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嗚呼、ミスキャスト!

2019-01-06 09:57:04 | 映画
モンテクリスト伯は世間をあざむく架空の名前であり、
彼の本名は、元船乗りである、エドモン・ダンテスです。





これを演じる主人公としてフランス映画界が選んだ俳優は、
当時のフランス映画界のビックスターであったらしい、
ジェラール・ドパルデューという俳優でした。

アメリカ映画全盛の現在の日本では、フランス映画の状況は分からず、
ジェラール・ドパルデューなどという俳優を私は全く知りませんでした。
テレビドラマ化された1998年に彼は49歳くらいでした。

身長180センチ・金髪・小太り・ダンゴ鼻。



彼は65歳くらいの時に、高額納税を逃れる為に、ロシアに国籍を移します。
その時の体重は、恐らく120キロ以上はあったでしょう。
つまり彼は本来がデブ体質なんです。

モンテクリスト伯の小説には、
エドモン・ダンテスは、どちらかと言うと長身痩躯の黒髪。
こんなダンゴ鼻の金髪中背デブなんかじゃないんです。
そこが最大の失敗。

私は俳優は顔が命だと思っています。
こんなブチャムクレ顔がモンテクリスト伯など演じられる訳がないのです。

それと比較して思うのは、
「風と共に去りぬ」です。



著者のマーガレット・ミッチェルは、その小説を書く時に、
レッド・バトラーを、あのクラーク・ゲーブルを思い浮かべて書いたのです。
ですから、あれほどの適役俳優はクラーク・ゲーブル以外は絶対にあり得ないのです。
これほどの適役俳優は、ある意味、空前絶後かも知れません。



そして、監督が思い悩んだのが女優。
スカーレット・オハラを演じる女優が居ないのです。
様々な候補に挙がった大物女優は何人もいましたが、何処か違う。
そして、ある時偶然見かけた無名の新人女優・ヴィヴィアン・リー。

監督は一発で、彼女こそと、ピーンときました。
クラーク・ゲーブルとヴィヴィアン・リー。
この二人が、この映画を世界的名画に決定づけました。
俳優というのは絶対的に、絶大に作品を名作にするか駄作にするかの決定打なのです。
そこでミスったら、折角の名作も台無しになります。

「桃太郎侍」だって、あの高橋英樹だからいいんで、
テレビ・バラエティー番組の出川哲郎だったら、そんなの誰も観ないよ。
「モンテクリスト伯」だって白人が演じるからいいんで、
日本人がやる「モンテクリスト伯」なんて観たくもないし、
作品の汚れでしかないので、そんな冗談はやめにして欲しいね。



この作品を本国フランスで演じられる俳優となると、
私は俳優であり歌手であるイヴ・モンタンしか思い浮かびません。
彼は長身だし声も低くて美声だし、憂いを帯びた顔つきです。
「恐怖の報酬」という名画で見事に俳優としての名声もあるし、
きっと、良かったんだろうな~という無念感が残ります。

アメリカ映画全盛の日本に於いて、
「モンテクリスト伯」を映画化するとなれば、演じるのはアメリカ人。
日本人から見れば、アメリカ人でもフランス人でも、どっちでもいいやなんで。
例えば・・



バート・ランカスター



グレゴリー・ペック



ショーン・コネリー



ジェームス・コバーン



リック・ジェーソン



クルスチャン・マルカン



そして、これは2002年に映画化された時の俳優。
ジム・カヴィーゼルという俳優だそうです。(私は知りませんが)
ですが、この俳優もジェラール・ドパルデューに比べたらはるかにいいですね。

しかし、誰も彼もみな(往年の役者)であり、
現在は鬼籍に入っている人も多くいます。
でも過去に、彼等が若い頃は、こんなにも魅力に溢れていたんですね。
こういった視点から映画化をしていたら、きっと名作になり得たのに・・・

アメリカ・ハリウッドの俳優陣は実に奥行きがあり、
まるで知らなかった俳優に、とんでもなく素晴らしい人が居たり、
磨けばいくらでも良くなりそうな俳優が居ます。

フランスの作品が失敗した最大の要因は、
ジェラール・ドパルデューという(その頃)は人気があった、
という理由で彼を使った事ですね。
「風と共に去りぬ」で無名だったヴヴィヴィアン・リーを、
一発で見抜いたのとは正反対。
これで20億円という巨費をむざむざドブに捨ててしまいました。

あぁ、何たる大失敗!
私が生きている内に、もう一度は、まずあり得ない。
そこが悔しい。無念です。







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