私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

吉備津彦命も矢を射る

2012-07-04 20:38:18 | Weblog

  「あげーにぎょうさんのおおけえ岩がとんでくるんで あぶのうてたまらん。どうかはよう温羅をてえじしてつかあせえな」
 とやいのやいのというて命にたのんだんだそうな。すると、命は「よっしゃ けえからやっつけたら」というて、弓と矢を持ってきたんじゃ。おおけえいわの上へおいとるぎょうさんのやを、石の飛んでくる鬼の城のほうへむけて、次から次へと、はなしょうさるんじゃ。でも、せえからは石は一つも飛んで来んようになったんじゃけえどなあ、せえでもなあ、今まで聞こえてきょうた鬼の城からの鬼どものおおけえ声は、前とおんなじように聞こえてくんじゃ。命もしんぺえになったんか「どねえになっとんなら、でえつか、行ってみてけえ」と、いわれたんじゃと。
 そこで家来の一人が、どねえになっとるんかみんいたんじゃ。
 命が陣取っておったんは吉備の中山じゃけなあ、そこと鬼の城までは ぼっけえひれえ葦の原っぱじゃったんだそうな。だから、おおきゅう伸びた葦の影に隠れて、こっそり見にいきょうた家来はたやすく行けたんじゃと。

 この温羅にちいて ちょびっといいたしとくけえのう。このめえに いいわすれとったけえなあ。そりゃあなあ、温羅の背丈にちいてじゃ。どのくれえおおきかったとおもようるんかしらんが、このへんのもんはなあ、みんな鬼はゆうには1丈4尺はこしとんじゃあねねかとはなしておったんじゃと。でえてえ、いまでいやあ4mぐれえだったんじゃが。