MASTER PIECE

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苦役列車

2012年04月29日 16時42分50秒 | 書籍



単行本を一気に読んでみました。

本の表紙は黒くて、内容がけして読んで清々しものではない事が想像出来る。
主人公「北町貫多」は著者の「西村賢太」のもじり・・・

内容は19歳の主人公が生きていくのにどうしようもない現実の葛藤と
もっと違う生き方を切望するジレンマが読み取れて、切ないけど面白いです。
間違いなく著者の実体験を書いた私小説だろう・・・

難しい表現や言い回しなどなく、19歳の時に体験した思い出がメインなので
スラスラと読めてしまう、また著者の独特な感情表現も嘘が無い気がして
非常に共感する事が出来ました・・・

芥川賞受賞の会見時の「風俗行こうと思っていた」とのリップサービスも面白いです・・・

全体的に切ない気持ちになる作品ですが
最後3行の文章は希望の表現で締めてあり、とても清々しい気持ちになりましたね。

将来的にもっと評価される文学の形であろうと思います。


ブリムストン&トリークル

2012年04月29日 01時36分22秒 | 映画



日本では劇場未公開の作品ですが、ポリス時代のスティング出演作品として
知る人ぞ知る傑作です。

私は初めてネットで注文して、手に入れたDVDです。

ストーリーはスティングの役(詐欺師)が偶然を装ってある家族に入り込み
その家の娘に悪戯するというもの・・・

はっきり言ってスティングは変な役です、詐欺師で変態(笑)
イギリス作品らしくダークで寓話的なストーリーですね。

これって音楽もスティングが担当しているので
ある意味スティングのミュージックビデオみたいになっていますが
作品のシナリオがしっかりしていて、スティング以外の役者がキャスティングされていても
結構印象深い作品になっていたのではないかと思う。

宗教的な冤罪と因果応報もテーマとなっているし
寓話的なファンタジーとして観ると、このストーリーはとても面白い。

うん、誰が考えたんだろうね、素晴らしい・・・

滅多に見かけないDVDですけど、見かけたら買う価値あると思います。









インランド・エンパイア

2012年04月25日 01時26分37秒 | 映画



この作品は悪夢のような映画では無いです・・・
悪夢自体を描いた映画ですね。
夢ですから脈絡もハッキリとしたストーリーも曖昧です。

デビッド・リンチの作品はどれも難解です・・・
【ブルー・ヴェルベット】も【ロスト・ハイウェイ】も悪夢の世界。
これは本当に訳分からなかった【マルホランド・ドライブ】は
デビッド・リンチも行き着く所まで行ってしまった・・・と思いましたが。

本作品はその上を行く作品でした・・・

リンチさん・・・どこまで自由勝手なんですか?

【内なる帝国】に迷い込んでしまったのは映画の中の主人公ではなくて
観ている貴方のほうでしたね・・・そういうオチですか?

自分のイメージや演出をこうも自由に出来るのは
映画監督として、とっても贅沢な事かもしれません・・・

一般的に受ける、受けないは別問題ですけど・・・



風の谷のナウシカ

2012年04月23日 00時45分58秒 | 映画



日本のアニメ映画作品の中でも極めて完成度が高い作品だと思う。
手元にDVD持っていないので記憶でしか思い出せないが・・・

テーマは自然との共存、環境破壊からの再生だったかな・・・
と、思ったら「アレ?・・・そんなテーマで感動したっけ?」と自問自答。

号泣したのは確かです、最後の方でシャーマンのばあさんが
「あぁ・・・あの子(ナウシカ)がオウムを止めた・・我々を救ったのじゃぁー」←こういうニュアンスのセリフ
そのセリフで抑えきれない気持ちから号泣しました・・・

このシーンはとても宗教色が強いシーンだと思います、自己犠牲の精神ですね・・・
そういえばナウシカの愛とはすべて外側に向けられた愛情。
自分のことは後回し、むしろ自己愛すら感じていないのかもしれないほど崇高で高い次元の愛情。
側近を安心させる為に腐敗の中でマスクを外して微笑むシーンにも自己犠牲と愛情を感じる。
村人への愛、オウムへの愛、自然への愛、はたまた敵さえも愛する事が出来るヒロイン。

これはマネできない・・・

多分人間は自分が一番可愛いと思っているでしょう、私もそう思います。
感じてはいるが絶対にマネできない崇高な愛。

この辺が作品の持つ宗教的メッセージに心揺さぶられてしまう作品となったと思います。

泣く感情にも色々あると思いますが、悲しくて泣ける、切なくて泣けるよりも
訳が解らなくても心の奥底から沸き上がる感情で泣ける稀有なアニメ作品だと思う。


オペラ座の夜

2012年04月22日 22時20分41秒 | 音楽



実は人生で初めて聴くクイーンのアルバムです。
名作だとは知っていましたけど、まったく聴く切っ掛けが無かった。
【ボヘミアン・ラプソディ】と【ユアー・マイ・ベスト・フレンド】しか知らない。

聴いてみた感想・・・

題名の如くオペラ座で上演される演劇のようにドラマチックな作品。
今回2011デジタルリマスター盤なのですがブライアン・メイのギターが凄くいい・・・
レッド・スペシャル炸裂の音でした。(実際に弾いているかは判りません)
この繊細な音とフィーリングはクイーンの世界観に無限の広がり感を出していると思う。

改めて【ボヘミアン・ラプソディ】を聴いてみると・・・やっぱり素晴らしいとしか言いようがないです。
歌詞の内容、曲構成、演奏テクニック、コーラスのアレンジは奇跡の楽曲。
初めて聴いたときは、「長くて色んな展開がある曲」ぐらいにしか思ってませんでした。
6分弱なんてあっとゆう間です、逆にこの時間で凝縮したセンスが凄い・・・

あとジャケットも今回じっくりと見て
エンブレムのQの上に乗っているのはカニかカエルかどっちでしょうか?
赤いのでカニだと思うのですが・・・