ずっと観たくてやっと観れた作品です。
去年の12月に初DVD化されてやっと購入出来ました。
監督はカレン・シャフナザーロフです・・・一回で言えた貴方はかなりの映画通ですね(笑)
この作品はソビエト連邦時代の映画作品だという事。
その時代の世界情勢やソ連の歴史を考えれば、かなり興味深いというか抽象的で象徴的な内容なのですが。
そんなエピソードは作品を楽しむためには蛇足であり、他のレビューに詳しく書いてあるので省きます・・・
モスクワからとある田舎町の工場に出張でやってきた技師ヴァラーキン。
彼の行く先々で不条理な出来事が起こり、彼はこの田舎町から出れなくなってしまう・・・
不条理をテーマにした作品は色々観てきましたが、ここまで徹底したシュールな作品は珍しいです。
多分、これを超えるシュールな映画作品は無いと思う・・・
たとえばマーティン・スコセッシの「アフター・アワーズ」でさえ理解できるレベル。
なぜ、工場の秘書が裸なのか?
なぜ、レストランで自分の頭をかたどったケーキが出てくるのか?
そしてなぜ、そのケーキを食べないと作ったコックが自殺するのか?
実は自殺したコックがなぜ、ヴァラーキンの息子なのか?
町で初めてロックン・ロールを踊った人間が重要視されるのか?
すべての出来事は無意味なようで本当に意味があるのか・・・?
本当に面白い作品です(笑)
主人公ヴァラーキンはこの異常な出来事(人々)から逃れるために一人湖にボートを出して
人々と関わらない状態になるが、何一つ理解できてないという絶望的な主人公の表情でエンド・・・
まさにカルト映画の名にふさわしい傑作でした。