昨夜の夢見がどうも悪いようだったので、このシリーズを終わるに当って、もう一度、吉備の美女について思い巡らせて見ました。
朝方、吉備津神社の明け六つの太鼓の音を聞いていました。するとその音の中から、
「顔いと青ざめて たゆき眼(焦点の定まらない疲れきった眼)すさまじく 指し出だしたるその手の青く細りたるは恐ろしく」
と書いている雨月物語「吉備津の釜」の女『磯良』(いそら)が顔を覗かせて言います。
「どうして、私をお忘れなのでしょうか」
と、さもうらめしそうに。
「ついうっかり忘れていた」ともでも言おうものなら、たちまちに、その場で呪い殺されそうです。うやむにゃと口ごもりながら、今早速に、この文を書いています。
そうです。この磯良も美人だったのです。
この人は吉備津の神主香央造酒(かさだみき)の女子で、うまれだち秀麗(秋成はこれを“みやびやか”と読ませています)で、当時の吉備を代表する美女であったようです。
少々夏らしく怪談じみてはいましたが、これが本当に、このシリーズ最後となりました。
朝方、吉備津神社の明け六つの太鼓の音を聞いていました。するとその音の中から、
「顔いと青ざめて たゆき眼(焦点の定まらない疲れきった眼)すさまじく 指し出だしたるその手の青く細りたるは恐ろしく」
と書いている雨月物語「吉備津の釜」の女『磯良』(いそら)が顔を覗かせて言います。
「どうして、私をお忘れなのでしょうか」
と、さもうらめしそうに。
「ついうっかり忘れていた」ともでも言おうものなら、たちまちに、その場で呪い殺されそうです。うやむにゃと口ごもりながら、今早速に、この文を書いています。
そうです。この磯良も美人だったのです。
この人は吉備津の神主香央造酒(かさだみき)の女子で、うまれだち秀麗(秋成はこれを“みやびやか”と読ませています)で、当時の吉備を代表する美女であったようです。
少々夏らしく怪談じみてはいましたが、これが本当に、このシリーズ最後となりました。
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