Digital photo's diary

自称「暇人」によるデジタル写真日記。

嘘のような本当にあった話  エピソード4  渋川のボンボン

2023年11月07日 | デジタル写真
山に行って翌年の4月に1つ年下の後輩が入ってきました。
私と違って新採用で来たらしく渋川市出身です。
一目見て、何処かの良い所のお坊ちゃんなんだろうなーと分かりました。
職場の中でも私と歳が近かったので直ぐに仲良くなりました。
早速、ボンボンの下宿探しに一緒に付いて行きました。
自分の時に失敗したので最初に各地区の区長さん宅に行って色々と情報を集めました。
最初は今は使われていない村の診療所でしたが渋川のボンボンは、中にも入らないで「ここは幽霊が出そうで,なんだか気味が悪い」と弱気発言で振り出しに戻ります。
確かに、屋根の一部は崩れかかり外壁も塗装が剥がれ、何が出てもおかしくないような雰囲気でした。
あの沼田の旅館の薄暗い4畳半が普通に見えた位ですから・・・・。
次に見に行ったのが、猿ヶ京小学校の宿直室でした。
猿ヶ京小学校は国道から少し上った山の中腹にあり、宿直室は学校の裏に渡り廊下で繋がっている別棟で建っていました。
でも、宿直で使っていた形跡は無く部屋には足跡や泥で埃まみれになっていて、陶芸用の焼き窯など色んな物が置いてあった所をみると物置として使っている感じです。
うーん?と首を傾げて渋っていたボンボンに「こんな田舎にはこの程度の所しか無いよ」となだめ、取り合えず暫く住んでみる様に説得したのですが、最初の一晩でギブアップしてしまったらしく、翌朝私に「慣れるまでの間、暫く一緒に居てください」と泣きついてきました。
早速その日の夕方、布団を彼の車に積んで一緒に行ったのは言うまでもありません。
国道から離れた山の中なので車の音も聞こえず恐しいほど静かです。
時折、野猿やフクロウの鳴き声なんかが聞こえます。
今ではこんな風になっていました。
国道沿いにドライブインやラーメン屋さんなどがあったしお風呂も猿ヶ京温泉区域なので生活に困る事も無かったと思いますけど・・・。
でも、何の苦労も知らないで育った渋川育ちのボンボンには耐えられないでしょうね。
結局ここは諦めて、次は家の周りには草丈が2mもある雑草が生い茂っていて玄関に入るには5~6mほどかき分け無くては入っていけない平屋の一軒家を見に行きました。
1年ほど前までは若い夫婦が住んでいたとの事でした。
外トイレでしたが6畳程の和室が二部屋もある私の所に比べたらまるで御殿です。
下宿代もそれなりに高かった様ですが、親からの援助を受けられると言うので即入居です。
取り合えずは数日かけて蔓延っていた雑草の草取りでした。
数m離れた所に赤谷川が流れていてとても良い環境です。
でも台風などで川が氾濫したらどうなるかは分かりません。(そういった事は一度もありませんでしたけど)
ここは私が平地に戻ってからも苗場スキーに行く際のベース基地として大分活用させてもらいました。
その彼は来た時から青いカローラに乗っていました。
私が車を買う切っ掛けにもなりましたし、彼の車で色んな所に一緒に遊びに行きましたね。
以来、お互いの結婚式で会ったのが最後で、今は生きてるか死んでいるかも分かりません。

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