MASTER PIECE

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1900年(やっと観た)

2012年08月24日 13時04分25秒 | 映画



【1900年】に関してはこれで3回目です・・・(どれだけ推すのか?)

本日観終わりました。

一言でいうと完璧な作品でした・・・

イタリアの歴史っていうか人間の普遍的な営みが描かれているのに感動。
息を呑むほどに美しい北イタリアの風景に感動。
ドラマチックな展開に感動。
アルフレードとオルモの友情に感動。

もう、販売元の紀伊国屋書店に感謝したいです(笑)

ふしぎな図書館

2012年08月22日 23時47分24秒 | 書籍



多分、村上春樹を初めて読むとなるとこの作品は番外編でしょうか?

小説っていうか、絵本でした・・・

読み始めて小一時間で読めてしまう。

正確には村上春樹の書籍は初めてではないんです・・・

以前【アフター・ダーク】を8割ほど読んで「あれっ、これって龍じゃなくて春樹じゃん・・・」っていう失態。

だから村上春樹を【意識】して読んだのはこれが初めてです(笑)


ストーリーの中に出てくる羊男も半透明な美女の存在も意味がよく分からない。

ラストも切ない終わり方で、これが村上春樹の感性なのかどうか良く分からない・・・

でも大人の読み物としては面白く読めました。

気分としては【エドワード・ゴーリー】の作品を読んでみたいですね。

恋の罪

2012年08月20日 21時08分28秒 | 映画



女性の性的開放がテーマって思って観てみたが・・・

正直怖い・・・特に冨樫真の豹変ぶり。

「クソババア早く死ねよ・・」
「あなたこそ早く死ねばいいのにねぇ~」
「なんならどっちも殺しましょうか?」←3人爆笑・・・

いやぁ~面白い演出です・・・凄すぎる!!!

主人公の女性3人は刑事、大学助教授、作家の主婦ってまぁ社会的には地位がある人間。

大学助教授の美津子ってお金が目的ではないところがキャラクターとして凄みを持つ。
セックスは金が介入して意味を持つってある意味真理ですねぇー
正直関わりたくないです(笑)

結局人間の二面性を描いていると思うんですが・・・

カフカの【城】って実体の無い城に振り回される主人公の話だと思うんですけど・・・
ファザーコンプレックスとカフカの【城】と二面性の話

結局、作家の主婦が魂を欲望のままに開放させて
美津子の意思を受け継いだって事か?

テーマは深くてエロくて哲学的で、うん、園子温監督すごいの作ったねぇ~

私的には十分楽しめました(笑)






桜の森の満開の下

2012年08月18日 12時18分53秒 | 書籍



最初に読んだ時は、これほど完璧な小説は今まで読んだことが無かった・・・
それほど情緒的で主人公の心情にのめり込める名作でした。

時代小説の形態をとってはいますが普遍的なテーマが根底に流れていて、まるで黒澤映画作品のようです。

鈴鹿の森に山賊が住んでいました。
怖いものが何も無い男でしたが桜の森だけは怖くて仕方がなかった・・・
【桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になります】
ある日、男は都から八人目の妻をさらって山に戻りますが・・・

うん、この小説は美しい=狂気のイメージを
日本人になじみの桜の木として描いていて、孤独とか空虚を感じます・・・
でも終わり方が幻想的で、美しい表現なので読み終わった時の満足度はかなり高いです(笑)

この小説から坂口安吾を何冊か読んだけど、ちょっと思想的過ぎて楽しめない・・・
安倍公房もそうだけど、有名作家といえども感銘を受ける作品はそうそうないと思う。
多分、一冊か二冊ぐらいかも・・・正直な感想です。

でもこの作品は超名作だと思います・・・

流星ワゴン

2012年08月14日 23時43分30秒 | 書籍



重松清の小説ではこれで2冊目です。

5年前に交通事故死した父子のワゴンに導かれて人生の帰路に立ち返る主人公の男・・・

こう書くとホラーみたいだが(笑)この親子(亡霊)が優し過ぎて泣けます・・・
重松清の文章や表現は悲しい現実の中にも、親子の絆や愛情を描いている。

まぁ~ファンタジーの部類なんでしょうね・・・

この作品の特徴としては主人公が過去に戻っても、どうすることも出来ずに後悔する現実を見せられること。
主人公の感情とたら、残酷極まりない・・・
しかし主人公の後悔とはもう既に過ぎ去ってしまった事実
「あの時に気がついていたら・・・」という再認識。

これって認識から始まる魂の再生物語なんですね。

たしかに過去は変えられない、変えられるとしたらこれからの未来しかない・・・
人生の帰路って気がつかない内にどれだけ過ぎていったかと考えると
どれだけ後悔せずに生きていくか?の問題になる。

うーん、この作品も奥が深くて重松清らしい小説でした(まだ2冊目なのに?)

たしかに人気がある作品には違いないと思った。

次は何を読もうかな・・・