山羊のひとり言

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名もなき毒

2010-11-30 12:26:48 | 本と雑誌
題名の「名もなき毒」の毒とは何なのか?終盤に、その意味が判り衝撃を受けます。
吉川英治嘗受賞作品である、この小説は、ありふれた日常の中にドラマを構成しています。非日常的なのは、主人公が大財閥の娘を妻にしていることだけ。その設定は、物語のテーマに繋がる重要な要素でもあり、ドラマ性を盛り上げる要素であり、構成の巧さに感心します。そして、終盤の、非日常的事件。更に、毒の正体。物語に引き込まれ、考えさせられます。
最後に、主人公が「丘を登って」何処に向かって行くのか、色々想像が出来る余韻が何とも言えません。