水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

一進一退・十一首

2013年03月14日 10時27分36秒 | 投稿歌
今朝、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。今回は、就職がらみのことにまつわる一進一退を詠んだ歌でまとめてみました。
気に入っている歌もありますが、やはり色々難点もあり…
四首目、「面接に砕け」という表現が今ひとつだし、その後「降り立つ」とさらに動詞を繋げたのが何とも巧くない。
七首目、「意志を壊さぬ」という表現が叙情味に欠ける。
十首目は、上の句を読んだだけでは 事情がちんぷんかんぷん。まぁ、これは「已むなく」という言葉を使って巳年の年賀状向けに試作していた際にできた歌なんで、こんな形なのですが…。歌稿を清書する段になってそのマズさに気付いたけれど、面倒臭くてそのままに(汗)。
さて、どう添削されて返って来ますやら…?



図書館の求人の跡をウェブに見る如月六日木枯らしが吹く

面接の知らせに頬を上気させ花もも小脇に家路を急ぐ

「山梨は田舎でしょう」と遜る面接官に苦笑いする

面接に砕け降り立つホームにて春のコートが風に膨らむ

バンクーバー閉幕の夜のニノ・ロータ「道」を微熱にぼんやりと聞く

週五日早出遅番ある職を落ちて内心人心地つく

起き抜けにストンと落ちてきた意志を壊さぬように詠まないでおく

司書資格思い立てるを閉ざすごとすんなり決まる適応訓練

ウェブ管理を頼まれながらその実は瓶にひたすらラベル貼る日々

やむなくて作業所にまた通い出す癌の治療に社会適応訓練(しゃてき)を辞めて

ダンボールの組み立てさえも褒めくれる作業所にいて優しさに馴る


(2013年4月10日締め切り分、『樹海』2013年6月号掲載予定)

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