私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

信義を守らず

2011-12-10 14:01:02 | Weblog
 ビスカイノは、更に、日本人に付いて次のようにも書いています。

 「彼等は信義を守らず、利害に関する時は子息等も親に服せず、部下が長上に服従するは恐怖に基き愛情に因るにあらず」

 「信義を守らず」とあります。辞書によりますと「いったん約束した事を破らずに、その通りに実行すること」とありました。余りその意味が分からないので、久しぶりに例の「珍聞漢文」先生の家を訪ねました。

 早速、彼の居間に上がり込みます。すると先生例の通りの岡山弁で説明してくれます。

 「そうか信義か?」と言ったかと思うと沢山並んでいる彼の本棚から、これも時代ものらしい一冊の本を持ってきてぺらぺらとページを繰って行きます。
    

 「ここをみてみい。」と差し出します。
 

 何か小難しい漢字がいっぱいに並んでいます。「言不及義、・・・・」と。そして、次の行には「〇子曰、君子義以為質・・・」という字が。

 「こりょうみてみいなあ。はじめのはな。まあなんといやあええんか、おおぜえのもんがはなしょうて、そのはなしょうることに義、そうじゃ道理がなうて、こざかしい事ばあ、その場限りのことばあ云っている。嘆かわしいじゃあねえか。という意味じゃ。ちかごろ、わでえになとる、ちかわとかなんかとかいう人のことを、いうておるんじゃねえかなとおもえるんじゃがなあ」

 と、またまた彼の好きな政治のお話に話題が飛びます。時間は直ぐ過ぎて行きます。それから、又、次の子曰に進みます。

 「こりゃな。君子の本質はなあ、義、そうじゃ道理がなくちゃだめじゃということじゃ。信。そうじゃ約束したこた、本気で真心をこめてやらにゃあおえんどということなんじゃ・・・どうも、今の民主党もそうじゃが、政治家は、どいつもこいつも、此の信義がありゃあへんのじゃ。なげかわしいことじゃないかのう、おい」と来ます。

 それからしばらくの間、彼の特異なお説教を聞きました。それにしては、此の信義という意味が、私には、まだ、あまりよくは分からなかったのですが、要するに、ビスカイノが聞いたり見たりした1600年頃の日本には孔子は云っているような正義も仁義も信義もない、とんでもない不道徳な非文明の野蛮国だと云う事を言っているのだと思います。

 それから、しばらく世間話をして「もうちいたあー おりゃあええがな」という彼の家を後にしました。

 

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