水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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聞茶(58):最近飲んでいるもの

2019年06月19日 14時19分38秒 | 聞茶・聞豆
色々なシチュエーションに合わせて音楽を選ぶというコンセプトで当ブログを始めたのは、もう14年も前になる。しかし、音楽中心に記事を書けていたのは持病の再燃の頃まで、つまり正味二年程度。その後は短歌作りに次第に軸足を移し、音楽については時々書くというスタンスになっていった。ブログ開始から五年も経過すると、音楽のことは滅多に書かなくなってしまった。ブログタイトルと内容のずれが如何ともし難くなってきて自分でも歯がゆく感じていたが、「BGM」の看板を下ろすのには長らく抵抗があった。
 今ではこのブログの柱となっている《一首鑑賞》の一本目の記事を書いたのは約五年前の2014年初夏。所属教会でトラクト発行を考案したのがきっかけである。それまでは漫然としか歌集の類いを読んでこなかったところから、いきなり短歌にまつわるエッセイを、しかもキリスト教の信仰に引き寄せて読み解くという暴挙に出たのだから本当に大変だった。このテーマとがっぷり四つに組み、ようやく軌道に乗ってきたという実感が伴ってきたのは、《一首鑑賞》開始から二年ほど経った頃。当然その間、音楽などにかまけている余裕もなかったというのもあるが、もう音楽に拘らずともやっていける自信が芽生えてきたのもちょうどそのくらいで、2016年7月20日にブログ名を現在の『水の門』に変更した。
 《一首鑑賞》はスタート当初こそアクセス数が伸び悩んだものの、近頃はルピシアの福袋記事をupした時と互角のアクセスを獲得するに至っている。
 さて前置きが長くなってしまったが、本題である。gooブログにリアルタイムアクセス解析が導入されたのがいつだったかはよく覚えていないのだが、これをチェックしていると自分のブログの人気記事ランキングでは見えてこない微細なアクセスの様が把握できる。このリアルタイムアクセス解析で、最近過去の音楽関連記事へのアクセスがちょいちょい見受けられるのだ。おそらくごく少数の方によるアクセスだとは思うが、こういう傾向もあるのならたまには音楽のことを書くのもいいかな?と考えた次第である。
 まぁそうは言っても、短歌と一首鑑賞とに格闘していた間にすっかり等閑になっていた音楽のこと。自分のiTunesライブラリは所属教会の礼拝説教音声で占拠されているし、ストリーミングにはちょっと手が回らない状況でお恥ずかしいけれど、今や古色蒼然とした「選盤」という形態でお許し願いたい。

 そんなわけで《聞茶》である。ほうじ茶のカフェイン量を調べていた時、この記事に行き当たった。それに拠ればカフェイン摂取の適量は、

女性(300mg以内/日)の場合、1日の目安は、
・煎茶やほうじ茶なら:10杯まで
・紅茶なら:6杯まで
 ・コーヒーなら:3杯まで

なのだとか。これを参考にして最近飲んでいるのが、上の写真のお茶・コーヒーである。
プリムビーンズの「ペルー チャンチャマイヨ」(コーヒー)
ロプチューの「シッキム テミ茶園」(紅茶)
ルピシアの(福袋から)「デカフェ・サクランボ」(ローカフェイン・フレーヴァードティー)
ルピシアの(福袋から)「ジャルダン ソバージュ」(グリーンルイボスのフレーヴァードティー。ノンカフェイン)

 今回の音楽は、寺尾紗穂の『愛の秘密』。ロプチューの「シッキム テミ茶園」を基に選んでみた。ダージリンに似た花のような香りの清々しい紅茶で、水出しのアイスティーだと一層彼女っぽい。
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ルピシア福袋2019夏☆ノンカフェイン・ローカフェイン♫

2019年06月13日 14時13分12秒 | 聞茶・聞豆
ルピシアの福袋《ノンカフェイン・ローカフェイン・ハーブの【竹】リーフティー》が今日届きました〜!以下、ネタバレです。


★オーガニック ルイボス ナチュラル
★ルイボス アールグレイ
★ラビアンローズ
★ピーチメルバ
★ヤミー
★ジンジャー&レモンマートル
☆アダージオ
◎デカフェ・スペシャル
◎デカフェ・サクランボ
◎デカフェ・グレープフルーツ
◎デカフェ・白桃
◎デカフェ・マスカット
◆キケリキー!
◆セ パフェ!
◆エルダーフラワー&カモミール

の、15種類でした。★は、ルイボス系のお茶です(☆はグリーンルイボスがベース)。
《アダージオ》って、飲んだことあったように思っていたのですが、どうも記憶違いだったようです(ブログ内検索しました)。グリーンルイボスの水出しアイスティーって美味しいので、楽しみ〜٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
《エルダーフラワー&カモミール》は、この福袋を初めて買った時は(眠くなりすぎるので)飲み切るのが大変だったのですが、最近はだんだん使い方を心得てきて重宝しています。


(おまけの、人気のお茶ティーバッグセットの写真は省略)
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一首鑑賞(67):三井喜子「主に告ぐる夜のひととき楽し」

2019年06月08日 10時52分09秒 | 一首鑑賞
身にありし一日の思ひ悉(ことごと)く主に告ぐる夜のひととき楽し
三井喜子『ラザロの如く』


 掲出歌を見るや「ああ、この感覚わかるなぁ」と頷いた。そして、祈りとは本来こういうものなのだと改めて思った。
 先月の教会全体研修会では、今年度の主題「祈り」について学んだ。左近豊の『信仰生活の手引き:祈り』という本をテキストに牧師先生が講話をなさった。その中で旧約の数多ある祈りを繙いていったが、その中の一つが詩編88編だった。左近師の本ではこの作者を「神との接点を求めながらも、神からの応答を引き出すことのできない苦難にある詩人」と呼んでいる。88編は「愛する者も友も あなたはわたしから遠ざけてしまわれました。今、わたしに親しいのは暗闇だけです」で結ばれており、詩人は救いのない状況に追い込まれているように見える。だが左近師は、答えがないからといって詩人が沈黙に陥らず神に訴え続けていることに注目する。N教会の牧師先生もこの詩編に対し「祈れること自体に救いがある」とコメントされた。

  悲しみの涙涸れたる老われのヨブ記読みつつ涙し流る
  飽食のわれ罪深き思ひして術なくしじにエレミヤ書読む


 三井は、友の子どもの死に際して、あるいは貧困の格差を前になす術のない自分が憤ろしく、聖書に立ち向かっている。引用の二首以外にも、折に触れ聖書に拠り所を求める真摯さに打たれる。

  人間の弱さすべなし聖言葉(みことば)にまた縋りゆく罪人われは

 このような三井や詩編88編の作者の姿を見て、人は悲壮感漂う熱狂主義と思うのであろうか。私はそうは思わない。掲出歌に一つの鍵が見出せるような気がする。色々あった一日の終わりに、心にある葛藤やわだかまり、人を許せない気持ちなど全て取り繕うことなく全能の神様に打ち明ける時間は、そう、楽しいのだ。私は持病の関係で入眠の服薬と就寝の時間が早めなので夜にこうした時間は取れないが、代わりに朝、大体四時頃に起き出してキッチンで神様に打ち明けるつもりで、前日のことをノート(黙想日記)に書き出し、聖書を読む。四時と言うと人に驚かれるのだが、私としては朝のこの時間が一日のうちで一番楽しく、紅茶やコーヒーを淹れ、プルーンやアーモンドを摘みつつ、テンションの高い時はうろうろしながらもこの時間を満喫している。こうして神様と時間を過ごして一日をスタートするから、自信をもって暮らしていけるのだとつくづく感じる。本来の私は、不安でどうしようもない人間なのだから。
 かつて所属した結社にこのような信仰の先達がいたことに私は心強く、自分もそのように神に支えられて生きていけたらと思うのである。
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