私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

鬼の話し

2007-01-24 22:22:34 | Weblog
節分が近づいてきました。そこで、今日は吉備の国の鬼の話をします。            
 桃太郎は、きび団子を持って、鬼が島へ鬼退治に行きました。猿・雉・犬がお供をしました。
 
 皆さんのご存知の桃太郎のお話しです。
 
 この桃太郎さんが、実は吉備津彦命だったと言われています。

 さて、吉備地方に伝わっている鬼は、百済から空を飛んできて、妖術等を使って、この吉備一帯をあっという間に支配してしまったということです。
 風貌も、生活習慣も、支配方法も随分と異なり、戦いも馬等を使いこなし荒々しく、しかも疾風の如くに通り抜け、鉄製の刀などで多く善良な吉備人たちを切り殺し、その力を伸ばしていたのではと思います。
 食事方法も、肉なんかもしきりに食べていたようです。
 突然降って湧いたように現れた、この見慣れない服装も言葉も髪の形も違う異邦人に対して、吉備人は、どこか別世界に住む「鬼」が来たと思ったのです。その鬼の大将の名前が「温羅」(うら)です。
 
 でも、誠に不思議な話しですが、吉備津神社の中に、この鬼「温羅」がお祭りされています。先日取り上げた「えびす宮」もそうだし、神殿の外陣の丑寅にある「艮御崎」もそうです。

 まあそれはそれとして、この鬼を吉備津彦命が退治してくれたのです。これが「桃太郎」の原型になったと言う事です。
 
 この鬼を退治するのに、吉備津彦命は、陣取っていた吉備津神社から10km先の山城にいた鬼に向けて矢で攻撃したのです。
 
 その矢を置いたと言い伝えられている岩が、このお宮さんの入り口にある階段の側に、どっかと構えてあります。何時頃からそこにあるのかよく分らないそうです。
 正月2日に、この故事にちなんで、この岩の側で、「矢立ての神事」が毎年行われています。
 

 そんな古いお話が、もまことしやかに伝わっています。
 古い記録によりますと、この地方には、回りの国々には見えない「語部」という氏族もいたようです。この人たちによって、沢山の言い伝えが残されたという事です。