私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

温羅の話

2012-07-09 09:20:11 | Weblog

 そりょうみょうたこのへんのみんなが、吉備津彦命はのうの「すげえあたまがええのう」と、褒みょうたんじゃ。そうしょうたらなあ、今度はのう、鬼ノ城の方からながりょうる川があるんじゃが。その川の水が、どうしたんかしらんが、ものすごうぎょうさんの真っ赤な水になってしもうて、流れだしたんだと。
 「どうしたんなら。どうしたんなら」と、そこらへんのもんはなあ、でえつもけえつも みんなしんぺえしてさわぎょうたんじゃ。そりょう、きいたミコトは、また、 「どうして そげん川の水が赤こうなりょうるんか調べてけえ」と、けれえをでえて しらべさしたんじゃ。

 そのけれえがけえって、ミコトに
 「ミコトがいっぺんに2本も矢を弓につげえてうったんで、一本は温羅の石に、もう一本はそのまま飛んで行って温羅の左目えあたって、その目から流れ出た血が血潮のようにぼっけえでてなあ、そのかうぇながれてなあ、せえで 川が真っ赤になたんじゃ。」
 と、はなしょうたんじゃ。
 

 その川はのう、せえからは「血吸川」と呼ばれたんじゃそうな。また、その温羅の目から出たものすげえぎょうさんの血はかわあながれて、そのへんの浜も真っ赤にそまってのう。せえから、そのへんを赤浜と呼ぶようになったんじゃ。この赤浜はのう、あの雪舟が生まれた所なんじゃ。