこと。
旅のスケジュールは漠然としていてワイアットのセリフでは「多分7日ほどで着くと思う」なんて言っている。
途中、ヒッピーのコミューンに行ったり、牢獄にぶち込まれたりのイベントやアクシデントが満載。
計画的ではなくて、あくまでもツーリングでの自由な旅をしながら行くのが目的、基本的には無計画(笑)

そしてニューオリンズの謝肉祭に行ったところからとても宗教的な感じになりますよね。
墓地でのLSD摂取、男女4人はLSDの幻覚で自分の深い意識まで呼び起こして
神に懺悔したり、今までの行いを悔い改めるような言動など。

そうですね、ここで初めて二人(特にワイアット)は自分がアウトローな犯罪者だと認識するのです。
多分、弁護士のハンセンが殺された事も頭にあったのでしょう、「彼は何も殺される理由なんて無いはずなのに」
次のシーンで野宿する二人。ビリーは言う「金も出来たしフロリダでのんびりと過ごそうぜ!!」
するとワイアットは視線を下に落として一言「無理だ!!」自分のこれからの運命を悟ったような言い方。

ラストは主人公たちは死ぬしかないのです。それは主人公たちが意識しているしていないに関わらず。
もしビリーが言ったようにラストはフロリダで楽しく人生を謳歌する二人を描いていたら
それこそ神はこの世に居ないんじゃないかと絶望的になる。人種差別とか自由を恐れる人間とかの理不尽な排他性が
二人を殺したようになっていますが、まずアウトローな存在としてコカインの密輸をしたり
保守的な人間には無い自由を持っている若者に描くことで、アウトローな存在は社会的に抹殺されるという非常に残酷な現実。
自由を守るためなら殺したり殺されたりする「アメリカ」の残酷な現実。
このあたりはベトナム戦争とか公民権運動とかの影響があるんでしょうね。

まぁこの残酷な現実がこの作品をアメリカン・ニューシネマの名作としているのは間違いないと思います。

ただ思ったことをつれづれと書いてみました。

天才スピヴェット

2016年11月29日 01時56分47秒 | 映画


ネット動画で観ました。

アメリカはモンタナの牧場で暮らすスピヴェット少年(10歳)のロードムービー。って書けば簡単だけど
不思議な余韻が残る作品。

まずもってアメリカでもド田舎のほうなんだろう。
生まれながらの天才的頭脳の持ち主なのにその頭脳を発揮できない環境は不幸でしかない(笑)
おねえさんは地味な生活に不満たらたらで、双子の弟はカウボーイに憧れて銃を撃ちまくるし
父親は教育に関しては放任主義で母親は研究に忙しい昆虫博士。
家族は誰もスピヴェットを理解していない状態・・・

そんな中、彼が考案した発明品がアメリカを代表する研究機関であるスミソニアン学術協会から
最も優れた発明に贈られるベアード賞受賞の知らせが届く。
彼は一人でワシントンD・Cへ旅をすることになるのだが。。。

いわゆる「スタンド・バイ・ミー」的な少年が旅を通じて大人に成長していくロード・ムービーですね、基本的には。
でも「スタンド・バイ・ミー」との大きな違いは、もうすでに誰よりも大人です(笑)

子供が大人の世界を学んでいくのではなくて、大人たちが天才スピヴェットから家族愛とかを学んでいく感じ・・・

この作品で度肝を抜かれるようなびっくりするシーンがあるのです・・・
主人公の少年(スピヴェット)が貨物列車の荷台にのって旅をするのですけど。
駅の保安員から逃げるために動いている列車の下に潜り込んで隠れるシーンがあって
動いている列車の下からレールの外に出るのです!! 画面を見る限りでは時速5Kmほどの速さなんですけど
観ているほうはかなり心臓に悪い!!。なにかの拍子でレールの外に出るのを失敗したら(つまづいたりしたら)
映画史上まれに見るお蔵入りの残酷映像になると思う。 本当に危ない、ましてや未成年にはやったらアウトなシーンでした。

このシーンがあったので実際は夢見るような素晴らしいファンタジックな作品なんだろうけど。
もうこのシーンが目に焼きついて他のことは忘れてしまった(笑)

ワセダ三畳青春記

2016年11月23日 23時00分41秒 | 書籍



ノンフィクション作家の高野秀行さんの青春記。
結果から言ってしまえば、私はこういう世界観や人情的な話が大好きなのです・・・
主人公、高野さんが1989年から2000年まで過ごした古アパート「野々村荘」での自伝的小説。

「三畳一間、家賃月1万2千円。ワセダのぼろアパート野々村荘に入居した私は
ケッタイ窮まる住人たちと、アイドル性豊かな大家のおばちゃんに翻弄される。
一方、私も探検部の仲間と幻覚植物の人体実験をしたり、三味線屋台でひと儲けを企んだり。
金と欲のバブル時代も、不況と失望の90年代にも気づかず
能天気な日々を過ごしたバカ者たちのおかしくて、ちょっと切ない青春物語」

いいですねぇ~、青春!!(笑)。

考えてみたら、1960年代や70年代の話ではなくて、90年代のバブル時代とその後の話。
その時代背景にはまったく影響されていないところがなにげに凄い・・・

しかし3畳の部屋っていうのはどういう感覚なのだろうか?
九州の田舎に住んでいても自分の部屋は狭く感じるのに、いざ住むとなると覚悟がいるんだろうね。

でもねぇ~憧れてしまいます。 そんな神田川みたいな懐古趣味的生活に(笑)。

東京一人旅 2016 冬(4)

2016年11月18日 20時01分16秒 | その他


次の日は国立西洋美術館へ。朝一で行ったら人も少なくて余裕で入れた。

  
(左)ルノワール 「ルーベンス作(神々の会議)の模写」
(右)ギュスターヴ・ドレ 「ラ・シエスタ スペインの思い出」

午後から神田神保町へ。
  

  
色々古書店を周りましたが、実際に書籍を購入したのが新刊を扱う三省堂書店って!!自分でもなにやってんだか。。。