山羊のひとり言

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13階段

2006-02-06 18:59:05 | 本と雑誌

高野和明の「13階段」が面白い。映画化もされていますが、本は映画以上に面白いようです(映画は見ていないので)。13階段というと、絞首刑の階段を暗示しますが、現実に、日本では13階段の階段を上がることはありません。13階段の施設は、日本の刑罰執行の歴史上では、アメリカの統治下での巣鴨プリズンでの執行のときだけだったようです。
話が脱線しましたが、高野和明の「13階段」という小説は、よく出来た作品で、死刑、冤罪、罪を犯したことの意味、被害者の人権、加害者の社会復帰、刑の執行のあり方等、多くの問題と現実の存在理由の矛盾を我々に突きつけます。
江戸川乱歩賞受賞作品は傑作が多いのですが、この作品は傑出しています。