私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

一人忘れていました。吉備の国の美女達-7

2007-07-20 08:47:26 | Weblog
 昨夜の夢見がどうも悪いようだったので、このシリーズを終わるに当って、もう一度、吉備の美女について思い巡らせて見ました。
 朝方、吉備津神社の明け六つの太鼓の音を聞いていました。するとその音の中から、
 「顔いと青ざめて たゆき眼(焦点の定まらない疲れきった眼)すさまじく 指し出だしたるその手の青く細りたるは恐ろしく」
 
 と書いている雨月物語「吉備津の釜」の女『磯良』(いそら)が顔を覗かせて言います。
 「どうして、私をお忘れなのでしょうか」
 と、さもうらめしそうに。

 「ついうっかり忘れていた」ともでも言おうものなら、たちまちに、その場で呪い殺されそうです。うやむにゃと口ごもりながら、今早速に、この文を書いています。

 そうです。この磯良も美人だったのです。
 この人は吉備津の神主香央造酒(かさだみき)の女子で、うまれだち秀麗(秋成はこれを“みやびやか”と読ませています)で、当時の吉備を代表する美女であったようです。
 
 少々夏らしく怪談じみてはいましたが、これが本当に、このシリーズ最後となりました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿