村上春樹の短編集。
全体的な印象としては流石と思える村上春樹の文体でしたが
なんとなく上手くまとまり過ぎている感じです・・・
また、独特の言い回しも多くて、ストレートではないちょっとひねった作品集っていったところかも?
そう考えると、前回読んだ「中国行きのスロウ・ボート」は荒削りでストレートで印象深い作品集でした。
「パン屋再襲撃」
夫婦で深夜にお腹が減ったのでマクドナルドを襲撃するって・・・(笑)
なぜ?そういう行為になったのかよく分からないが、「再襲撃」っていう事は前回のリベンジって事なのだろう・・・
なにかズレた感覚の雰囲気を楽しむストーリーでした。
「象の消滅」
凄いミステリーで物語の世界にどっぷりとはまってしまった・・・
印象としてはこの作品が一番面白かったです。
「ファミリーアフェア」
妹の結婚に兄としての心境の変化や結婚相手との微妙な距離感・・・
この作品を読んでいて、あるひとつの事柄を発見しました。
気になったのでネットで調べてみたら、なにを今更って感じでしたが(笑)
それはですね「
やれやれ」です(笑)
やれ やれ [1]
( 感 )
〔「やれ」を重ねた語〕
① 安心したり深くものに感じた時などに発する語。 「 -,これで一安心」 「 -,大変な人もいるものだ」
② 疲れた時,落胆した時などに発する語。 「 -,また出直しか」
③ 呼び掛ける語。 「各一度に-千手か,忠光か/浄瑠璃・蟬丸」
「やれやれ」この言葉はよく主人公が口にします、意味としては多分、②ですね。
ちょっとあきれた、落胆したっていう感情表現、村上春樹の小説の主人公のなぜか冷めた感覚。
この感覚が「やれやれ」って事ですね、うーん面白いです(笑)
「双子と沈んだ大陸」
うーん、難解な話でした、印象も薄い・・・
「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」
なんとも長い題名ですが、なかなか上手くまとまっている面白い話でした。
「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
無職の主人公と怪我で学校を休んでいる少女との会話・・・
結局、猫はどうなったの?って思うが、なにより一番気になったのは出てくる少女のイメージが
映画「ノルウェイの森」の水原希子のイメージが強くて・・・
なぜか、主人公を振り回す小悪魔的な女性が登場するのが多いなぁ~それだけ主人公はモテルってことか?
うーん、羨ましいです。
次は「螢・納屋を焼く」を読んでみます。